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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第17章:勇者と勇者と勇者
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二重人格

「死ね、死ね! 良くもトオルにあんなクソみてぇな真似をしやがったなあああぁぁぁぁっ!!」

「『私』じゃなくて『トオル』なんだ? 別の人間ってカウントなのかな? 二重人格って面白いな?」


 女勇者トオル。コイツの記憶に纏わる秘密、それは人格障害の一つである多重人格だ。

 徹底的に女としての、そして人としての尊厳を踏みにじられた。拷問やら何やらで精神と肉体を苛め抜かれた。最終的には非人道的な苦痛を伴う手術によって肉体を改造された。

 それらの苦痛があまりにも耐え難く、逃れるために生まれたのがもう一つの人格。どっちが素なのかは分かんないけど、ともかくコイツは二重人格だ。

 いやー、これは面白い。変なのとかおかしなのはうちにもいっぱいいるけど、二重人格は初めてだよ。まさか同郷の人間が狂人の坩堝に仲間入りするとは思わんかったね?


「僕はむしろ助けた側だよー? 話を聞いてくれないかなー?」

「くたばりやがれええぇぇぇぇぇっ!!」

「駄目だこりゃ。やっぱ発散に付き合ってあげないと話も出来ないな?」


 完璧に憎悪と殺意に支配されてるトオルは、僕に向けて間断無くぶっとい稲妻を放ってくる。まあその程度なら特に効きやしない。正面にシールド染みた結界を張り、耳をほじくりながら余裕で凌いでますよ。

 しかしまさか本当に二重人格だとはなぁ。どうやらレーンの仮説通り、片方の人格にトラウマに拘わる記憶を押し付けてたらしい。だから中二の方の人格は何も覚えてないにも拘わらず、記憶の書にはちゃんと記載されてたってわけ。考えてみれば二重人格って言っても魂は一つだし、記憶の書は多重人格には対応してなかったもんね。


「まあいっか。僕もたまには思い切り運動したいし、少し付き合ってあげるよ」


 ニアことミニスちゃんが大体一人で魔物を討伐してたから、実は従者トルファトーレとしてはあんまり戦闘関連の仕事は無い。そのため忙しい日々ではあったけど身体は若干訛ってる感じだ。運動相手に雷を操る勇者っていうのはなかなか悪くないんじゃないかな?

 というわけで僕は空間収納から長剣を取り出し、それを槍投げの如くぶん投げました。放たれた剣は自分の展開したシールドごと雷を切り裂いてカッ飛んでいき、最終的にトオルの足元に突き刺さった。

 えっ、何で投げたのかって? そりゃあ向こうにも武器をあげないと駄目じゃん? たぶん空間収納にも何にも入ってないだろうしね。


「ふざけやがって……!」


 武器を与えられたって事を理解したのか、トオルはギリっと唇を噛み締めつつも剣を手にする。

 んー、冷静な判断能力は残ってるのか。怒りと殺意に身を任せてるにしては冷静だな? 邪神城でやりあった時はどっちだったか知らんけど、あの時とは違って脳の機能は正常だもんね。いや、多重人格を発症してる脳が正常と言って良いのかは分からんが。


「我が身を稲妻と化せ――雷神変生(トール・エボルシオン)!」

「お?」


 なんて考えてたら、剣を構えたトオルが実に面白い事をした。自分自身に稲妻を落としたみたいに雷を弾けさせたかと思えば、青白く輝く幽霊みたいな姿になってた。部分的にバチバチしてて放電してる所、あと直前の発言から察するにこれはもしかすると……。

 

「――死ねっ!!」

「おおっ!?」


 雷鳴の轟きと共に、一瞬で僕との距離を詰めたトオルが銃弾を優に超える速度で剣を振るってくる。

 やっぱりこれは自分自身を稲妻と化す類の技だね。移動も剣を振るう速度も、何もかもが尋常でない速度かつ放電を伴ってる。雷を操るっていう勇者としての力だけで出来るとは思えないし、魔法との複合技って所かな?


「勇者としての力のみに胡坐をかかず、魔法との合わせ技も作るか。やるねぇ!」

「はああああああぁぁぁぁぁっ!」


 そして雷速で周囲を駆け回りながらの、閃光染みた鋭さの剣戟が僕を襲う。まるで雷雲の中で轟く雷鳴に揉まれてるみたいな猛攻撃だ。剣の刀身にも稲妻を纏わせてるから、一撃一撃が即死級だね。人格障害で素がどっちか分からないとはいえ、確かにこれは勇者の名に恥じない強さだ。


「まあ、僕はもっとやるけどね!」


 とはいえあくまでも勇者レベルだから、女神の寵愛を受ける救世主たる僕からすれば特に脅威は感じない。時間を操る事で反応速度や身体の動きをガッツリ強化して、雷速の剣戟を普通に捌く。放たれる雷は地面に流して完全に無効化し、その場から一切動かずに猛攻撃を凌ぐ。

 凄いっちゃ凄いんだけど、他にもっと何か無いのかな? 雷速で斬りかかってくるだけの脳筋戦法だけじゃなくてさぁ。


「ほらほら、もっと頑張って? トオルが味わった苦痛はこの程度か? んん~?」

「こ、この野郎……! 絶対、絶対にぶち殺してやるっ!」


 僕の挑発に対し、トオルはブチ切れながらも距離を取った。

 やっぱりこのままでは僕を仕留められないって分かってるんだろうね。冷静な判断力があって何よりだけど、そもそも決して敵わないって所まで理解して欲しかったかな。まあ殺意と憎悪に支配されてるし無理か。


磁場創造エレクトロ・マグニートー!」

「おっ? 今度は何だ?」


 剣を握ってない方の手を地面に着けたかと思えば、そこから大量の稲妻を放つトオル。それらは全て地面に吸収されこっちまでは届かないけど、代わりにトオルの周囲の地面が不気味な変化を見せた。

 黒い粒子状の何かがうぞうぞ蠢き、地面から大量に湧き出てくる。電気、そして地面と考えればあれは砂鉄かな? 電気によって磁場を作り出し、それで砂鉄を地面から集め引き抜き操ってるのか。本当器用だな、おい。


「いけっ! 奴をぶち殺せ!」


 そして大量の砂鉄が蠢き一纏まりになったかと思えば、僕に向けて迫ってくる。視界いっぱいに広がる黒い波はなかなか迫力があるね?

 当たっても特に効かないだろうけど、さすがにアレが服の中に入ったら全身じゃりじゃりになりそうでかなり嫌だ。だから素早く背後に跳んで、殺到する砂鉄の波を躱したんだけど――


「死ね!」

「くたばれ!」

「ぶち殺す!」

「おおっ!? 何これ!?」


 砂鉄の波を突き破って一人、回り込むようにして左右から二人。雷と化したトオルが計三人現れた。さすがにこれには度肝を抜かれて、危うく反応が遅れ一発貰いそうになったね。砂鉄の波を隠れ蓑にしてまさかの分身かよ。


「そのムカつく面を切り刻んでやるっ!」

「水よ、我が敵を呑み込め!」

「集え雷! 全てを貫く槍を放て!」

「挙句にそれぞれ違う事やってる!? 何だお前!?」


 そして一人のトオルが雷速で凄まじい連撃を繰り出す中、二人のトオルが魔法の詠唱を口にする。

 ちょっとこれどうなってるん? 雷を操る以上の事やってるじゃん。質量のある残像どころか自我のある分身? マジで何だこれ?


「ハチの巣にしてやるっ!」

大瀑布(グラン・キャスケイド)!」

紫電の槍ライトニング・ランサー!」


 僕と接近戦を担当する剣持ちのトオルが、目にもとまらぬ雷光の刺突を連発する。中距離にいる二人のトオルが、天から膨大な水の塊を降らし圧し潰す魔法と、雷で作られた魔法の槍を数本放つ。

 しっかりと制御された、間違いなくトオルの操る魔法だ。一体どうやってこんな事してるんだ? さしもの僕でも以前まではそんなの無理だぞ?


「いやぁ、面白いねぇ! さすがは同郷の人間って所かな?」


 まあだからって僕が負けるわけじゃない。雷光の刺突は一発一発丁寧に防ぎ、天から降り注ぐ水の塊は一瞬で水蒸気に蒸発させ、雷の槍は空間を捻じ曲げて軌道を百八十度反転させる。


「クソッ! 何なんだテメェは!」


 理不尽極まる対応にトオルの一人が悪態を零して距離を取り、同時に分身二人が消え去る。

 なるほど、さすがに長時間は維持できないみたいだね。自我のある分身とかどう考えても難しいもんな。身体を雷と化してるのもの含めて、必殺技みたいな感じなのかもしれない。

 あと消える時の様子で分身のからくりが分かった。あれ厳密には分身じゃなくて、自分の身体を伸ばして整えて分身してるみたいに見せてるだけだわ。今のトオルは雷そのものになってるから、別に人の形をしてる必要は無いんだよね。だから自分と同じ形の雷を複数作って、雷で繋げて操ってるってわけだ。有線操作のラジコンみたいなものだね。

 しかしそんな技まで見せてくる辺り、そろそろネタ切れかな? 今も何か攻めあぐねて睨みつけて来るだけだし。


「良し。ある程度楽しんだし、そろそろ力の違いを分かって貰おうかな? 雷神変生(トール・エボルシオン)

「なっ!?」


 ある程度殺意の発散も済んだだろうし。ここからは僕のターン。という事で力の違いを分からせるために、こちらも実に分かりやすい魔法を使う。

 僕の身体を黒い落雷が捉え、弾けるように邪悪な光が広がる。それが過ぎ去った後、僕の身体は赤黒く輝き絶えず放電を続ける姿となった。とどのつまり、トオルの雷化の真似。その色違いだ。


「テメェ、それは……!」

「同じじゃ芸が無いし、色は黒にしといたよ。この方がカッコいいしもう一人のお前も好きなんじゃない?」


 黒い落雷と化した僕はトオルの背後へと落ち、更に雷速を超えた速度で斬りかかる。本当はやろうと思えばもっと速くやれるけど、少しずつペースを上げていく方式で絶望を与えて行こうと思ってね。


「くっ、そがぁ……!」


 必死についてくるトオルだけど、徐々に対応しきれなくなり雷と化した身体を裂かれていく。

 雷になれるって時点で何となく勘づいてたけど、コイツの反応速度や思考速度も同じような方式で強化されてる感じだ。つまりは魔法と勇者の力の合わせ技。極論反応速度や思考速度なんてのは、脳内の電気信号のやりとりだからね。雷を操れるコイツなら同じ域までそれらを強化するのも難しくは無いはずだ。

 ただしそれ以上になると難しくなるのは、僕の剣戟についてこれないっていう事実が如実に証明してる。


「ほらほら、どうした? ポッと出の真似っこに負けるなんて、随分やっすい憎悪だな?」

「チッ、舐めるなぁ!」

「くたばれ!」

「死にやがれ!」


 軽く挑発すると、ブチ切れたトオルは再び三人に分身する。雷と化した人間が正面と左右から襲い来るっていうのはなかなかの迫力だね?


「――舐めてるのはそっちなんだよなぁ?」

「っ!?」


 ただまあ、こっちはそれを十二人に分身して迎え撃つけどね。もちろん一体一体個別の行動を取れる分身だ。

 何で僕がこんな事出来るのかというと、それは僕の思考能力を強化するためのシステムを地下研究所に用意してあるから。実は以前ミニスちゃんが言ってたアレを実行して見たんだよね。脳を繋げて心を一つに、とかいうアレ。

 だから保存してた死体から脳を取り出して、必要な部分のみを繋げに繋げて、僕専用の脳みそ強化システムとして使ってるんだ。これのおかげで僕の脳のスペックは格段に向上したから、十二人分の分身の並列思考と行動も訳は無い。

 まああくまでも情報処理能力とかが増しただけで、知能が向上した訳じゃないけどね。でもそこはあんまり手を加えると人格に影響出そうだし良いかなって。一周回ってまともな人間になっちゃうかもしれないし。


「ぐ、あっ……!」


 そんなわけで、トオルとその分身を一人につき四人でタコ殴りにしました。

 最終的にトオルの分身たちは掻き消え、雷化も解除され、ズタボロになった哀れな元勇者が膝をついて苦し気に呻いてたよ。やっぱ数の暴力って最高だよな!


「さて、もう終わりかな? だったらお話聞いてくれると嬉しいな?」

「ふざ、けるな……トオルが味わった痛みを、苦しみを……絶対に、思い知らせてやる……!」

「ん……?」


 いい加減飽きて来た所だけど、どうやらまだ何か隠し玉があるらしい。トオルが未だ諦観の見えない鋭い瞳で僕を睨むと、周囲に激震が走った。結構な震度の地震が起きてるみたいに、絶えずこの地下空間が揺れ動く。

 何をする気なのか、そして何をしてるのかはまだ分からないけど、せっかくだからこれを見てから終わらせるかな。


「おやおや、これは……」


 そう決めた僕が分身たちを解除して待ってると、遂にそれが現れた。青白い血管がびっしりと浮かんだ巨大な黒い手が、地獄の底から這い出てくるかのように地面を突き破ってこんにちは。

 二本の黒い手が現れると、それらは地面に掌を付きその全体像を露わにしていく。二本の巨大な腕を支えに、前腕や二の腕、これまた巨大な頭部や上半身がズゴゴゴと大地の底から現れた。

 さしずめプールに潜った美少女がプールサイドに両手を着いて上がるような感じ――いや、見た目はムキムキのマッチョマンなんだけどね? どうせなら美少女が良かったよ。


「わあ、すごい」


 そうしてその全貌を表したのは、青白い血管のようなものが全身に走った黒い肌の巨人、その上半身だ。

 あ、これ人種差別とかじゃないよ? だって黒い肌って見たまんま言ってるだけだし。そもそもこの巨人、そういう人の見た目をベースに作られたわけじゃないもん。この黒さと全身に走る青白い血管のような何か、そしてトオルの力から考えるに、この巨人は砂鉄で形作られたゴーレムだ。だから全身まんべんなく黒いし、表面を常に雷が走り血管のようになってるってわけだよ。人種差別とか抜かした人は思考力を鍛えて、どうぞ。


「――電気仕掛けの砂鉄巨人ライトニング・ゴーレム! 奴をぶっ潰せぇ!」

「砂鉄を雷で編んだ巨大なゴーレムかぁ。どんだけ器用に力を扱うんだか……」


 トオルの意志に従い、砂鉄巨人はゆっくりと右腕を振り上げる。

 本来ならあそこまで巨大なゴーレムが腕を振り上げられるほど、地下闘技場の天井は高くない。でも地面から砂鉄を大量に吸い上げて、なおかつ砂鉄巨人の内側を普通の土で満たして質量を増してるから、コロシアムの地面はほとんど底が見えるくらいに沈んでる。だから馬鹿でかいゴーレムが腕を振り上げ、僕を叩き潰そうとする事が出来る程度のスペースはあるってわけ。

 しかしアレだ。もう砂鉄と土を纏めて上からドバーっとすれば逃げ場は完全になくなるのに、わざわざ巨人の形に纏めて拳でぶん殴るのか。相当鬱憤堪ってるんだろうな? 確かにイラついた時は自分の手で殺りたいって気持ちも分からなくもない。


「まあ砂鉄の巨人出しても、だからどうしたって話なんだが?」


 とはいえこれは褒められるところがあんまりない。せっかく雷速での挙動っていう強みがあるのに、それを放り捨てて大きさと質量に走るとか馬鹿みたいじゃん。完全に憎悪と殺意に支配されちゃってるよ。

 というわけでつまらなくなっちゃったので、さっさと終わらす事に決めました。あんまり好みじゃないけど、ここは圧倒的な力の差を見せつけるために正面からぶち破ります。


「くたばれええぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


 そうして振り下ろされる巨大な拳。バチバチと絶えず稲妻を放ちながら、馬鹿げた質量の砂鉄の塊が降ってくる。何か前に似たような事を自分でやった気がするな? 悪事は自分に返ってくるっていうアレか?

 もちろん僕は後悔も反省もするつもりは無いから、迫る破滅を前に拳を握り立ち向かいました。とどのつまり砂鉄巨人の拳をこちらもグーパンで迎撃だ! 雷を纏う神々しい巨人の拳に対し、矮小な人間が小さな拳で立ち向かう……うーん、まるで神話みたいな絵面だな! 僕、今めっちゃ主人公してない?





「――で? 気は済んだ?」

「あ……ありえねぇ……!」


 もちろん主人公たる僕が敗れる事などあり得ず、僕の矮小な拳は砂鉄巨人の拳を捉えその身体ごと木っ端微塵に粉砕した。

 弾け飛んだ砂鉄や土が雨のように降り注ぐ中、精魂尽き果てたトオルは地面にへたり込んで絶望の面持ちを浮かべてる。まあ憎悪と殺意をこれでもかと込めた一撃が通用しなかったんだし、それもしょうがないか。その反応を見越してわざわざ正面から迎え撃ったんだしね。


「いい加減話を聞いてくれないかな? 僕は別にお前――もといお前たちに危害を加えるつもりは無いよ?」

「信じられるか! コイツがどんな目に合ったか分かってて言ってんのか!?」

「じゃあここでソイツごと死ぬ? 別に僕はそれでも良いよ? 元々同郷のよしみで助けてあげたっていうのに、ここまで手を噛まれると段々面倒臭くなってきたしね」

「くっ……!」


 ギリっと歯を噛み締め、憤怒と屈辱の狭間で揺れ動くトオル。

 即座に言葉を返してこないって事は、返答に迷ってるのかな。少なくとも僕には敵わないって事は理解できたっぽい。じゃあここでもう一押しだな。


「あーあ、可哀そうなトオル。あんな目にあってようやく解放されたっていうのに、やりたい事も出来ず幸せを味わう事も無く死んじゃうのか。利用されて弄ばれた挙句の最後がそれなんて、一体何のために生まれて来たんだろうね?」


 夢の異世界に来て、聖人族の操り人形として命を削りながら魔王討伐に向かい、それが失敗したら囚われの身。肉奴隷&実験動物&改造兵士のフルコースで苦しんだ末、最後にはもう一つの人格のせいで命を終える。

 ああ、なんて報われない人生だ。あまりにも可哀そうで愉悦が零れて来るよ。


「……チィッ! 分かったよ、話くらいは聞いてやるっ!」

「よしよし。良い子だ」


 さすがにそれは不憫が過ぎるって思ったみたいで、トオルは憎々し気にこっちを睨みながらも頷いた。

 全く、話をするのにこんなに手間がかかるなんてな? これはたっぷり僕の下で働いて貰わないといけないね? まだ仕事は決まってないけど。


 トオルは中二病で二重人格とかいうレアリティURの存在でした。狂人コレクションが増えたよ、やったね!

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