閑話:妹、襲来! 9
⋇クルスがやりたかった事、の巻
⋇性的描写あり
「えへへー……」
腕の中で幸せそうな笑みを零すのは、ご存じウサギ妹のレキ。
ああ、待って欲しい。腕の中で幸せそうだからって事後ってわけじゃないよ? 普通にベッドの上で抱きしめてあげてるだけ。いやまあ、こういう風になるよう誘導した感は否めないけどさ。
実はレキが屋敷に滞在する日は今日が最後。そして後はもう眠って朝を迎えるだけっていう時間帯。そういうわけで、せっかくだから兄と姉と三人で川の字で寝ようって提案したんだ。もちろんレキは大興奮で頷いてくれたよ。だからレキを挟んだ反対側には、歯軋りしながらこっちを睨むミニスちゃんの姿もあります。可愛らしいネグリジェ姿のね。
えっ、お前は兄じゃないだろって? 大丈夫だよ、ミニスをヤりまくってるから実質義理の兄です。
「ご機嫌だね、レキ? この十日間は楽しかった?」
「うん、凄く楽しかった! おにーちゃんたちも、メイドさんたちも、執事さんもみんな優しくて、凄く幸せだったよ!」
最早深夜近い時間だっていうのに、満足気な表情ではしゃぐレキ。
そういう指示を出してたおかげか、ほぼ全員がレキに優しく対応してたからね。闇を知らないレキにとっては最高に楽しい十日間だったに違いない。まあその裏で主に姉が割を食ってたけどね。妹の幸せを守るために辛い境遇に耐える姉って、何かエロ同人みたいだな……。
「それにそれに! 色んな所に連れて行ってもらえたし、美味しい物もいっぱい食べさせて貰ったもん! レキ、夢でも見てるみたいだった!」
ド田舎ではありえない待遇に、子供なのに夢みたいとか口にするレベルではしゃいでる。
とはいえそれも仕方ないか。僕もミニスも色んな所に連れて行ってあげたし、他人の子供を使って子育て予行演習とかいう気持ち悪い事してるトゥーラもだいぶ甘やかしたみたいだし。レストランでお子様ランチを食べたり、玩具屋で大興奮したり、動物カフェで動物と触れ合ったり、挙げればキリがないくらい楽しんでたしね。
「ふふっ。良かったわね、レキ?」
「うん!」
なお、姉の方は妹を守れるなら本望って奴なので、レキが楽しんでくれた事を心から喜んでる笑顔を浮かべてたよ。そして僕の腕から奪い取るように、しかし暴力性を悟られないように優しくレキを抱きしめる。抱きしめるくらい許してくれても良いじゃんかよぉ……。
「でも、明日で帰らないといけないなんて寂しいなぁ……」
「大丈夫だよ、今度は僕がそっちに遊びに行くからね。もちろんミニスも連れて」
「本当!? いつ来てくれるの!?」
「あっ……」
ぽつりと寂しさ極まる呟きを零したレキに対して、そんな期待を煽るような事を口にする。そしたら姉の腕を振り切ってまた僕の胸に飛び込んできました。ショック受けた顔してるミニスちゃんでご飯三杯はいけそう。
「僕の仕事が落ち着いたら、かな。今回はレキのために時間を作ったけど、また忙しくなりそうだからね」
「そうなんだ……レキのためにありがとう、おにーちゃん! チュッ!」
「んなっ!?」
そして頬っぺたにキスしてきて、それを見たミニスが変な声を上げて目を見開く。
フヘヘ、やっぱレキはミニスをからかうのに使える良い玩具だぜ。僕も掛け値なしに十日間楽しかったよ?
「良いんだよ、可愛いレキのためだからね? 僕はレキの事、本当の妹みたいに思ってるから」
「レキもおにーちゃんの事、本当のおにーちゃんみたいに思ってるよ。あーあ、おにーちゃんが本当におにーちゃんなら、レキたちはずっと一緒にいられるのになぁ……」
ゾッとした顔をしてるミニスちゃんを背後に、とっても嬉しい事を言ってくれるレキ。
でも、うーん……さすがに本当の兄弟姉妹だと困るかなぁ。ミニスちゃんと近親相姦になっちゃうじゃないか。別に偏見とかは無いけど、自分がやるのは正直萎えそう。
「あっ、そうだ! おにーちゃんとおねーちゃんが結婚すれば良いんだ!」
「いいっ!?」
なんて思ってたら、レキが子供らしい解決法を口にした。『すごい良い考えでしょ!?』みたいな顔をしてるのが印象的だけど、その後ろで姉が心底嫌そうな顔をしてる方が印象的だね。何だよ、今まで散々身体を重ねて愛しあった仲じゃないか?
「なるほど、名案だね。じゃあミニスは僕と結婚する?」
「死んでもお断りに決まってんでしょ!?」
「えっ、どうして? おねーちゃん、おにーちゃんの事嫌いなの?」
「えっ? あ、い、いや、それは……」
ここでレキが顔を向けてきたので、途端に慌ててキョドるミニス。
レキに対しては闇や素を見せて無いから、僕はとっても優しく気の良いお兄ちゃんにしか思われてないんだわ。姉が何故嫌いになるの分からないくらいにね。かといってミニスも説明は出来ないし、そしたら挙動不審に陥るしかないわな。仕方ないよね。
「きっとミニスにも好みがあるんだよ。そうだ、だったら――レキが僕と結婚してくれるかな?」
「うん、良いよ! おにーちゃんと結婚する!」
だが! この僕がそんな優柔不断な反応を許すかな!? というわけで、純真無垢なレキに対してプロポーズしました。そしたら満面の笑みで応えてくれたよ。やったー、これでレキは心も体も僕の物だぜ。グヘヘ。
「だ、駄目よ!! そんなの絶対駄目!!」
で、当然ミニスはそんな事を許す事は出来ずガチめの反対。
お、どうしたどうした、僕の事嫌いなんだろ? おぉん?
「えー、どうしてー? おねーちゃん、わがまま……」
「本当だよね。レキが誰と結婚しようとレキの自由なのに。それとも――本当は僕の事が大好きなのに素直になれないだけで、本当は僕と結婚したいって思ってる?」
「そうなの!?」
「どうなの、ミニスぅ?」
「ぐっ、く……!」
期待のこもった問いを投げかけるレキの後ろから、ニヤニヤと笑いながらそう尋ねる。
真実は教えられず、かといって否定も出来ないこの状況。そしたらまあ、レキの望む答えを返すしかないよねぇ? ほらほら、額に青筋立ててないで早く気持ちを込めて言って?
「そ、そう、よ。私は、ほ、本当は、好き、だから……結婚、したいって、思ってる、わ……!」
怒りに打ち震えつつ、血反吐を吐くようにブツ切りに、だけどレキがいるから顔だけは満面の笑みで見事に口にしたミニスちゃん。
そっかぁ、そんなに僕の事が好きだったんだぁ? 嬉しいなぁ、ゲヘヘ。
「わーっ!! それじゃあおにーちゃんが本当のおにーちゃんになるんだ! やったー!」
「いずれにせよ、まだ先の話だけどねぇ? クックック」
はしゃぐレキを尻目にほくそ笑む僕。ミニスちゃんは今にも殴り掛かって来そうに拳を握ってプルプルしてたよ。これ間にレキがいなかったらマジで鉄拳を叩き込んできたかもしれないな?
とはいえそこは切り替えの早いミニスちゃん。一つ重苦しい感じのため息を零すと、さっきのブチ切れが嘘みたいな優しい微笑みを浮かべた。
「ほら、レキ。もう寝なさい? 早く寝ないと、明日が辛くなるわよ?」
「うん! それじゃあレキはもう寝るね! おやすみなさい、おねーちゃん! おにーちゃん!」
「うん、おやすみ」
姉妹はお互いに頬にキスをして、更にレキは僕の頬にもう一度キスすると、そのまま幸せの笑みを浮かべたまま目を閉じる。その愛らしさに頬を緩めるミニスを尻目に、こっそりとレキに睡眠の魔法をかけて深い眠りに誘ってあげた。
え、随分優しいんだなって? ハハッ、僕がそんな優しい奴だと本気で思ってんの?
「……レキ? あ、もう寝ちゃったの。疲れてたのかしら」
「まあこの十日間ずっとはしゃいでたもんねぇ。疲れるのも当然だよ。というわけで、お子様が寝たところで――ここからは大人の時間だ」
「っ!?」
そう言い放ち、レキの身体を乗り超えてミニスの身体に覆い被さる。まさかこんな状況で襲ってくるとは思ってなかったのか、驚愕のあまり声も出せてない感じだったよ。
「……嘘でしょ? レキが隣にいるのよ?」
「むしろ隣にいるからこそヤるんですが? その方が背徳的で興奮するし」
正気を疑うような無礼千万な目を向けてくるミニスに、当然の事実を述べる。
ぐっすり眠っている何も知らない妹の横で、その姉を激しく犯す。男なら最高に興奮するシチュエーションでしょ? むしろヤらない理由が無いわ。何のためにわざわざレキを深い眠りに落してあげたと思ってんの? 心置きなく隣でヤるためだぞ?
「このクソ野郎……」
「そんな汚い言葉、レキの教育に悪いよ?」
「んあっ!?」
ビックリするくらいに冷めた瞳で罵倒してくる悪い子のミニスちゃんに対し、ネグリジェの上からその慎ましやかな胸を乱暴に抓ってやった。当然苦痛の悲鳴が上がり、身体の下で小柄なウサギ娘が身を捩る。
「――はい、今の声の大きさ。それが大事。それを忘れないように」
「……は?」
そしてすぐに抓るのを止めて、大切な事を何度も言い聞かせるように教えてあげた。
一回抓っただけで手を止めたせいもあってか、これにはミニスちゃんも状況を飲み込めてない感じだ。でも大丈夫、次の言葉できっと理解してくれるさ。このどうしようもない状況にね?
「お前がそれ以上の大きな声をあと三回出すと、レキは目を覚まします。そして身体は動かないし声も出せないまま、僕らがねっとり愛し合う様を見せつけられます。そういう魔法をかけました」
そう、せっかくだから僕がやりたかったのはこういう事。喘ぎ声を必死に堪えるミニスを激しく攻め立て楽しむ事だ。感じてる声を僕に聞かせるのは悔しいからか、普段からミニスは声を頑張って抑えてるよ? でもまあ、最終的には耐えきれず喘ぎを零しちゃうんだよね。
だが! 隣に愛する妹のレキが! それも三回大きな喘ぎを出せば目を覚まし、強制的に交わりを見る事となるレキがいるとすればどうかな!? これだけお膳立てしてあげれば、ミニスちゃんだって耐えられるよなぁ!?
「な、なんて事してくれてんのよこのクソ野郎が!」
「はい、あと二回」
「っ!?」
ところが早速大きな声を出してしまって、貴重な猶予が一回分無くなってしまう。考え足らずな奴ならここで更に大きな声で反抗とかして、最後の保険の一回すらも消費する所。でもそこは僕のミニスちゃん。パシッと自らの口を手で押さえ、瞳だけで反抗心と殺意を表してたよ。
「これでも気を遣って最終日までこのプレイは我慢してたんだよ? むしろお礼を言って欲しいくらいだね。それにお前が声を上げなきゃ良いだけの話さ。仮にレキが起きちゃっても、大好きなおねーちゃんがメスの顔晒してヒイヒィ言う姿を見るだけだしね。そんな気にするほどの物でも無いよ」
「気にするに決まってんでしょうが、このボケが……!」
視線だけで人を殺せそうなくらい、鋭く睨みながら罵倒してくるミニスちゃん。でもちゃんと声は抑え気味にしてて、消え入りそうなくらい小さな声だった。うんうん、メスの顔晒して犯される姿なんて、自分を慕ってくれてる妹には見せたくないだろうしね。そこはしっかり気を付けるよね?
「ククッ。さあ、お楽しみの時間だ。精々声を押し殺して、お姉ちゃんの教示を保つんだな?」
「いつかぶっ殺す……!」
そんなわけで、必死に声を押し殺すミニスちゃんを激しく愛してあげました。普段より三割増しくらいにねっとりじっくり、快楽で嬲りながらね。いやぁ、必死に唇を噛んで歯を食いしばり、涙目で快楽を堪えるミニスちゃんの姿は最高だったなぁ?
そして予想通り、ミニスちゃんは一回も喘ぎ声を零さずに乗り切ったよ。噛み締め過ぎて歯や唇を血だらけにしながらね。
本当は是が非でも鳴かせたいから、魔法で感度を数十倍に引き上げたりもしたんだけど……そしたらこの子、自分の喉を素手で抉って物理的に喘ぎを出せないようにしたからさすがに引いたわ。メンタルが異常過ぎる……。
お姉ちゃんとしてのプライド+元々の鋼メンタル=無敵




