ロリサキュバスの抱き枕(125cm)
「あー、すっきりした。じゃあそろそろ寝るかぁ」
人を何人か殺した後、両目を抉られた別の死体を見つけたとかいう刺激的な夜。
普通の人なら色々と感じるものがあってなかなか寝付けないだろうけど、女神様お墨付きの強靭な精神を持つ僕には全く関係のない話。
だから当初の予定通り宿に戻ってシャワーを浴びて、ちょっとトイレで一人お楽しみになってすっきりしてきたところだよ。今日も頑張ったからいい感じの眠気が来てるね。今夜は抱き心地良さそうな抱き枕もあるし、ぐっすり寝られそう。
「うー……ご主人様のエッチ……」
僕の隣で何やら赤くなってべそかいてるのは、黒と赤の嫌らしい色合いのフリフリのネグリジェに身を包んだリア。
もちろんこの寝間着姿も僕のチョイスだ。実は透け透けのもっと嫌らしいものも用意してあるんだけど、さすがに嫌がる真の仲間にそんなもの着させるのはダメっぽいから、異空間にしまってあるよ。誠実な関係を結べたら絶対いつか着て貰うんだ。
あ、リアが赤くなってるのはお風呂場でのスキンシップが原因だと思うよ? いやあ、恥ずかしがるロリっ子サキュバスの身体を隅々まで綺麗にするのは楽しかったねぇ! レーンの時とはまた違った感触と楽しさだったよ!
「あれはただのスキンシップだよ。その証拠に見て触るだけだったでしょ?」
「えっ、見て触る以外にエッチなことってあるの……?」
「本当にお前、びっくりするくらい性知識が無いな……」
何らかの突っ込みが返ってくると期待してたら、想像以上に性知識に欠けた答えが返ってくる。
最早呆れて言葉も無いね。舐めたり嗅いだり、擦り付けたりぶっかけたり、エッチなことなんて色々あるだろぉ!?
「むーっ! 呆れるくらいならご主人様が教えてよ! ご主人様はエッチな人だし分かるでしょ!?」
「そりゃ分かるけど、ここまで無知だと何から教えればいいか分かんないわ。自分色で染め上げられるのは魅力とはいえ、ここまで何も知らないと段々面倒くさくなってくる……」
「面倒くさがらないで! 成長しなくてもリアはサキュバスなんだから、しっかり教えてくれればご主人様をすっごく気持ち良くしてあげられるのに!」
「なるほど。で、どうやって気持ち良くさせるの?」
「それは……ま、マッサージ?」
「うーん、惜しい」
首を傾げつつも、僕の手を取って親指の付け根のあたりを指圧してくるリア。
確かに気持ちいいけどこれじゃないんだよなぁ。求めてるマッサージはマッサージでもエッチなやつです。
「ま、そんなに焦らなくても大丈夫だよ。その内サキュバスを捕まえたら、ボロクソになるまで弄んだ後に性知識引っぺがしてお前にコピーしてやるから」
「ねぇ、ご主人様は鬼畜なの? それとも狂ってるの?」
せっかく頭を撫でつつ優しい言葉をかけてあげたのに、返ってきたのはそんな二択。
何で優しいって選択肢が無いの? 僕はお前に理不尽な命令や要求はしてないよね? あ、もしかして一般聖人族を殺せって命令のせい?
「僕はまともだ。さあ、そろそろ寝るぞー。早く来い」
「えっ……」
ベッドに入って隣にリアを招くと、何故だかリアはそのまま固まる。
一体どうした。まさかエッチな行為に誘われてるって勘違いできるほどの知識もあるまいに。あ、一応言っておくと今夜は普通に一緒に寝るだけだよ? 変な期待とかはしてないよ。
「リアもベッドで寝ていいの? ご主人様なら冷たい床で寝させそうだって思ってたのに……」
「お前が野郎だったり、女の子でも可愛くなかったらそうしてたよ。でもお前はサキュバスの血のおかげでとびきり可愛い美幼女だしね。それにちょうど抱き枕が欲しかったから。というわけで、嫌でも僕と一緒に寝てもらうよ」
「とびきり可愛い……えへへ、嫌じゃないよ!」
肯定的な言葉があったせいか嬉しそうに笑って、リアはベッドに飛び込んでくる。
分かってて口にしたこととはいえ、ちょっとチョロすぎない? まあ扱いやすくて助かるからいいんだけどさ。
「暖かいなぁ。これが人のぬくもりなんだぁ……長い間、忘れてたような気がするよー……」
ベッドに飛び込んできたかと思えば、僕に正面から抱き着いて何やら感銘を受けたように呟いてる。
苛めやら育児放棄やらを受けて育ったなら、人のぬくもりにもだいぶ飢えてるだろうね。その辺りを重点的に攻めてやれば、誠実な関係を築くことも簡単そうだ。やったね!
「あ、そういえば疑問に思ってたんだけどさ、サキュバスって母親はともかく父親ってどこからくるの? お前にも両親はいたんでしょ?」
「んーとね、リアが暮らしてた集落には男の人はいなかったよ? ほとんどの子はパパがみんな同じなんだって小さい頃に聞いたことがあるけど、それ以上はよく分かんないかな? 誰も教えてくれなかったし」
「あー、そういうことね……」
ちょっと疑問に思ってサキュバスの家族関係を聞いてみたら、とんでもなく闇の深い答えが返ってきたよ。これにはさすがの僕も同情を隠せないね。
何で同情かっていうと、ほとんどのサキュバスの父親が同じってことは、サキュバスたちに搾り取られた野郎がいるから。ハーレムで合意の上とかじゃなくて無理やり搾り取られたって言うのは、集落で男を見なかったっていうリアの発言から察せるでしょ?
しかもこれ、下手すると搾り取られた後に殺されたりとか、あるいは建物の中に閉じ込められてずっと種馬やらされてる可能性もあるぞ。サキュバスとくんずほぐれつするのは魅力的とはいえ、自由を与えられず一方的に搾り取られるのは正直ちょっと……。
「ねえねえ、ご主人様。明日はどんな悪いことをするの?」
「何で悪い事しかしないって決めつけてるのかが気になるね、その発言」
そんな集落の闇には気づかない無垢なリアは、腕の中で僕を見上げながら尋ねてくる。
というか僕だって良い事くらいするんだよ? 首都で女の子三人の冒険者パーティを襲った時も、三人があの世でも仲良くできるように石畳製トラバサミでミンチにしてあげたし。今も僕の異空間の中に三人仲良くしまってあるし。
「明日の予定ねぇ……特に決まってはいないかな。連日死者やら行方不明者が出たら警戒されてちょっと活動しにくくなるだろうし、殺しは次の街までお預けかな。連続殺人鬼もいるみたいだし」
「じゃあ魔法! 明日はリアに魔法教えて!」
「魔法かぁ。いいね。僕もまだ魔法の全てを理解してるわけじゃないし、ちょうど詳しい奴が仲間にいるからそいつに二人で教えてもらおう。真の仲間同士の顔合わせもしておきたいしね」
「分かった! これでリアも立派な魔法使いになれるね! 明日が楽しみ!」
興奮して眠れないって感じで、リアは僕の胸に顔をすりすりしてくる。
何だお前、誘ってんのか? こっちはいつでも準備万端で、そっちがオーケーを出してくれるのを待ってる状態なのに。僕の理性を試しやがって、メスガキが……。
「……それにしても、やっぱりこれは素晴らしいね。まな板だから引っ付いてもそこまで興奮させられないし」
でもリアの身体はまな板の化身みたいな感じの凹凸に乏しい幼女体型、しかも栄養失調で痩せてるから、くっついててもそこまで興奮はさせられない。
これが普通にムチムチのサキュバスだったらもうアウトだったけどね。たぶんレーン相手でもアウトだと思うから、抱き枕役はしばらくの間リアに努めてもらおう。
「まな板じゃないもん! あっ、そうだ! 他のサキュバスの記憶をリアにコピーできるなら、おっきなおっぱいとかもリアにコピーできたりしない!?」
顔を赤くして怒ったかと思えば、今度は期待に満ちた目を向けてくる忙しないリア。
しかしなかなか恐ろしいことを考えるな、コイツ。移植手術かな?
「やればできるかもだけどやんないよ。お前の身長で巨乳とかバランスが悪すぎるし。むしろお前はレアなロリサキュバスなんだから、未来永劫そのままでいろ」
「えー!? やだやだやだー! リアもボインボインになりたーい!」
「あー、うるさい。さっさと寝ろ――睡眠」
「あっ、う……」
妙にテンションが高くてうるさかったから、魔法で無理やり眠らせる。見た目は愛くるしいとはいえ、ガキは騒がしいのがいかんね。
あっ、ちなみに僕はロリ巨乳はあんまり好きじゃなかったりするよ。ロリはロリらしく、ぺったんこで貧相な身体してないと何か違和感を覚えてね。ロリ巨乳とかその出っ張りを引きちぎりたくなっちゃう。
「……それにしても、これで真の仲間が二人目かぁ」
大人しくなった抱き枕を抱きしめつつ、改めてその事実に思いを馳せる。
でも今僕が考えてるのは仲間の人数についてじゃない。そして今後の行動の予定でもない。真の仲間たちと誠実な関係を築いた時、一体誰と初夜を過ごすかだ。だって僕はまだ穢れを知らない無垢な身体だからね。初めての相手は重要でしょ?
正直仲間が一人もいない孤独な奮闘も覚悟してたから、真の仲間が二人出来て、その候補も二人いるっていう状況は完全に予想外だよ。候補に関しては一人は良い子ちゃん過ぎて、もう一人は謎過ぎてちょっと不安なんだけどさ。
幾ら考えても答えは出せないような気もするし、ここは特に気にせず流れとかそういう展開で行っちゃったほうがいいかもね。初めての相手に拘るあまり、凌辱やら強姦やらをしないっていうのも馬鹿らしいし。
「うん。そういうのは適当に決めよう、適当に。それじゃあおやすみー」
そういうわけで、初めての相手はその場のノリや流れで決めることにして、僕もまた眠りにつくために瞼を閉じた。
あ、その前におやすみのキスをリアにしておいたよ。もちろん唇に。
ファーストキスかもしれないけど別に問題ないよね。どのみち僕の真の仲間になった奴隷な以上は、髪の毛の一本に至るまで僕の所有物だから、誰にも渡す気は無いし。お前は未来永劫僕のモノだよ、リア?
⋇シャワーシーンは例の如くカット。絶対R18になるので