表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第13章:最強の敵
365/527

レーン、魔獣族デビュー

⋇性的描写あり?


「たっだいまー。バグキャラを宇宙の果てにぶっ飛ばした僕が帰ってきたぞー」


 最大の障害を無事に排除した僕は、上機嫌で屋敷へと帰還した。

 色々あったせいでお昼も食べ損ねて、更にもう夕方になってる。しかし気分は魔王を討伐して国で凱旋パレードをする勇者みたいな感じに高揚してる。ミカエルを無限の彼方に放逐した以上、これで最早僕を止められる者は存在しない。ここからはずっと僕のターンだ!


「わー! ご主人様、おかえりー!」

「……チッ」


 リビングに入るなり、リアが満面の笑みで飛びついてくる。もちろんどっかのクソ犬と違って純粋な子だから、そのまま抱きとめてあげたよ。これがクソ犬だったら回し蹴りで迎撃してたけど。

 しかしクソ犬と言えば、犬猫コンビが見当たらないな? あとバールも。あっ、調べたらまた地下闘技場にいるぞ、コイツら。何で地下で一番使用率高いのが闘技場なの? マジで。

 それはともかく、ミニスちゃんは僕が無事に帰ってきたのが心底残念だったのか、ガラの悪い事に機嫌悪そうな顔で舌打ちしてたよ。あれだけいっぱい頑張ってきたのにこの反応、さすがにちょっと傷つくなぁ……。


「その様子だと、問題無く片付ける事が出来たようだね。私としても一安心だよ」

「もちろん。ご褒美のためにいつも以上に頭を働かせて決して油断せず、完全に封殺した上で保険も用意したくらいだからね」

「ギャーッ!? ちょっ、やめろ耳が抜けるっ!」


 安心してるとかいう割には表情があんまり分からないレーンにそう返しつつ、ミニスのウサミミを纏めて二本鷲掴みにしてお仕置きをする。

 実際レーンからのご褒美が約束されてなかったら、あそこまで完璧に対処できたかは怪しい所だ。できたとしてもベルにかなり長い間時間を稼いでもらう必要があったと思われる。そう考えるとレーンは僕のやる気を煽るためにかなり的確な行動したよね。人間性をバッチリ把握されてるのが何だか恥ずかしい……。


「大天使ミカエルはご主人様の手によって、もう二度と私たちの星に戻る事が出来ないよう宇宙の果てに放逐された。それでも万一の事を考えて対策を用意している辺り、本気を出したご主人様は少々やり過ぎだな」

「……宇宙の果て云々は事実だったのか。ジョークか何かだと思ったので流したんだが」


 どうやらさしものレーンも僕とミカエルの戦いの規模が予想できなかったらしく、宇宙の果てにぶっ飛ばしたっていう言葉をスルーしてたっぽい。そりゃあ普通は個人相手に宇宙規模の魔法使ったりしないもんなぁ。


「本当はちゃんと抹殺したかったんだけど、正直アレは僕でも殺しきる事が出来そうになかったからね。やむなくそういう形になったんだ」

「そうか……とりあえずミカエルとの戦いでどのような魔法を用いたのか、丁寧に説明してくれたまえ。それから君は宇宙空間でも活動できるようになる魔法が使えるのか? だとすれば是非とも私を宇宙に連れて行ってくれ。一度この星を外から見てみたい」

「はいはい、そういうのは後でね?」


 宇宙という広大な未知に対して、青い瞳を好奇心に輝かせながら迫ってくるレーンさん。いつも通りで安心するよ。そんなに宇宙行きたいなら今度月面で宇宙デートでもする? いや、駄目か。無人島デートの二の舞になりかねない。


「ねーねー、ご褒美って何の事? ご主人様、誰かからご褒美貰えるの?」

「そうそう、ご褒美の話ね。実はレーンが魔獣族の国で暮らすにあたって、偽装の姿を僕が自由に決めて良いって事になったんだ。さーて、どんな種族にしてやろうかなー? フヘヘヘ」


 レーンに視線を向け、下卑た欲望を隠さず笑顔を浮かべる。

 とはいえもうすでにどんな種族にするかは決めてるんだけどね。ミカエルと真面目に戦いながらも頭の片隅ではその事をずっと考えてました。油断と慢心を捨てられても煩悩は捨てられなかった。


「……そんな事安請け合いして良かったわけ?」

「クルスはどうにも油断しがちで隙が目立つから、それを無くすための対策として私の方から提案したんだが……今は少し後悔している」


 自分の尊厳を賭けるような真似をしたレーンに、ミニスがボソリと尋ねる。レーンもなかなかハードなご褒美だって言う事をようやく理解したみたいで、少しげんなりした顔してるよ。

 とはいえそのおかげで僕はミカエルを完全に無力化できたみたいなもんだし、むしろ誇って欲しいね。ベルに言わせればいっそやりすぎなくらいだったし。

 

「さあ、覚悟は決まったか!? お前はこれからこの姿で生きろ――変身(トランスフォーム)!」


 覚悟を問いつつも答えは聞かず、すぐさま魔法を行使する。レーンの姿が一瞬光に包まれ、シルエットが部分的に形を変える。光が過ぎ去った後、そこには魔獣族として新生したレーンの姿がそこにあった。


「……別に際立った変化は無いようだが?」


 とはいえ本人はどこがどう変わったのかいまいち気が付かないみたいで、軽く自分の両腕を見たり顔を触ったりしてから小首を傾げる。変化はデカいのに意外と気付かないもんなんだろうか?


「いや、めっちゃ変化してるわよ。頭、それとお尻」

「わー! カルナちゃん可愛いー! お耳と尻尾!」

「うん? ああ……なるほど、そのようだ」


 ロリコンビに指摘されて頭の上を触ったり、お尻の方に視線を向けたりして、そこにある獣の要素によってようやく気が付くレーン。

 そう、僕が選んだのは獣人だ。だからレーンの頭にはケモミミが生えてるし、お尻には尻尾が生えてる。ケモミミは犬猫のそれよりも倍は大きく微妙に尖ってて、尻尾はもうそれ単体で抱き枕にできそうなくらいにモフモフしててデカい。レーンの髪色と同じ銀色の毛並みは大変滑らかで光沢を放ってるよ。オプションも好きにして良いって言われたから、毛並みと大きさにはこれでもかと拘りました。


「これは……狐かな?」

「その通り。うちには(トゥーラ)(キラ)(ミニス)化物(ベル)がいるけど、狐はいなかったからね。せっかくだから多様性を意識してみました。尻尾のもふもふ加減は特にサービスしてあげたよ」


 多様性を意識した結果、レーンは狐の獣人になりました。さしずめクールな銀狐って所か。

 実はクールな銀髪スレンダーサキュバスにするのも少し考えたけど、リアが闇を漂わせそうだから断腸の思いで止めておきました。何にせよこれで僕だけの動物園(ハーレム)が開けるね! 大体頭おかしい奴しかいない悲しいハーレムだけどな!


「ふむ……これらは実際に私の身体の一部になっているのか。聴覚が鋭敏になっているし、尻尾もある程度自分の意志で動かせるようだ。しばらくは慣れないせいで色々と苦労しそうだが、これはなかなか面白いね」


 意外とレーンも気に入ったみたいで、尻尾と狐耳を動かして色々確かめてる感じ。やっぱ角は人気ないってはっきり分かんだね。邪魔臭いもんね。


「ちなみにこの狐耳と尻尾なんだけど、実は特殊な仕掛けがしてあってね。こうやって――」

「――ひ、あぁっ!?」


 などと説明しつつ狐耳を指先で摘まむと、途端にレーンは甘い驚きの声を上げてその場にへたり込んだ。さしずめその姿は立ったまま絶頂を迎えて身体の力を失った女の子――まあさしずめっていうか、実際それに近いんだけどね。


「僕が触れると、もの凄い快楽を発生させるようになってるんだよ。尻尾と耳は僕に触れられた時のみ感度十倍って言えば分かりやすいかな?」

「うっわ……」

「せーかんたいが飛び出てるって事ー……?」

「さすがご主人様。いっそ惚れ惚れするほどの鬼畜だな?」


 ドン引きするミニスと、当たらずとも遠からずな事を口にするリア。そして素直に褒めつつも微妙に表情が引き気味のベル。お互いに関係が一歩進んだからか、何かベルちゃんも段々と隠さなくなってきましたね。それでもガチでドン引きしてるミニスよりは遥かにマシかな。


「こ、こんな事をして、一体何の意味があるんだい……?」

「意味? 何を言ってるんだ。そんなの一つしかないでしょ」


 突然の快楽に赤い顔をしているレーンが、僕をジトっと睨みつけながら尋ねてくる。もちろん呼気も乱れて実にエロく、尻尾や狐耳が痙攣するようにビクビクしてるのも大変良き。突然生えてきた感覚器を無茶苦茶鋭敏にされてるようなもんだし、そりゃどんな奴でも耐えられないでしょうよ。

 そんな可哀そうで可愛いレーンの前に跪き、しっかり視線を合わせてから口を開いた。


「いつもクールぶってるお前を、滅茶苦茶に鳴かせるために決まってるだろぉ!?」


 そして欲望全開のシャウト! だってこれ以外無いよねぇ! クール系の女の子を鳴かせるのって滅茶苦茶そそるよなぁ!? 

 ベッドでならそんな風に鳴かせる事もできるけど、さすがにそれ以外の場面では難しい。でもこの僕の接触に対してのみ鋭敏な耳と尻尾があれば、通りすがりに撫でるだけで良い反応をしてくれるってわけさ。簡単でお手軽にメスの声を上げさせる事が出来るスイッチだと考えれば良いよ。最高だと思わない?


「クソ野郎」

「うーん、幾ら何でもそれは酷いかなー……?」

「あの時のご主人様は覇者の器さえ感じられたのだが、残念ながら今はただの変態にしか見えんな……」


 とても素晴らしい考えの果てに生まれた耳と尻尾なのに、不思議な事にかなり不評だった。ミニスは冷たく罵倒してくるし、リアでさえ微妙な反応。そしてベルはちょっと失望したような反応してるし……。


「何とでも言え、外野ぁ! というわけでベッドに行くぞ、レーン! 僕のお稲荷さんをたっぷり食べさせてやるぜ!」

「ひゃうっ!? や、やめたまえ! し、尻尾ぉ、尻尾を掴むんじゃないぃ……!」


 とはいえどう思われようと気にしちゃいけない! そんなわけで、僕はレーンの尻尾を掴んで寝室まで引きずって行きました。掴んだ瞬間レーンはびくりと震えて、引きずってる最中もずっと喘いでたよ。クール系が淫らに喘ぐ様は可愛いなぁ!?


 真面目に邪神っぽく振舞ってたと思ったらもうこれだよ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ