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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第10章:真実の愛
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レーンとエッチ

⋇性的描写あり




「ようこそ。我が邪神の城へ」


 デートを終えた僕は、ホテル代わりの邪神城へとレーンを案内した。

 実は城は完成してからずっとこの大陸に放置してる。砂浜からちょっと歩けば普通に見える程度にはデカい目立つお城だよ。もちろんレーンも気付いてたしお城について色々尋ねてきたけど、どうせ最後に行く予定だったから詳しい事は喋ってないよ。そもそもそこまで話すべき事も無いしね。


「なるほど、ここが邪神の城か……」


 玉座の間へと至る広々とした通路を歩きながら、感嘆の吐息を零して辺りを見回すレーン。

 もちろんその瞳は未知への好奇心に光り輝いてて、実に可愛らしいよ。何だかんだでまだ水着姿だからエロくもある。程よく日焼けした肌が美味しそう……。


「邪神の復活を演出した暁には、君がこの城の最奥で待ち構え、討伐を狙う者たちを適度に間引く、といった具合かな?」

「そうだね。たぶんそうなる予定だよ。見込みない奴はその場で殺すし、見込みありそうなら……記憶を消してその辺に放るとかかなぁ?」


 間引きに関しては、見込みのありそうな奴への対応はまだちょっと決めかねてる所があるかな。邪神に戦いを挑みに来たって事は、記憶を消してもまた突撃してくるだろうし。捕虜とかそういうのにするべきか? うーん、悩む……。


「長い戦いになりそうだね。この世界に満ちた敵意は根が深いよ?」

「知ってる。嫌ってほど見てきたしね……」


 レーンの言葉で、この世界の住人の腐り具合を思い出してちょっと気分が悪くなる。

 敵種族だっていう理由だけで幼女を馬車に繋げて自分で走らせ、あまつさえ笑いながら石を投げるような奴らがいるんだよ? 闘技場の見世物にするためだけに日々常軌を逸した拷問で痛めつけ、自由と解放への渇望をたっぷり与えておきながら、同じ立場の奴隷たちで殺しあわせるような奴らがいるんだよ? しかも特別狂ってるわけでもなく、その対応が当たり前みたいな空気があるんだよ? そんな屑が世界中にひしめいてるんだよ? 根が深いというより完全に病気だよね、これ。治療は難しそうだなぁ……。


「……ここが最奥。玉座の間だ。どうよ?」


 やがて辿り着いたのは邪神の城の最奥。僕がここで踏ん反り返って挑戦者を待ち受ける事になる玉座の間だ。

 ここでバトルをする事になる都合上、かなり広めに創ってある。そして玉座の間の奥には短い階段があって、その上には黒と白の二色で形作られた大きな玉座が鎮座してる。もちろん今はそこに誰もいません。


「禍々しくも壮麗な作りだね。黒と白の二色、相容れぬ聖人族と魔獣族を象徴したような色合いで実に印象的だ」


 レーンも結構この世界を皮肉った色合いがお気に召したみたいで、上機嫌で玉座の間を見渡しながら奥へと歩いてく。パレオから覗くビキニと、日に焼けてなかった隠された白い太腿がエッチぃ……。


「これが玉座か……どれ」

「あ、こら。勝手に座るな。僕の椅子だぞ」

「固い事を言うな。少しくらい良いだろう」


 なんてちょっと目を釘付けにされてたら、いつのまにかレーンが玉座に腰掛けてた。両脚を揃えてお上品に座ってるよ。

 何かいつにも増して傍若無人だなぁ? ひょっとして未開の地の調査が出来て興奮していらっしゃる? 


「……ふむ。思いの外座り心地は良いね?」

「そりゃあ僕が結構長い間座る事になる椅子だからね。見た目硬そうだけど座面はクッションみたいになってるよ」


 レーンの言う通り、あの玉座は実はかなり座り心地良さげに創ってある。何せ邪神としてここで余裕を持って挑戦者を待たないといけないからね。長時間座ってても尻が痛まないよう、座面はソファー並みに柔らかかったりする。


「ふぅ……」

「何かすっげぇ偉そう。悪の組織の冷酷な女首領って感じ」


 座り心地が良いせいか、レーンはお上品な座り方を崩して偉そうな座り方へと変えた。具体的には足を組み、ひじ掛けに片肘をついて頬杖を突くという正にクッソ偉そうな感じに。本人の冷めた切れ長の瞳も相まって実に似合ってるよ。恰好がビキニにパレオだからいまいち締まらないけど。


「悪の組織か……そういえば、君の役目が邪神だと言うのなら私たちの役目は何になるんだい?」

「え? うーん、何だろう……四天王?」

「君の真の仲間は四人より多いんだが……まさか四人になるまで殺しあえとでも?」

「言うわけないだろ。僕を何だと思ってるんだ、お前は……」


 まるで暴君のような発言をするレーンに、さすがの僕もドン引きだ。四天王って役職に数を合わせるために、仲間たちに殺し合いを強要するってマジ? 幾ら何でも仲間たちにそんな命令は出さんわ。仲間じゃなければやらせる事もあるかもだけどさ?


「フフッ、いやすまない。君はなかなか執着が強い方だという事を忘れていたよ」


 あまりにも心外でじっと睨みつけてると、レーンは突然頬を緩めて笑った。

 珍しい。基本的にはクール系な表情してるレーンがこんなに感情を露わにするなんて。植生調査の時も確かに楽しそうにしてたけど、今のはその時よりももっとはっきり分かるレベルで笑ってたよ。


「……何かいつにも増して感情が豊かだね? どうしたの? 女の子の日?」

「仮にも女性にそれを聞くのはどうかと思うが……一応答えておくと、違う」

「そうなの? でもそれにしてはいつもより感情豊かっていうか、はしゃいでるように見えるっていうか……」


 女の子の日じゃないっていうなら何だろうな。やっぱり未開の地の調査で好奇心が満たされてテンションが上がってるんだろうか。それにしてはタイミングがちょっとおかしいような……。


「……ふむ。言われてみれば確かに。もしかすると年甲斐も無く緊張しているのかもしれないね。感情が摩耗し、女としての尊厳を徹底的に踏みにじられた記憶すら他人のものに感じられるほど長い時を生きてきた私だが、どうやら純な乙女の如き心も僅かに残っていたようだ」

「言い方と分析の仕方が純な乙女とは程遠いんだよなぁ……」


 本人の言い方から察するに、どうやら僕に純潔を奪われる事に対して緊張を抱いてる結果らしい。玉座に偉そうに腰かけて論理的に分析する姿からは、とてもそうには見えなかったけどね?

 でもそっかぁ。緊張してるのかぁ? ふーん? なかなか可愛い所あるじゃない?


「そんな風に緊張してるって事は、合意の上って事でよろしいかな?」


 一足飛びに玉座の真ん前まで上がると、玉座の背もたれに手を着いて壁ドンみたいにしながらレーンに尋ねる。もちろんこの程度じゃレーンの表情が変わるはずも無かったんだけど、僅かに瞳が揺れたのを僕は見逃さなかったゾ?


「……私に拒否権は無いんだろう? そもそも君が望んだデートとやらも、私と身体を重ねるための状況を整える方便に過ぎないのではないかい?」

「否定はしないけどそこはお約束って言って欲しいなぁ? その言い方じゃあ色気が無いよ」

「私に色気を求める方が間違っていると思うが? やはり君は趣味も性癖も捻じ曲がっているね?」

「それも否定しない。それじゃあもう前置きは抜きにして、やることやりに行こうか?」

「君こそ、その言い方には色気が無いと思うんだが……っ!?」


 このままお話を続けてると終わりそうにないし、僕はさっとレーンの身体をお姫様抱っこで玉座から掬い上げた。やっぱり緊張してるっていうのは本当みたいで一瞬息を詰まらせてたし、僅かに身体を固くしてる。羽織ったパーカーをきゅっと握りしめてくる所とか狂おしいくらいに可愛いわ。


「はいはい、もうお喋りはやめてさっさと大人な行為をするぞー? こちとらお昼からお前のエロい水着姿を見てたせいでもう限界なんだ。日焼けで余計にエロくなってるしもう辛抱溜まらん」

「その割には寝室に場所を移す余裕はあるんだね……というか、何故玉座の間の裏に寝室があるんだい……?」


 などというツッコミは無視して、僕はレーンを抱えて玉座の間の奥に創った寝室へと移動した。

 もちろんこの寝室はデフォルトのものじゃない。ここでレーンの純潔を奪うため、予め用意した一室だ。真っ黒な部屋の中にあるのは天蓋付きの巨大な純白のベッド。以上! 完全にヤるためだけの部屋だぜ、ウヘヘ。


「あっ……」


 ベッドにポイっとレーンを放ると、妙に女の子っぽい声を上げるんだから下半身に悪い。

 さすがにここまで来るとレーンも顔を赤くしてて、大いに恥ずかしがってる感じだ。表情自体はあんまり変わらないけど、そこがまたいい。だってこれを自分のテクニックでメスの顔に出来たら達成感とか征服感とか凄そうじゃん?


「フフフ、ついにお前の処女を奪う時が来たぞ? 覚悟は出来てるかぁ?」


 ベッドの上で若干身を縮めてるレーンに対し、僕もベッドに上がってその剥き出しの太腿に手を這わせる。もちろんべったり触るのではなく、羽根で撫でるような優しく繊細なタッチでするりとだ。それだけでレーンが身体を震わせるのがまた堪らんぜ……。


「……出来ているさ。君に唇を捧げた、あの時からね。むしろ早々に奪われると思っていたから、まさかここまで遅くなるとは完全に予想外だよ」

「それは本当にね。何でこんなに遅くなったんだろ……?」


 レーンの唇はこの世界に召喚されたその日に奪ったのに、純潔を奪うのは四ヵ月くらい経った今からという謎。たぶん記念すべき最初の相手を慎重に選んでたのが原因だろうなぁ。結局決めあぐねてたらクソ犬とバカ猫に襲われて僕の初めてを奪われちゃったし……。


「……まあそんな事はどうでもいい! それじゃあ、いただきまーす!」

「色気どうこう言う気は無いが、せめてもっと情緒や雰囲気というモノを――んんっ!?」


 とはいえここなら変な邪魔も入らないし、乱入してくる奴もいない。そんなわけで、僕は遠慮なく欲望のままにレーンを押し倒して、まずは唇を貪る所から始めました。鍛え上げた僕のテクニックで昇天させてメスの顔にしてやるぜ!




 ようやくレーンを抱きました。一番最初に出会った仲間なのに初対面からおよそ257話かかりました。なお、最短記録はクソ犬(およそ23話)。

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