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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第8章:夢のマイホーム
202/527

マイホーム案内4

⋇暴力描写あり

⋇性的描写あり





「はい、そしてここが僕の部屋。まあぶっちゃけわりと普通の部屋だよ」


 吹っ飛んだ時にぶち抜いちゃった壁を修復した後、次に向かったのは僕の部屋。

 自分で言うのも何だけど、わりと普通の部屋に仕上がったよ。タンスもカーテンも机も小物も、別段おかしな色合いもしてなければ変な装飾も無い。ごく一般的な常識人がここに住んでたとしても、何の違和感も無いだろうね。


「どこがだよ。何だアレ?」

「広い部屋の四分の一をベッドが占めてるのに普通?」

「すっごいおっきなベッド!」


 ただ仲間たちはそうは思わなかったみたい。トゥーラ以外は揃って部屋の一角にあるベッドに視線を向けて、思い思いの反応を示してた。

 別にそこまでおかしくはないでしょ。ただちょっとキングサイズよりも更にデカい天蓋付きのベッドがあるだけだろぉ? 


「うん、さすがに僕もここまでデカいベッドがあるとは思わなかったよ。想像以上のモノを手に入れてくれたトゥーラに感謝だね」

「ハハハ、主が満足してくれて何よりだよ~。ただ、ご褒美の方をよろしくお願いしたいね~?」

「はいはい、考えておくよ」

「ワフ~ン!」


 瞳を輝かせながら擦り寄ってくるトゥーラの犬耳をモフり、適当に答える。

 僕の部屋の家具は全部トゥーラにお使いさせて揃えたんだけど、まさか一部の隙も無く完璧にお使いを達成してくれるとは思わなかったね。ベッドに至っては想定を上回る物を手に入れてくれたし。精々キングサイズの天蓋付きベッドが手に入れば良いなぁ、くらいに思ってたのに。


「……ていうか、何でこんな無駄にデカいのよ? あんたは別に寝相悪くてベッドから落ちるとかはないでしょ? もっと小さいベッドで良いじゃない」

「まあ僕一人で寝るなら大きすぎだね。でもこのベッドを用意したのは乱交に備えてだからね。これくらいデカくないと正直ちょっと手狭かなって」

「すっごい最低な理由ね……」

「ら、乱交……!」


 異常にベッドがデカい理由を聞いてきたから素直に答えると、ミニスは軽蔑も露わに冷たい視線を向けてきた。ついでにリアが顔を赤くして翼をパタパタさせる。

 今でもたまにキラとトゥーラの二人に襲われ――じゃなくて二人を同時に頂くこともあるんだけど、宿のベッドだとかなり狭くていまいち楽しめないんだよね。しかも軋んでギシギシうるさいし。そんな事があったからマイホームを買った今、どうせなら余裕で3Pできるベッドも買おうって思ったんだよ。この大きさなら10Pくらいはいけそうな気もするけど……。


「主~? せっかくだから、乱交に耐えうる広さかどうか試してみないかい~?」

「そうだな。ちゃんと使えるかどうか確かめておこうぜ?」


 愉悦を含んだ二人分の声に振り向いてみると、そこには部屋の入り口を塞ぐように立つ犬猫の姿。何かとっても楽しそうな笑いを浮かべながら、僕の方ににじり寄って来てますねぇ。


「うんうん、確認は大事だね? でも今はマイホームの案内中だから、そういう事は後で――あーっ!? 後でって言ってるのにぃ!!」


 何とか落ち着かせようとしたけど話を聞いてくれなくて、僕はそのままベッドに二人がかりで押し倒された。

 あ、ベッドとっても柔らかくていい感じに弾力がある! これは普通に寝心地も良さそう――って、剥かれる! また剥かれそう!


「うわ、何か始まった……」

「おぉー……これが、3P……」


 残念ながらロリコンビは助けてくれず、冷めた視線と興味津々な視線を向けてくるだけだった。ご主人様がケダモノに襲われてるんだから助けろよぉ! 役立たずぅ!






「さて、気を取り直して……みんなが気になってるであろう地下室の紹介と行こうか」

「どうでもいいけど後ろパンツ出てるわよ」

「……みんなが気になってるであろう地下室の紹介と行こうか」

「何でわざわざ言い直したの……?」


 剥かれかけた痕をズボンの中にしまいつつ、改めてマイホームの紹介を続ける。

 場所は変わって一階のリビング、暖炉の前。マイホーム内は現在小物も装飾も無くて酷く殺風景なんだけど、ここだけはちょっと違う。暖炉の上には翼を広げた鳥の置物が二つ鎮座してるからね。これ自体が地下室を開ける鍵だから、撤去はせずそのままになってるんだよ。


「拷問部屋あるかな? わくわく……!」

「どっかの馬鹿猫が勝手に開けてたから知ってるだろうけど、入り口は暖炉の所ね。暖炉の上の鳥の置物の首を、それぞれ反対方向に向かせると入り口が開くよ」


 そう説明しながら、お互い見つめ合ってた鳥の置物の首をそれぞれ真逆に向かせる。するとガチャンって感じの鍵が開いたような音が響いて、暖炉の中がせり上がって地下への階段が現れる。こういうギミックって実用性とかはともかくロマンがあるよね。分かる?

 ここまでは紹介前に馬鹿猫が開けちゃったから、みんなも特にコメントはしなかったね。とりあえず空気の流れも後で魔法で弄っておこう……。


「中はまず階段になってるから足元注意だよ。螺旋階段って雰囲気があって良いよね?」


 そうして仲間たちを連れて階段を下る。地下だからかちょっとジメジメしてて不愉快だね。入り口は閉じたから灯りもほとんど無くて良く見えない。その辺も何とかしないとその内転んだりしそうだな。


「――はっ!? きゃあああぁぁぁあああぁぁっ!?」


 なんてことを思ってたら、階段の上からミニスがゴロゴロ転がってきた。さっと横にずれて躱した僕が見たのは、上の方で蹴りを放った姿勢で残心してるキラの姿。ああ、ミニスの背中を蹴って落としたわけね。本当仲悪いな、コイツら。


「はい、階段で人を蹴らないようにね。ああなるからね」

「分かった!」

「うむ、了解だ~」


 無駄に元気良く頷くリアと、とりあえず頷くトゥーラ。もちろんキラは頷かなかったよ。コイツまたやる気ですね、絶対……。


「――うらあああぁあぁぁああぁぁっ!!」

「はい、階段で喧嘩するのもやめてね。やり合うなら後で外でやって?」


 そして階段を下って一番下に辿り着くと、ミニスが雄たけびを上げながらキラへ飛び掛かって行った。一番下まで転がって行ったっていうのにコイツも元気だなぁ。まあ直後に叩き落されてボコボコにされてるけど。

 いつもの事なので特に声はかけず、僕はそのまま正面にある扉を開けた。うーん、この扉もちょっとガタがきてるなぁ。後で取り換えるか綺麗にしておこう。


「そして、この扉を抜けると――この通り、牢屋が幾つかあります」

「わーっ! ちゃんと牢屋があるー!」

「う~ん。女囚人と看守プレイもなかなか~……」


 扉を開けて目に入った光景に、リアとトゥーラが感嘆の声を零す。お望み通りの牢屋があるんだから喜ぶのは当然だよね。

 牢屋は左右に四つずつの計八つあって、牢の中には端の方にトイレがあるだけ。ベッドすらない鬼畜具合が素晴らしいでしょ? 石造りの冷たい床も大いに味があるし、ここにぶち込まれたら寒さに震えて蹲りそうだよね。


「そして、壁を挟んで向こう側には拷問部屋。拷問道具置き場も兼ねてるから、気に入った拷問道具を見つけたら勝手に増やしても良いよ」


 牢屋の間を進み奥にある扉を開ければ、そこは素敵な拷問部屋。部屋の中央に鎮座した拘束用のベルトが目立つ拷問台が、まるでステージみたいに見えるね。

 ちなみに基本的な拷問道具はすでに幾つか置いてある。まあ正確に言えば置いたっていうか、置かれてたっていうか……。


「あ、リアこれ知ってるよ! 三角木馬って言うんだよね!」

「おやおや、これは~……ユダの揺りかご、だったかな~?」


 拷問道具を目にして、興味津々のお二人さん。三角木馬は有名だからともかく、ユダの揺りかごはちょっとマイナーだから説明が必要かな? 

 三角木馬が三角柱みたいな形の拷問道具なら、ユダの揺りかごはピラミッド型の拷問道具だ。どうやって使うのかと言うと、このピラミッドの頂点に女の子を座らせるんだ。すると身体の重さと重力で、徐々に揺りかごの天辺がズブズブと……んー、想像しただけで楽しそうだぁ。


「――なあ、クルス。この牢屋とか、魔法で創ったにしては随分年季入ってねぇか? 所々錆びてるぞ?」


 などと僕が想像の中で女の子を拷問してると、喧嘩が終わったのか返り血塗れのキラが拷問部屋に顔を出して尋ねてきた。本当にそういう所によく気が付くなぁ……。


「気付かれたか。そうだよ、実はこの牢屋と拷問部屋は屋敷備え付けのものなんだ。僕が手を加えたのは精々埃や汚れを落としたくらいで、それ以外は何にもしてないよ」

「う、嘘でしょ? 牢屋と拷問部屋が備え付け?」


 僕の告白に真っ先に反応を示したのは、よろよろと部屋に入ってきたミニス。再生の魔法のおかげで見た目こそ無傷なんだけど、妙に顔が青いのが気になるね。貧血になるくらい出血させられたんだろうか。

 それはともかく、何を隠そうこの地下牢と拷問部屋は備えつけのものなんだ。拷問道具も以前から置かれてる物で、お掃除の人もさすがに地下のお掃除は嫌がってやってくれなかったからそのままなんだよ。まあ未使用のはずだし別に良いかなって。


「マジかよ。よくそんな物件見つかったな」

「ハハハ。まあちょっといわくがあるというか、血生臭い逸話があるんだけどね?」

「へぇ? それってどんなだ?」


 血生臭い、って所に興味を惹かれたのか、珍しくキラが話を促してきた。まあ確かにキラ好みの逸話である事は否めないかな。


「それはねぇ――」

「――あ~っ! 股が裂ける~っ! 裂けてしまう~!」

「トゥーちゃん、大丈夫? 重り外す?」

「いや、重りを更に追加してくれ~! 片足三十キロで行ってみよ~っ!」

「おい、そこのロリサキュバスと変態。ハードSMはやめて話を聞け」


 話を始めようとした瞬間、セルフで三角木馬プレイをしてるアホ犬の声が被さってきて出鼻をくじかれた。

 確かに不動産屋から一緒に話を聞いたトゥーラは聞く必要のない話だよ? でもだからって何で自分から三角木馬に乗って、しかも足に重りまでつけてんだ、このアホは……。





⋇次回でやっと見所の特に無いマイホーム案内が終わります。長くてすまぬ

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