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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第8章:夢のマイホーム
193/527

魔王城潜入

⋇性的描写あり




「――というわけで、屋敷を買ったよ! 偽造現金一括払いでね!」

「わーい! マイホームぅ!」

「フフフ、私と主の愛の巣だ~……」

「本当に家を買ったのね。何か現実感無いわ……」


 猟奇殺人鬼のお話を聞いて感銘を受けた僕は、最終的に一括払いで屋敷を購入した。ちょっと多めに払った気もするけど、どうせ偽造通貨だから些細な問題だね。

 そんなわけで夕食を食べ終わった後、みんなにマイホームの購入を報告したんだ。喜んでる奴もいれば、いまいち現実を信じられてない奴もいる。まあ屋敷なんていうクソ高い買い物をしたんだから無理もないか。他の物件の百倍安かったけど。


「なぁ、いつから屋敷に住めるんだ? 買ったって事は、もうお前のもんなんだろ?」

「住もうと思えば今からでも住めなくはないけど、今はお掃除とかして貰ってる最中だからまだ駄目だよ。ついでにカビ臭そうなベッドとかソファーとか備品も全部破棄して貰ってるし」

「まあ、三十年ものだからそれが無難だよね~……」


 今日中に契約を結んで購入は出来たけど、住める状態にするのはさすがに無理だった。何せ三十年買い手が付かないままだったからね。一応これまでも最低限の清掃はしてたらしいけど、あくまでも最低限だったみたいだし。


「というわけで掃除その他が終わるまでの五日間、それぞれ日用品揃えたり好きな家財道具を買ったりしておくと良いよ。ベッドとかタンスとか自分で運べない人は、この住所に送って貰ってね。あ、これはお金ね?」


 そう言って、僕は全員に金貨の入った袋と住所を記した紙を渡す。もちろん金貨は偽造だ。盛大に経済を混乱させてやるぜ。


「わーい! じゃあリア、ピンクのベッド買う! とにかくおっきくてふわっふわのやつ!」

「最低限ベッドくらいは買わねぇと駄目か。どんなやつにするか……」

「フフフ、主との愛の巣を飾り付け~♪ 今から胸が高鳴るなぁ~?」

「何か、変に待遇良くてムズムズする……」


 大なり小なりみんなご機嫌で楽しそうなのに、ミニスだけいたたまれない感じになってた。君はちょっと奴隷精神が染み付いちゃってますねぇ……。


「まあそんなわけで、これから五日間は自由行動ね。それぞれの部屋の間取りは、大体この部屋より一回りか二回り大きい感じかな? よほど馬鹿デカい物でも買わない限りは問題ないと思うよ?」


 僕としてはそこまで広いお部屋はいらないんだけど、気に入った屋敷を選んだらかなり広くなっちゃったからね。でも大は小を兼ねるって言うし、部屋が広すぎても困る事は無いでしょ。とはいえ巨乳は貧乳を兼ねたりはしないが。


「分かった! それじゃあリア、早速行ってくるね!」

「あ、ちょっと待って! 私も行くから、一人で行っちゃ駄目よ!?」

「はい、いってらっしゃーい。暗いから気を付けてねー」


 早速夜の街にショッピングに繰り出そうとしたリアに、自ら進んでついていくミニス。リードを引く役を自分から買って出てくれるとは嬉しい限りだね。もしかしたらリアが妹に似てて放っておけないのかも。 


「そんじゃ、あたしも行ってくる。まあ、たまにはこうして買いもんするのも良いだろ」

「いってらっしゃーい。夜道で変な事をしないように気を付けてねー」


 二人に続いて部屋を出てくキラ。

 コイツの場合は衝動的に通行人を殺しそうだから、暗さ云々よりそっちの方が心配だね。たぶん夜目が利くから明るさの心配はいらないだろうし。一応定期的に殺人衝動を発散させてあげてるし、そこまで無謀な事はしないと思いたい。

 

「では、私も行って来ようかな~。主~、良ければ私と一緒に行かないかい~?」


 そして最後に残ったのはやっぱりクソ犬。というかコイツ意図的に最後まで待ってる節もあるな? 何かしてやったりな顔してるし、夜のデートとでも思ってるのかな?


「悪いけど、僕は他にすることがあるから。というわけで、はいこれ。僕個人の欲しい物リストと、共同スペースで必要な家財道具一式のリストね」


 ただし僕は用事があるから、予め用意しておいた欲しい物&家財道具リストをトゥーラに渡して断った。


「おや~? 私におつかいを任せるとは、私を一番信頼していると取って構わないのかな~?」

「信頼っていうか、消去法っていうか、まあ一応最年長だしね。本当はミニスに任せても良かったけど、アイツは万が一の時にリアの手綱を握るっていう大役があるから……」


 子供二人にこんな大仰なおつかいをさせるわけにもいかないし、キラはたぶん途中でおつかいを放り出すだろうし、そうなるとコイツしか適役がいないんだわ。まあコイツは僕にやたら重い愛と忠誠を抱いてるし、真面目におつかいしてくれるでしょ。ある意味都合の良い女って感じだよね。


「む~、残念な理由だ~……まあいい! 主の期待に応えられるよう頑張るよ~。だからちゃんとおつかいを達成出来たら、ご褒美が欲しいな~?」

「はいはい、考えてやるよ。だからよろしくね。特にベッド」

「了解だ~! 私に任せておきたまえ~!」


 妙に頬を染めながら擦り寄ってきたトゥーラの頭を軽く撫でて、善処します的な事を言っておく。

 何だかんだでこのおつかいは結構重要だからね。特にベッドは間違いなくオーダーメイドになるくらい、特別なものを指定してるし。そこを考えるとやっぱりロリコンビには荷が重いなって。


「……ところで、他にする事があるというのはどういう事だい~? 何か用事でもあるのかな~?」

「うん。ちょっと魔王のツラを拝みに行ってくる」


 ここは魔獣族の国の首都、そして中心には魔王城がそびえ立ってる。だったらもう行くっきゃないよね? 僕は世界平和を目指してるから、魔王がどんな奴か見た目と内面を判断しに行かないといけないんだ。駄目そうな奴なら後々排除しないといけないしね。


「ほうほう。まあ主なら心配はいらないかな~。気を付けて行って来てくれたまえ~?」

「はいはい、それじゃあ行ってくるよー。おつかい頼んだからね。特にベッド」


 僕の答えに特に驚いた様子も見せず、トゥーラは朗らかに笑って送り出してくれた。

 はてさて魔王はどんな奴かな? そしてトゥーラは希望通りのベッドを用意してくれるかな? どっちもなかなか楽しみだね?






「というわけで、やってきたぞ魔王城!」


 消失(バニッシュ)をかけて大胆な隠密行動をしながら、僕はついに魔王城へと辿り着いた。

 いやぁ、さすが魔王がおわすお城。だだっ広い跳ね橋や、巨人か何かが使うんじゃないかってくらいデカい正門もあって、なかなか雰囲気が出てたよ。何より城そのものが何かこう、独特な雰囲気を漂わせてるっていうか、この城の付近だけ天気が悪くて空気がピリピリするっていうか……ともかく魔王がいそうな城って認識ができればオッケーかな。

 ちなみに侵入者を警戒する兵士とかもたくさんいたけど、消失(バニッシュ)使用中の僕は当然そんなのスルーしてきたよ。というわけで、何のお咎めも無く城の中に入っちゃいました。


「何ていうか、RPGの魔王の城みたいな面構えだったのに、中は普通のお城っぽいんだよなぁ。精々ちょっと暗めなのが気になるくらいか?」


 何十層にも渡るダンジョンが広がってることを期待してたのに、意外にも中は普通のお城だった。といっても聖人族のお城が白や金色を基調にした感じだったのに対して、こっちは黒とか赤が基調な感じだね。それに灯りも微妙に少なくて、何か幽霊でも出そうな雰囲気を感じるよ。

 とはいえ魔王城っぽいと言えばぽいのかな? それに夜目が利く種族とかも多いし、多少暗くても問題は無いんでしょ。


「何にせよ、今からお前のツラを拝みに行ってやるぜ! 覚悟しろよ、魔王!」


 誰にともなく、そう叫ぶ。

 何か魔王に挑みに行く勇者みたいな感じだけど、別に今は魔王に戦いを挑んだりはしないよ? だって今殺しちゃったら色々混乱が巻き起こるだろうし、デメリットしかないからね。まだ僕らの生活基盤とかも整ってないし。

 あくまでも今回は顔を見るだけ。やってもちょっと悪戯する程度。もし魔王が女の子でもそれだけだぞ。変なことはしないよ?


「――よし、行こう!」


 たっぷり自分に言い聞かせた僕は、勇者が仲間たちを先導するような言い方で気合の声を上げてから、城の中を歩き始めた。

 そう、僕は勇者。世界を真の平和に導くために、身を粉にして働く女神様の下僕!


「――おっふろー♪ おっふろー♪ ぬくぬくぽかぽかあったまるー♪」

「………………」


 そんな僕の前を、一人のメイドさんが通り過ぎてった。

 見た感じエッチな悪魔っ子メイド。お勤めが終わってこれからお風呂で疲れを癒す時間なのか、とってもご機嫌な笑みを浮かべて軽快にスキップしてる。その動きに釣られて長い尻尾がユラユラと揺れて、スカートが捲れてチラチラと紫の下着が見えて、おっきな胸の膨らみがユサユサと揺れる。

 ふむ……これは誘っていますね。間違いない。そういえば最近は合意の上でエッチな事をしまくってはいるけど、まだ行き摺りの女の子を押し倒して無理やりエッチな事はしてないな? 今こそその場面なのでは?


「おっふろー♪ おっふ――むぐぅ!?」


 辛抱堪らなくなった僕は悪魔っ子メイドに忍び寄ると、一気に身体を押さえて口を塞いだ。それと同時に麻痺(パラライズ)魔法封印(マジック・シール)で抵抗の力を奪い、更にこの子にも消失(バニッシュ)をかけて誰にも見つからないようにして、おまけに僕を認識できるようにしておいた。


「静かにしようね。騒いだら首の骨をへし折るよ? 大人しくしてくれるかな?」

「…………っ!!」


 耳元で囁くようにお願いすると、悪魔っ子メイドは首が千切れそうになるくらい何度も深く頷いてくれた。うんうん、物分かりが良い子は好きだよ? まあ反抗的な子も好きだから、何らかの反応を返してくれるなら全部好きなんだけどね。マグロは楽しくないし。


「良い子だ。それじゃあ、ちょっと僕とイイコトしようか。大丈夫、そこまで激しくはしないよ?」

「――っ!!」


 身体が痺れてまともに動けない悪魔っ子メイドを抱き抱えて、僕は近くの部屋に入る。悪魔っ子メイドがそれはもう恐怖に怯えた顔をして、ポロポロ涙を零してるのがまたそそられたね。こんな興奮する状況で我慢できる奴いる? もちろん僕はできませんでした。盛りのついた雄だからね。仕方ないね。


「――ふぅ。スッキリしたぁ」


 約二時間後、僕は一仕事終えた気分で部屋を出た。良い汗かいたし、心も体もスッキリしたよ。今ならさっきと同じ状況に遭遇しても我慢できそう。

 え? 悪魔っ子メイドはどうしたって? 聞くなよ、そんなくだらない事……。


「さ、一仕事したし帰ろ。たっぷり汗かいたからシャワーも浴びないとね!」


 そんなわけで、心地よい疲労感を感じながら帰路に着く。

 いやぁ、やっぱり泣き叫ぶ女の子を暴力で屈服させて無理やり犯すのは楽しいね! 合意の上で愛し合うのとはまた違った趣があるよ! 今後は遠慮なくその辺の好みの女の子とヤろう!

 そう心に誓って、僕は一日を終えるのだった。


「……あれ? 何のために魔王城行ったんだっけ……?」


 そしてベッドに入って一息ついて、唐突に現れ襲ってきたキラと性的に一戦交えた後。泥のように寝ようとした頃に、僕はようやくそこに気が付いた。

 そうだよ、僕は魔王のツラを拝みに行ったんだよ。何でメイド悪魔っ子に手を出して満足して帰ってきてるんだ。恥ずかしくないのか、全く……でもキラの相手もしたからもう疲れて動けない……うん、魔王のツラを拝むのは明日にしよう……。




193話目にして初めて行き摺りの女の子を性的に襲ったシーンである。なお、初めての殺人は19話目。

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