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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第7章:獣魔最強決定戦
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ロリバニー女神様


 ⋇いつもの






 気が付くと、僕はお約束の真っ白な世界にいた。いい加減この驚きの白さも飽きてきたなぁ、何て思ったのも束の間。


「――ぬりゃあああぁああぁぁぁぁぁぁっ!!」


 背後から殺気と共に、女神様の気合の入った掛け声が届く。反射的に後ろを振り向くと、愛らしい顔を憤怒の形相に歪めた女神様が、いつもの豪奢な金のロッドを僕に振り下ろそうとしてる光景が目に入った。

 いきなりの理不尽な暴力! しかしこれもいつも通り、お約束の女神様の癇癪だよね。わりとシャレにならない威力があるから、普段なら避けるなり受け止めるなりして対処する所だけど、今回の僕は一味違う。


「フッ、そうそういつまでもまともに食らうと思うなよ!」


 回避も防御もせず、頭部に杖の一撃を食らう。

 普段なら頭蓋骨が陥没しかねない一撃。でも今の僕にはトゥーラからコピーした技術と、衝撃支配インパクト・コントロールの魔法がある。だから頭部に叩き込まれた衝撃は余さず受け流して、足元から真っ白な地面に逃がしたよ。地面は破壊できない類のモノだから、突然弾けたりはしなかったけど。


「な、何じゃと!? わらわの一撃を流すとは……!」


 この対応には女神様も驚いたみたいで、丸いお目々を見開いて固まってる。

 つまり今こそ反撃のチャンス! 一転攻勢のお時間だぁ!


「ハッハー! 今度はこっちの番だぜ!」

「わひゃっ!? な、何をする! やめっ、ひゃっ! ふわははははははははっ!!」


 杖を弾き飛ばした僕は、そのまま女神様に飛び掛かって組み伏せ、全身のくすぐりを始めた。

 やっぱり女神様は感度も良いみたいで、軽く脇の下をくすぐるだけで全身をビクビクさせて笑ってたよ。お腹や太腿もなかなか敏感みたいだし、これは貴重な情報だ。


「こーちょこちょこちょこちょ! どうだぁ、ここかぁ!? ここが良いのかぁ!?」

「ひゃ、ひゃめ――ひゃははははははははっ!!」


 そんなわけで、僕は調子に乗って女神様の身体の至る所をくすぐってヒィヒィ言わせていきました。だって涙目で悶える女神様が本当に可愛くて、呂律の回らない口調で何か言う姿が愛らしくて、すっごい苛めたくなったんだもん……。

 





「ふぅ……で、何か言いたいことは?」

「はい。申し訳ありませんでした。深く反省しております……」


 たっぷりくすぐって満足した後、ブチ切れた女神様により衝撃の操作も間に合わない速度でボコボコにされた僕は、深く土下座して誠心誠意の謝罪をしてた。一応はさすがの僕も悪い事したって気持ちはあるからね。そもそも仮にも神様を押し倒してくすぐりまくってヒィヒィ言わせたとか、普通に不敬極まりない行いだし。

 まあだからって顔の形が変わるほど殴らなくても良いと思うんだけどなぁ……ちなみに口では反省してるって言ったけど、当然反省はしてないよ? そりゃああんな風に乱れた女神様の姿が見られたんだから、反省なんてするわけないよなぁ? ごちそうさまでした。


「うむ。どうせ三歩歩けば忘れる反省じゃろうが、まあ良かろう」


 なお僕がしっかり反省してるって思ったみたいで、女神様は満足気に頷く。こんな風に抜けてる所があるから本当に可愛いんだよなぁ?


「事ここに至って、お主の悪行を並び立て糾弾することはせん。言っても無駄じゃし、絶対にお主は改心せんからな」

「じゃあ何で僕はしこたま殴られたんですかねぇ――あ、はい。分かってます。ごめんなさい」


 三歩どころか土下座を解く前に反省を忘れた様子を見せたからか、女神様がご機嫌斜めに睨みつけてくる。そんな可愛い睨みをされたら興奮しちゃってパンツが盛り上がるから、土下座が解けなくなるじゃないか。全く……。


「……いよいよお主の旅も、次の街――魔獣族の国の首都であるセントロ・アビスで終わりじゃ。着々と仲間を増やし、おぞましい魔法の数々を創り上げ、果ては神の領分すら侵そうとした罪深きお主の事。どうせ首都でも何らかの悪逆非道な行為を働く予定なんじゃろう?」

「まるでお約束みたいに言うね。一応予定された犯罪行為としては、精々城に不法侵入して魔王のツラを拝んでくることくらいだよ?」


 凄い冤罪をかけてくる女神様に、予定してる犯罪行為を語っておく。

 しかし首都の名前はアビスですかぁ……大丈夫? 入った後に登ったりすると、気分悪くなったり全身から血が噴き出したり、人間性を喪失したりしない? 


「本当かのぅ……? お主の事じゃから魔王の娘を拉致監禁するくらいはしそうじゃが……」

「お。魔王に娘がいるの? へぇ。それは良い事聞いた……」

「あー……藪蛇じゃったな……」


 自分の失言を悟ったらしい苦い顔の女神様。

 魔王の娘かぁ……実際に拉致監禁するかどうかはともかく、場合によっては調教をしてやらなきゃいけないね。何せ魔王の娘って事は、次代の魔王かその配偶者になる事がほとんど決定してる存在だ。つまりは僕が実現する平和な世界を守って行かないといけない立場だ。そんな奴がバリバリの過激派だったら困るし、徹底的に平和の素晴らしさってモノを身体に教え込んでやらないとね? グヘヘヘ……。


「……まあ、よい。拉致監禁したいのなら、わらわが許す。お主の好きにするがいい」

「ふぁっ!?」


 などとまだ見ぬ魔王の娘を調教する事を考えてたら、あろうことか女神様が拉致監禁の許可を出してきた。一体どういうことだ!?


「女神様、急にどうしたの!? 拉致監禁を推奨するとか、まさか女神様ってそういう趣味が……!?」

「阿呆。そんなわけがあるか。ただその代わり、お主に少々頼みがあるのじゃ。にっくき不当契約のせいで、わらわはただお願いすることしかできんからな」

「ほぅ……魔王の娘を僕に捧げてまでお願いしたい事、か。よかろう、言ってみたまえ」

「心底偉そうじゃな、お主……」


 やっとパンツの中が落ち着いたから、立ち上がって腕を組み女神様を見下ろしながら続きを促す。見下されるのが嫌なのか態度はすこぶる不評だったよ。


「なに、そこまで難しい事ではない。魔王城の地下深くにある、とあるモノへの対処をお願いしたいのじゃ」

「とあるモノ? それって何?」

「うむ。別にこの場で教えてやっても構わんが、お主はネタバレが嫌いなんじゃろう? 自分の目で確かめてみたらどうじゃ?」


 どうやら女神様は僕の事をちゃんと分かってるみたいだ。さすがはお互いに深い所で繋がってるだけはあるね。

 しかし女神様の表情がかなり真剣な感じだし、そのとあるモノはどうにもヤバそうな感じがするね。仮にも神自ら対処をお願いしてくるとか相当な厄ネタじゃない?


「それもそうだね。じゃあこの場ではソレが何かは聞かないけど……対処ってのはどういう行為を指すの?」

「それもお主が決めれば良かろう。ただ、世界に真の平和をもたらすという目的に矛盾しない対処を頼むぞ?」

「何かキナ臭い話だなぁ……」


 魔王の娘を生贄にしてでも僕に対処を頼む事、女神様の真剣さ、世界平和という目的に矛盾しない対処。どれを取ってもキナ臭い。一体魔王城の地下には何が待ち受けてるって言うんですかね? 面倒事の予感しかしないし、いっそ城ごとマントル付近まで消滅させちゃってもいいかな?


「まあ、分かったよ。他ならぬ女神様の頼みだもんね」


 とはいえ、相手は僕をこの素晴らしい世界に送り出してくれた女神様だ。恩があるし、魔王の娘を拉致監禁する許可もくれたし、ちょっと面倒だけど引き受けることにした。どのみち魔王のツラを拝むために、魔王城には侵入する予定だしね。


「そうか! 良かった、引き受けてくれて安心した――」

「――その代わり、分かってるよねぇ? 女神様ぁ? お願いの仕方ってもんがあるよねぇ? んん~?」

「あー……わらわの安堵を返せ! この変態がぁ!」


 盛大に顔を歪ませてニヤニヤ笑いかけながら尋ねると、女神様は顔を真っ赤にして罵倒を浴びせかけてきた。

 そんなこと言われても、お願いするにはそれ相応の頼み方ってもんがあるんだよねぇ? というわけで、今回もコスプレ女神様によるおねだり劇場、行くぞー!!


「――うっ、くうっ……何という屈辱的な恰好じゃあ……!」


 頬を愛らしく朱色に染めて、涙目で縮こまる可愛らしい女神様。

 そのロリボディを包むのは黒いレオタードと網タイツ。そしてロリヘッドを黒いウサミミが彩り、ロリヒップには真っ白なポンポン染みた兎尻尾がフリフリ。そう、とどのつまりロリバニーの格好だ!


「いやぁ、素晴らしい! 実に素晴らしい! 背徳と色気が同居するロリバニーは正に至高だね!」


 そんなロリバニー姿の女神様を、様々な角度から舐めるように眺めてく。

 いやぁ、実に堪らん。ロリがこんな煽情的な恰好をしてるのはもちろんの事、特に女神様のおみ足をきゅっと締め上げる網タイツが至高だわ。だってロリロリしい太ももが色気のある網タイツに包まれてるんだぜ? これはもう極上のお肉だろ? 噛り付いて噛み千切りたいくらい美味しそうだ。


「さ、女神様。その格好で可愛くおねだり――じゃない、可愛くお願いしてみようか?」

「くぅ……お、お願いしますぴょん、ご主人様! わらわのお願い、聞いて欲しいですぴょーん!」

「よし、オッケー!」


 かなり投げやりでヤケクソ気味だったけど、約束を守る女神様はバッチリと可愛くおねだりしてくれた。この愛らしくも艶めかしい姿と、今のそそるおねだりだけでも千年は戦えるね。


「さあ、今度はそのまま胸元を捲ってちっぱいを曝け出してみようかー?」

「誰がするか! えぇい、毎度毎度馬鹿らしい恰好をさせおってからに!」

「おぅふ!!」


 コスプレはオッケーでも露出はNGだったみたいで、キレた女神様は頭の上のウサミミを毟り取って顔面にぶん投げてきたよ。ウサミミに残った女神様の芳しい香りが僕を悩ませるぅ……!





これにて第七章も終了です。次回はクソ犬のせいで出来なかった異世界ファンタジーのお約束を閑話でやります。どうしても長くなったので三話分続きますが、まあ本筋にはあんまり関係ないので読み飛ばしも可です。

 読み飛ばす方向けにここにも記しておきますが、第八章からは二ヵ月後、一月一日に投稿を始めます(間に合わなかった)。



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