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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第7章:獣魔最強決定戦
169/527

VSメスガキ小悪魔2

⋇性的描写あり

⋇残酷描写あり



 ついに闘技大会の準決勝、メスガキ分からせ試合が始まった。

 とはいえいきなり闘牛のように突進したりはしない。だって僕はあのメスガキがどんな戦い方するか分からないからね。ちゃんと警戒しないといつかみたいに足を掬われることになりかねないし。まあそれはそれで未知があって楽しいんだけどね?

 ただ何故か向こうもニヤニヤ笑いながらこっちを見てるだけで、問答無用で攻めてきたりはしないみたい。こっちの戦い方を知らないってことは無いだろうし、たぶん余裕を見せてるのかな?


「ねえ、おにーさん。おにーさんは私が戦う所、ちゃんと見ててくれた?」

「いや、悪いけど見てないよ。僕は君と違って大人だから、色々やることがあって忙しいんだ。見る価値も無いものに時間を費やす暇なんてないんだよね」


 さも見てたことを期待してるみたいないじらしい様子で尋ねてくるのを、僕はバッサリと切り捨てる。実際見てないし、どうせ向こうも本当は見てないことを期待してるだろうしね。

 ちなみに最近忙しいっていうのは本当の事。だってもう次の街が魔獣族の国の首都だからね。両方の国を見て回るのもそこで終わりだから、その後の予定を色々と考えるのに忙しいんだよ。それに夜は変態(トゥーラ)狂人(キラ)のせいで別の意味で忙しいしね!


「そっかー。私は見る価値が無いんだー? でも――<おにーさんみたいな童貞さんは、こういうのを見たいんじゃない?>」

「――っ!?」


 僕の答えに一瞬残念そうなため息をついたルアは、次の瞬間ニヤリとクソ生意気に笑いながら自らのスカートを捲り上げた。

 露わになった真っ白な太ももに、僕の視線は自然と吸い寄せられる。ぶっちゃけキラには劣る太ももだけど、白くて柔らかそうでとっても美味しいそうだ。下着が見えないギリギリのラインを攻めてるのもまた堪らない……いかん、愚息がちょっと反応してる……!

 ていうかコイツ、大観衆の目の前でいきなり誘惑かましてくるとか正気かよ? リング上でヒィヒィ言わせてほしいのかな? スケベだなぁ……。


「ふ、ふん。君みたいな乳臭いガキのパンツなんか、別に見たくなんて無いし? でもまあ……見せてくれるっていうなら、見なくもないが?」

「アハハッ! 見せるわけないじゃん! <おにーさんみたいな汚い童貞さんはー、一人寂しくシコシコしてるのがお似合いだよぉ?>」

「は?」


 僕がちょっと興味を示すと、ルアは捲ったスカートを笑いながら元に戻した。

 挙句に自分の身体を抱くようにして縮こまりながら、僕にクッソ生意気なメスガキ笑いを向けてくる。おまけにそんな嗜虐心をそそる姿を見せておきながら、僕に対して許されない罵倒を浴びせてきた。

 ああ、これはもう駄目だ。もう分からせるしかねぇな?


「は? 舐めやがって、メスガキが。こうなったら僕が分からせてやる……」

『おーっと! クルス選手、ルア選手の挑発に乗ってズボンを下ろそうとしているー!!』


 だから僕はメスガキを分からせるために、ズボンのベルトを外し、パンツごとズボンを下ろし――いや、待て。落ち着け。何で僕は息子のお披露目をしようとしてるんだ? ここがどこだか思い出せよ。大観衆に囲まれたコロシアムのリングだぞ? しかも試合中だぞ? にも拘わらず、何で僕は今正に下半身を曝け出そうとしてるんだ? どう考えてもこれはおかしいぞ、正気に戻れ!


「――アハッ! これで終わり!」


 何とか正気を取り戻した瞬間、僕の目の前には嗜虐的な笑みを浮かべてピンクの短剣を振り被ったルアの姿があった。

 対して僕は杖を手放し、両手をズボンにかけて下ろそうとしている体勢。本当に何で僕はズボンを下ろそうとしてるんだ。確かにメスガキを分からせるつもりでこの場に来たけど、幾ら何でもリングの上で強姦に及ぼうとは考えてなかったぞ? 考えて無かったよね? となると僕がこんな暴挙に走ったのは、ルアが何かしらの魔法を使ったからってことだろうな。

 いや、その分析は後にしよう。今はとりあえず首を切り落としかねない凶刃への対処が先だ。反撃は間に合わない。武器は手放してる。両手は離すとズボンが落ちちゃうから使えない。ならこれだな。 


「――滑る鎧(スリップ・メイル)


 僕がその魔法を使うと、身体が僅かに青色に光を放つ。ルアは構わず首を刎ね飛ばす一撃を見舞ってきたけど、その一刀は僕の首に触れた瞬間、肌の上をつるりと滑って見当違いの方向に抜けて行った。

 あぶねぇなぁ、全く……まさかこれをいきなり披露することになるとは思わなかったぞ。あ、ちなみに青く発光してるのは特に意味は無いです。強いて言えば『今は発動中ですよ』ってことを知らせてあげてるだけ。


『おおーっ!? クルス選手、明らかに致命傷が入る一撃を謎の魔法で捌いたぞー!? 一体何をしたんだー!?』

「あれっ? おかしいな、首を切り落としたはずなのに……」


 致命の一撃がつるりと滑って手応えが無かったせいか、ルアは軽く距離を取ると小首を傾げて自分の短剣をじっと眺めてる。

 というかコイツ、初手から首刈りを狙ってくる辺り、場外とか気絶とかで終わらせる気が微塵も無いな。確かに相手を殺しても勝利できるみたいだけどさ、もうちょっと穏便に済ませようとかって考えはないわけ? ひくわー。


「おかしいってのはこっちの台詞だ。お前、今僕に何をした?」


 ベルトをキッチリ締め上げつつ、僕はルアに尋ねる。

 あ、別に答えを期待した問いじゃないよ? ベルトを締め直す時間が欲しかっただけだし。


「アハッ、何の事? <ルア、よく分かんなーい?>」

「そうかそうか。じゃあ僕がたっぷり分からせてやる――ってまたかよ!?」


 でもルアがまたしてもメスガキ笑いでぶりっ子のようなポーズを取った瞬間、僕の手は勝手にベルトを外してた。この手か!? この手が悪いんだな!?


「チャーンス! 死んじゃえ!」

滑る鎧(スリップ・メイル)!!」


 そしてさっきと同じやり取り。首を刈ろうとするルアと、それを摩擦ゼロの鎧で流しつつベルトを締め直す僕。二度あることは三度あるっていうし、もう無意識にベルトを外したり出来ないように魔法で固定しておこう。全く、ふざけたことしやがって……。


「あっれー? おかしいなぁー、また斬れなかった。おにーさん変な事してるねー?」

「お前ほど変な事はしてないわ。一体さっきから僕に何をしてやがる」

「フフフー、何をしてると思う? あー、でも<おにーさんみたいな、よわよわな人には分かんないかなー?>」

「あぁ? 舐めやがって、メスガキが。分からせてやる――ってだからぁ!」


 挑発に異常なまでの怒りを覚えた瞬間、僕の両手は三度ベルトを外そうとしてた。ただ今回は魔法でベルトを固定したから、外すまでには至らなかったよ。何度もメスガキに弄ばれてる事実は変わらないけどな!


『クルス選手、ルア選手の得意技に手も足も出なーい! もっと別のモノなら出そうですが、それでも防戦一方だー!』

「ハハハハハハ!!」

「ざまーみろーっ!!」


 僕がメスガキに手も足も出ず追い込まれてる光景に、観客の皆さんは大興奮だ。本当に民度悪いなぁ。八つ当たりに防御魔法を貫通する魔法打ち込んじゃうぞ?


「アハハ、おにーさん本当に弱すぎー。何とか凌げてるみたいだけど、大口叩いてた癖にその程度ー?」


 ルアはケラケラと笑いながら、僕の事を明らかに目下すような目で見てくる。

 まあ実際そう思われても仕方ないしね。大口叩いておいて防戦一方になってたら世話ないよ。挙句戦いの最中にズボンを下ろそうとしてる情けない姿を何度も見せたらね……。


「うっせぇなぁ。こっちは楽しむためにわざわざお前らのレベルにあわせてやってるんだよ。その気になればお前なんて簡単に捻り潰せるんだからな?」

「ふーん? じゃあやってみてよ。ほらほら、どうしたのー? こんな小さな子に何度もやられそうになって、悔しくないのー?」

「うるさいメスガキだなぁ。良く回るその口を縫い合わせてやろうか」

「アハハッ! やれるもんならやってみなよ! <おにーさんのざーこ♡ ざーこ♡>」


 そうしてまたしてもルアの挑発と魔法が僕を襲い、僕の両手はズボンを下ろそうとして、その隙に致命の一撃を叩き込まれそうになる。明らかに結果が見えた試合は、そんな調子でずっと続いていった。






『――クルス選手、防戦一方で全く良い所が無い! 傷だらけで最早虫の息だー! 勝負はもう決まったかー!?』


 およそ五分後。予め決めておいた滑る鎧(スリップ・メイル)を使っていい回数を越えかけたから、僕は根性で致命の一撃を避けてた。

 ただルアの方も試合が長引きそうだと思ったのかまずは傷を与えることに方針を変えたみたいで、急所への一撃は三回に一回くらいに減ってたよ。その一撃に対して滑る鎧(スリップ・メイル)を使ってたから、それ以外の攻撃で僕はすでに傷だらけになってるってわけ。いやぁ、全身がチクチク痛いなぁ?


「やっちまえー、嬢ちゃん!!」

「そのクソ野郎をぶっ殺せぇ!!」

「殺せ! 殺せ! 殺せ!」

「負けないでくれ主~っ!! 私はそんなクソガキに無様に敗北する主など見たくないぞ~!!」


 嫌われ者の僕がそこまで追い込まれてるからか、観客の皆さんはとってもご機嫌。皆でルアを応援して煽ったり、僕に罵声を浴びせかけたりで散々だよ。何かトゥーラの声援が嬉しくて涙が出そうになってきた……。


「アハハ、もう終わりかな? 出来損ないなニカケのおにーさんにしては頑張った方だろうけど、完璧で強い私の相手をするのは役者不足だったね?」


 などと小馬鹿にするような口調で、膝を付いた僕に対して翼や尻尾を見せびらかしながら語り掛けてくるルア。きっと尻尾と角と翼が全部揃ってることがアイデンティティなんだろうなぁ。自分は偉い、自分は強い、自分は特別、って信じて疑わないのが透けて見えるよ。


「役者不足ねぇ……役不足の間違いじゃない?」

「えー? 役者不足であってるよ? だっておにーさん、全然私と戦えないじゃん。私の相手っていう役に、おにーさんっていう役者は力不足なんだよ。分かる? もしかして頭の中まで出来損ないなの?」


 相変わらずのメスガキ笑いを浮かべながら、ルアは懇切丁寧に役不足と役者不足の違いを解説してくれる。

 心なしか可哀そうなものを見る目をしてる気がするね。まあこんな追い込まれた状態で間違った言葉を使ってたら、頭の中身の状態を心配するのも仕方ない。


「そういう意味じゃないんだよなぁ……まあいいや。上げる(・・・)のはもうこれくらいで十分かな?」


 いい加減こんなメスガキに見下されるのも心底うんざりしてきたし、観客に罵声を浴びせられながら小馬鹿にされるのもうんざりだ。ちゃんと作法に乗っ取って事前準備も済ませたし、もう仕込みはここまででいいでしょ?


「えー? 何言ってるの、おにーさ――」

「――永劫破壊エターナル・デストラクション


 だから僕は頭を切り替えて、情け容赦なく魔法を行使した。

 分類としては相手の身体に直接働きかけるタイプの攻性の魔法。でもこの魔法のキモはそんなところじゃない。この魔法は名前の通り、対象を永久に破壊する。当然自然治癒はしないし、治癒魔法だろうと治せない。永劫破壊された状態になる、呪いみたいな感じの魔法だよ。

 さて、この魔法で僕が破壊したのは一体何だと思う? そう、もちろんメスガキが大事に思ってるアイデンティティそのものだよね!


「……えっ」


 バキッ! という音に、ルアはメスガキ笑いも忘れて呆けた顔を晒す。でもそれも仕方ないね。何せその異音は自分の耳の上辺りから聞こえたんだもん。

 そして呆然としたルアに追い打ちをかけるように、その足元にゴトッと黒い物体が落ちる。それは何かって? もちろんルアご自慢の立派な角の欠片だよ。僕の魔法で破壊されて残ったゴミみたいな残骸と化した、ね?


「あ……え……?」


 ルアはしばらく固まったかと思えば、震える手で自分の右耳の上を触る。でもそこにいつものご立派な角はない。あるのは根元二割くらいしか残ってない角の破壊跡。

 現実を受け止められないのか、ルアはそこをペタペタと触りまくってどんどんと顔を青くしてたよ。お得意のメスガキ笑いはどうしたのかなー?


「さあ、クソガキにお灸を据える第二ラウンドの始まりだぞ? 覚悟しろよ?」


 何にせよ、ここからは僕のターンだ。

 最初はメスガキ優位でなくてはならないというメスガキ分からせの作法に乗っ取って、ボロクソになるまで嬲られてやったんだ。もう容赦はしないからな? お前のアイデンティティを全部完膚なきまで破壊して、修復不可能にしてやるぞー?




⋇メスガキ分からせ作法:途中まではメスガキが優位でなくてはならない

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