表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第7章:獣魔最強決定戦
155/527

冒険者プレート入手

 ⋇ここから7章。みんな大好きトーナメント。

 ⋇残酷描写(?)あり





 ルスリアの街に来て十日目。リアのお勉強も明日で終わるという今日この頃、僕は冒険者ギルドを訪れた。明日には冒険者プレートが出来上がるって、トゥーラが昨日言ってたからね。せっかくだから自分で受け取りにきたってわけ。

 いやぁ、それにしてもこの街に来て色々あったなぁ。リアが魔将と性のお勉強を始めたり、初めての冒険者ギルドにワクワクしたり、ギルドマスターがド級の変態って分かって恐れおののいたり、変態を拷問したら何故か惚れられてわけわからん状態になったり、変態がミニスを脅して半ば無理やり真の仲間に入ってきたり、挙句の果てには共謀した変態と狂人に3P逆レイプされたり……いや、見事に出来事のほとんどが変態絡みなんだよなぁ。何なの、アイツ……。

 性関連のお話をするなら、今はとりあえず変態と狂人相手に腕を磨いてる所だよ。あの二匹はどれだけ激しくしても受け入れてくれるからね。練習台にはちょうど良いかなって。しばらくはあの二匹で技術を高めつつ、満を持してリアを相手にする予定だよ。

 その後はレーンとミニスを相手にする予定なんだけど……この二人はだいぶ後になるかな。レーンに関してはちょっと状況的によろしくなくて、ミニスに関してはちょっと考えがあってね。いずれにせよ童貞を卒業したことで選択肢の幅が広がって、なかなか楽しい日々になってるよ。


「――申し訳ない、主よ~!」


 そして冒険者ギルドのギルマスの部屋。席に案内された僕は、当のギルマスであるトゥーラから誠心誠意の土下座をされた。もちろん僕の席は本来ギルマスが座る側だぜ。トゥーラはどうしても僕をこっちに座らせたいらしい。


「それは何に対する謝罪? 悪質なストーカーみたいに宿まで押しかけてきたこと? ミニスを脅して半ば無理やり僕の奴隷になった事? それともキラと組んで僕を逆レイプしたこと?」

「いや、そのどれでもな――あうぅんっ!」


 パチンと僕が指を鳴らすと、トゥーラは身体に電撃が走ったように悶える。

 まあ実際本当に電撃が走ってるんだよね。何かトゥーラが首輪を嵌めてくれってうるさかったから、僕が指を鳴らすと電撃が走る魔道具の首輪を作って嵌めてやったんだよ。見た目はよくある革製の首輪なんだけどね。

 ちなみに電圧の強さはスタンガンと同じくらい。これを首元を起点に食らってるのに、幸せそうな顔でビクビクしてるトゥーラ無敵すぎん? もっと電圧を上げるべき?


「まあ過ぎた事だから今更蒸し返すつもりはないよ。油断してた僕も悪いと言えば悪いし。でもそれはそれとして、一切悪びれた様子が無いのがムカつく」

「あぅぅ~んっ!」


 追加で更に電撃を食らわせるものの、やっぱりトゥーラは幸せそうに喘いでる。尻尾もブンブン振られてて、めっちゃ気持ちよさそう。お仕置きに良いかもしれないとかちょっとでも考えた僕が馬鹿だったね、これ……。


「ふぅ……真面目な話、謝りたいのは主の冒険者ランクについてだ~。主のランクは条件付きでAとなったよ~。私も頑張ったんだが、他のギルドの奴らは頭が固くてね――ああぁぁんっ!」

「Cランクで良いって何度も言ってたのに、何で無視してわざわざAランクにしてんの? 僕のこと馬鹿にしてんの?」


 効かないって分かってるのに、トゥーラが馬鹿な事を言う度につい起動してしまう不思議。むしろトゥーラはこのために僕を煽ってる節もあるのでは? ベッドじゃ普通に従順なのにね。


「そういうわけではないよ~。主には良いものや良い環境、良い立場を提供したいという、私の忠誠心の現われさ~。何より私の主が有象無象に下に見られるのが我慢ならないんだよ~」

「忠誠心とか抜かす割に僕の命令を無視してやがる。百パーお前の欲望では?」


 一応理解できなくもない理論だったけど、他ならぬ主の意志を無視してるんだよなぁ。まあミニスを脅迫して無理やり仲間になった奴だし、その辺は今更の話か。僕に対する敵意が無いってことだけは、嫌と言うほど身体に分からされてるし。


「……それはさておき、条件付きってどういうこと?」

「要するに主の力量がAランクに値するものなのか、分かりやすい形で示して欲しい、ということだね~。さて、主はアロガンザで行われる闘技大会について知っているかな~?」

「お前がベストエイトに入ったやつ? 悪いけど元勇者の僕が知るわけないでしょ」

「おっと、それもそうか~。では主から見て左から二番目の引き出しを開けてくれ~。中にパンフレットが入っているよ~」


 言われるがまま、執務机の引き出しを開けてパンフレットと思しき用紙を取り出す。ちなみに中に入ってたのはこの用紙一枚だけだった。勿体ない引き出しの使い方してんなぁ。いや、仕事の引継ぎも完全に終わらせたみたいだし、もう戻って来る気もないっぽいから他は全部回収しただけか?

 で、そのパンフレットに関しては、まあよくあるスーパーとかの『セール開催!』的なチラシの大会バージョンみたいな感じだね。獣人の男と悪魔の男が今正に切り結ぼうとしてる感じの写真付き。女の子じゃダメだったのかな?


「闘技大会の正式名称は『魔獣最強決定戦』、四年に一度開催される暴力の祭典さ~。ちょうど今年がその開催年で、二週間後に始まるよ~」

「はーん。それで、その大会がどうしたっての?」

「うん。主にはその大会で三位以上に入ってもらいたいんだ~。それが主にAランクを付与する条件なんだよ~」

「なるほどね。謹んでAランクを辞退させていただきます。ありがとうございました」


 クッソ面倒な条件を提示されたから、僕はペコリと頭を下げて辞退する。闘技大会とかいう汗臭そうな大会に出るのすら嫌なのに、その中で三位以上になれとかどんな罰ゲームよ。あとそれはさすがに悪目立ちしすぎるから許容できない。ただでさえ魔将と顔を合わせてお喋りしてるってのに……。


「そう言わずに~! 主なら一位も難しくないだろ~!?」

「そりゃあ確かにそうなんだけどさ、ぽっと出の見ず知らずの角しかない悪魔がいきなり三位入賞とか悪目立ちしすぎでしょ。一気に活動しにくくなるわ」


 僕は少し前まで知らなかったけど、悪魔の中では角と翼と尻尾が揃ってる奴が一番偉くて強いって風潮がある。この内一つしかない奴は大体同族に差別されたり、馬鹿にされたりしてるっぽい。

 そして僕が偽装の姿にしてるのは角だけの悪魔の姿。そんな状況で大会三位に食い込んだら絶対悪目立ちするよ。まあ『自分たちは全部揃ってるから偉いし強い!』って思ってる奴らの鼻を明かすことは楽しそうだけどね。


「た~の~む~よ~! 私の主は強靭で無敵で最強だと、他の街のギルマスたちに大見得を切ってしまったんだよ~! 今更後に引けないだろ~!?」

「そんなの知らんし。せめてお前と同じベストエイト入賞くらいなら考えてやったってのに」

「ん~……本当はベストエイトでも許可が出たんだがね~。私が三位入賞に条件を繰り上げたというか――あばばばっ!!」

「何してくれてんだお前は。本当に僕に忠誠心抱いてるの?」


 相変わらずアホみたいなことしかしないトゥーラに、出力を上げて電撃を食らわせる。何でわざわざ三位以上に変更しやがったし。


「も、もちろんだとも~。そもそも三位に繰り上げた理由が、八位以内だとまた他にも条件を科されるからなんだよ~。こっちの方が主はたぶん嫌がると思ってね~」

「勝手に僕が嫌がるかどうか決めるな。で、その条件って?」

「指定のAランク依頼を三つ達成すること、だね~。全部魔物の討伐依頼だよ~」

「何だ、そっちの方が簡単で目立たないじゃないか。じゃあ僕はそっちにするよ。三位入賞よりは目立たないでしょ」


 数字上は五しか変わらないとはいえ、数千人規模の大会での順位なんだから、低ければ低いほど僕には都合が良い。特に八位あたりは微妙な順位だしね。

 討伐依頼にしてもこっちにギルマスがいるんだし、受注から達成まで他の冒険者の目に触れずに行うこともできると思う。だったら当然こっちを選ぶよ。トゥーラは何でこっちの方が嫌がると思ったんですかね?


「いや~、やめておいた方が良いよ~? 何せ討伐するべき魔物の中には、ギガンティック・センチピ――」

「よし! 三位入賞を目指すぞ! 悪目立ちするのがなんぼのもんじゃい!!」


 何やら凄まじく不穏で悍ましい魔物の名前が聞こえた気がして、僕は咄嗟にトゥーラの発言を遮って立ち上がる。

 三位入賞? 悪目立ち? 望むところだ! 角しかない悪魔の僕が三位になって、他の欠けた悪魔たちの希望になってやるぜ! 決してヤバそうな魔物に怯えてるわけじゃないからな!


「おおっと、びっくりするくらいの速度で手の平を返したね~。本当に主は虫が嫌いなようだ~」

「当然だよ。ていうかお前、僕が虫嫌いだって何で知ってるの?」

「キラから聞いた~。だから主はソレの討伐依頼はやりたくないだろうと思って、三位入賞にハードルを上げることで討伐は無しにしたのさ~。余計なお世話だったかな~?」

「……いや、まあ、よくやった。確かに忠誠心はあるみたいだね」


 どっかのムカデを投げてきたクソ猫と違って、確かに僕が本気で嫌がる事は避けてるみたいだ。何だかんだでトゥーラとは今まで二回ほどベッドを共にしてるのに、サディストの性癖を僕に対して向けた事は一度も無いしね。

 これは確かに褒めるに値すること。そんなわけで褒めるために手招きすると、トゥーラは机を飛び越えて僕の足元にお座りした。


「わぅ~ん! ああっ、散々電撃で鞭打たれた後の、飴のナデナデが気持ち良すぎてイキそうになるぅ~!」


 頭を撫でてやると、デレデレした感じの笑顔を浮かべて僕の膝の上に頭を預けてくる。そうして尻尾は千切れんばかりにブンブン振られて、滅茶苦茶ご機嫌な様子だ。正に甘えん坊な飼い犬って感じで可愛いよね。

 でも中身は電撃を受けて興奮するような変態なんだよなぁ。これでM気質さえなけりゃあなぁ……。



⋇ギガンティック・センチピート。要するにクソデカムカデのこと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
[一言] 結構主人公ってやられっぱなしだよね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ