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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
第4章:ジャーニーズエンド
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後輩系女神様


「おや、ここは……」


 どこまでも続く、真っ白で目が痛くなる空間。何やら肌がヒリヒリするような神聖な空気。この殺風景な空間は間違いなく女神様との逢瀬の場ですね。しっかりダボダボしたローブを纏った、金髪幼女の後ろ姿が見えるし。

 あっ、そうそう。あの後僕らはまだ火が燃え広がってない森の中に行って、そこで一夜を明かすことにしたんだ。魔将と大天使の戦いを眺めてたら夕方になっちゃったからね。

 ちなみに勝敗に関しては引き分けってところかな? やっぱりザドキエルは森の中にいるであろう僕の仲間たちが逃げる時間を稼いでたみたいで、日が傾いてきたらすぐに聖人族の砦の方に逃げ帰ったしね。ルキフグスは追いかけようとしてたけど、さすがに疲労の色が濃くて断念したっぽい。

 というか……あれ? 女神様、今回はいきなり攻撃を仕掛けてこないなぁ? どうしたんだろう?


「ヤッホー、女神様! ご機嫌いかが?」

「ケッ。知らんわ、お主の事なんぞ」

「わー、僕の女神様がグレちゃった……」


 フレンドリーに話しかけたら、こっちを振り向いた女神様は蔑むような目で一瞥してから再び僕から視線を外した。

 ヤベェよ、女神様のガラが悪くなってるぞ。反抗期かな? それとも女の子の日? でも無理に悪ぶってるように見えてこれはこれで可愛いな。


「一体どうしたの、女神様? 何かショックな出来事でもあったの? お兄さんに話してごらん?」

「何があった、じゃとぉ……!?」


 親身になって話を聞いてあげようとしたら、女神様は額に青筋を浮かべながらこっちを振り向いた。眉もぴくぴくと動いてて、何やら頬っぺたも引きつってる。うーん、何でそんなにキレてるのかは分からないけど、怒ってる顔も可愛いよね。


「この戯けが! わらわはミニスに優しく接してくれと頼んだというのに、お主は一体何をした!? 安らかに眠る者たちを無理やりに目覚めさせ、お主は一体何をした!? 自分を信じてついてきた仲間に、お主は一体何をした!? 泣き叫び嫌がるハニエルに、お主は一体何をした!? 申し開きがあるのならば言ってみよ!」


 あー、何だ。いつも通り僕の行動がお気に召さなかっただけか。女神様もいい加減慣れてくれればいいのにねぇ?

 何をしたって言われるとそりゃ、優しくキスしたとか、燃料になってもらったとか、殺したとか殺させたとかだけど、女神様が聞いてるのはそういうことじゃないんだろうなぁ。ということで、ここはこう答えるべきだな!


「何もないでーす。恥じず、悔いず、省みないのが僕のポリシーだからね」

「貴様アアァァァァァァァァァァッ!!」

「ひえっ!? 女神様がまたキレた――おぶぅ!?」


 僕の誠実な答えに女神様はブチ切れて、腰の入った右ストレートを鳩尾にぶっこんできたよ。思わず膝を突くくらいには威力のある一撃だったわ。一体何が気に入らなかったんだろうね? 






「……女神様、もう落ち着いた?」

「うむ。お主を殴りまくってやっと冷静になったぞ。理不尽な怒りをぶつけて済まなかったな」

「女神様、本当は二重人格とかだったりしない……?」


 僕の鳩尾に腰の入った右ストレートを打ち込んだ後。そのままマウントを取って顔をしこたま殴ってから、ようやく女神様は落ち着きを見せてくれた。

 ちょっと歯とかあごの骨とかグラグラしてる気がするけど、まあここは夢の中だし別にいいか。女神様には大恩があるから、この程度のことで目くじらを立てる気は無いしね。それにマウント取られてる時、僕の腹の上に女神様の柔らかなお尻が乗っててめっちゃ気持ち良かったんだよ……。


「何はともあれ、お主はついに魔獣族の国へ足を踏み入れる。正直なところ、お主に本当に世界を平和にする気があるのか非常に疑わしいが、役立ずの駄女神であるわらわはただお主を信じることしかできん。頼んだぞ、クルスよ」

「まあ大船に乗ったつもりでいてよ。正直世界を焼き払った方が早い気がするし、ぶっちゃけあのクズ共を見るとそうした方が賢い選択だと思うけど、他ならぬ女神様のために頑張るからね。あと女神様を僕のモノにするために!」


 世界の平和とかはぶっちゃけどうでもいい。一番重要なのは、世界を平和にすれば女神様を僕のモノにできるってこと。僕にとって世界平和はあくまでも手段であって目的じゃないからね。そこははき違えないようにしないと。


「うむ。安心できるような不安しか覚えないような、何とも言えぬ答えじゃな。お主の一切ブレない駄々洩れの欲望に呆れて言葉も無いぞ」

「欲望かぁ……ねぇ、女神様。僕、初めての相手に迷ってるんだけど、誰にすれば良いかな?」

「挙句わらわにそれを聞くか? お主の頭の中は本当にどうなっておるんじゃ……」


 僕の相談に対して、ほんのちょっとだけ頬っぺたを染めてジト目で見てくる女神様。どうやら僕の頭の中が気になるみたいですね。さすがに頭をカチ割られるのは勘弁してほしいけど、女神様のためならちょっとくらいなら良いかも……?


「だって本当は女神様と最初にヤりたいけど、それはまだダメなんでしょ? だから初めての相手に迷っちゃってるんだよ」

「当たり前じゃ。それは世界に真の平和をもたらした時の報酬じゃからな。そもそもわらわは腐っても女神。本来ならその身体を許すなど、あってはならぬことなのじゃぞ? 文句を言わず、その機会を得られていることに感謝せい」

「はーい。女神様をヒィヒィ言わせるために頑張りまーす」


 とりあえずヤる時は縛り上げて後ろから、だね。猿轡を噛ませると更に捗りそう。

 でもそのためにはあの腐った世界を矯正しなくちゃいけないんだよね。皆で手を取り合って仲良しこよしー、な状態にしないといけないし。正直先行きは滅茶苦茶長そう……。


「……というか、お主としては別にわらわに拘る必要は無いのではないか? 年端も行かぬ見目麗しい少女などたくさんおるし、中にはお主の好きなケモミミが生えている子もおるじゃろう? 何故そこまでわらわに固執するんじゃ?」

「分かってないなぁ、女神様。僕が好きになったのは他ならぬ女神様で、年端も行かない幼女じゃないんだよ。僕は幼女という属性ではなく、女神様という存在そのものを見てるんだ。例えどれだけ魅力的な幼女がいようと、女神様の代わりになんてならないのさ」

「なるほど。何やら腹が立つ物言いじゃな」

「何故!? 良い事言ったはずなのに!?」


 せっかく僕が『お前の代わりなんていない!』的な発言をしたのに、女神様はムッとした表情で二度目のボディブローをかましてきた。

 まあ今回は腰が入ってなかったし、振り被ってもいなかったからダメージはほぼ無かったけどね。それでもそこそこ重いのはさすが神様ってところかな?


「……まあ、お主がわらわに固執しているおかげで、世界平和が実現する可能性があるのじゃからな。果てしなく身の危険を感じるが、わらわの身一つで世界が平和になるのなら安い物じゃろう」

「大丈夫大丈夫、そこまで酷いことはしないよ。ちょっと肉体と精神の両方に、なおかつ頭のてっぺんからつま先まで、僕という存在を未来永劫消えないほど深く刻み付けてあげるだけだから」

「何やら凄まじく猟奇的な香りがするのじゃが……」


 僕がニッコリ笑いながら答えると、女神様は自分の身体を抱くように縮こまりながら後退る。

 ハハハ、やだなぁ。僕が女神様にそんな猟奇的な事するわけないじゃないか? 精々全裸に首輪とリードつけて散歩させるくらいじゃない? ほらほら、ワンワン鳴くんだよ。


「何はともあれ、お主はこれから魔獣族の国に入るわけじゃが……今までは勇者という肩書きが微かにストッパーとして働いていたものの、それが無くなった今、どれほど外道かつ陰惨かつ狂気的な行為を働くのか最早わらわには想像もつかん。そしてわらわはお主と結ばされた契約のせいで、お主の行動を縛ることも命令することもできん。故に、わらわは――」

「じゃあセーラー服姿で、可愛い後輩っぽくお願いしてね? あ、スカートは膝上十センチくらいで」

「せめて最後まで言わせんか! というか何故勝手にコスプレ有りにしておるのじゃ!?」


 そしてここで女神様によるお願いタイム! あまりの興奮に言葉の途中でぶった切って要求を並べ立ててしまったぜ! でも仕方ない! 何せ女神様がコスプレして可愛らしくお願いしてくれるんだからね!

 そんなわけで、今回はセーラー服の女神様による先輩後輩シチュエーションでのお願いをしてもらうことしたよ。あの白のブラウスに青いスカートっていう、実に清潔感の感じられる服装が良いよね。それでいて制服っていう背徳感のあるアイテムなんだからもう堪んないね。あっ、もちろんソックスは太もも半ばまでで、スカートとの間から白い太ももが見えるようにだよ!


「――く、クルス先輩! お願いします! わ、私の可愛い後輩たちを、あんまり苛めないでください……!」


 ということで、僕の目の前には短いスカートを恥ずかしそうに押さえながら、可愛らしくお願いしてくる後輩の姿。うーん、素晴らしい。特に真っ白な太ももが堪らん。齧り付いて食いちぎりたくなるくらい美味しそう。


「しょうがないなぁ、オッケー! 善処するよ!」


 こんな素晴らしいものを見せられたら、首を縦に振らざるを得ない。だから僕は一も二も無く頷いた。まああくまでも善処するだけだけどな! やらないとは言ってない!


「えぇい、何が先輩じゃ! というかこのやたらに短いスカートは何じゃ! 破廉恥な!」

「似合ってるよ、女神様。あ、そういえば女神様はどんなパンツ履いてるのかな? ちょっと先輩に見せてくれる?」

「しゃがみこんで覗こうとするでない! この不埒者がぁ!」


 スカートの中にどんな素晴らしい光景が広がってるのか気になって覗こうとすると、女神様は顔を真っ赤にしてスカートを押さえながら後退った。

 やっべー、この反応滅茶苦茶可愛くて興奮する。というか肉体を持たない高次の生命体云々とか言ってた癖に、うちの真の仲間たちよりよっぽど感情豊かなんだよなぁ。あー、早く女神様をモノにして色んなことをしたいなぁ!




 ということで、第4章終了です。クラウンは退場、レーンとハニエルは一時離脱となりました。次回からは魔獣族の国でのお話になります。ここまで滅茶苦茶長かった……。

 とりあえず更新頻度は今と変わらず隔日投稿で行きます。たぶん大丈夫のはず……。

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