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第八話 無限の問題(ヒント)

 彼はカバンをゴソゴソと探っていた。そして紙束を取り出すと、村田へ渡す。無理に引っ張り出したせいか、皺が寄ってしまった。

 それを見て、村田は苦笑しながら丁寧に皺を伸ばした。

「こんなになったら使えなくなっちゃうわよ。気を付けなさい」

「すみません」

 柘植は頭を掻いて言ったが、村田はその姿を一瞥しただけである。机越しにわたしは彼女から紙束を受け取ると、しげしげと眺めた。何の変哲もない方眼紙のように見えるが、どこにヒントが隠されているか分からない。2009.6.9。今日の日付で購買部のシールが貼られている。

 封は切られていないので、中に何か入れたわけではなさそうだ。わたしは念のため蛍光灯に透かしてみたが、案の定何も見つからなかった。

 わたしが方眼紙を柘植に返すのを確かめると、村田はわたしへ尋ねる。

「萌だけでいいよね」

 そして大月と亜希子へ目を向けると、彼女は続ける。

「だってほらあの二人……」

「え?」

 改めて見ると大月は鉛筆を放り出し、ひそひそ声で亜希子と雑談をしていた。さっきから相談しながら解いていると思っていたが、いつの間にか完全に戦線から離脱していたのである。

 わたしは村田に向き直ると、小声で言った。

「それで構いませんよ。せっかく話してるのに邪魔しちゃ可哀想ですし」

「柘植くんもいい?」

「ええ、まぁ、残念ですけど、仕方がありませんね」

 そう答える柘植の声は暗い。村田はその影を吹き飛ばそうとしているようである。明るい声で言った。

「それじゃあ、萌、答えは?」


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