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第一話 均衡の問題(ヒント)
わたしはノートの切れ端を破ると、「3」と書いた。そして、亜希子に渡すと囁く。
「はい、ヒント」
小学校時代、先生の目を盗んで「文通」してたっけ。内容は「お腹空いた、給食まだかな」などと他愛もない話。どこで習得してくるのか、中には凝った折形をしてた子もいた。教えてくれることもあって、いつも彼女の周りには人集り。
悔しいけど何回やってもキレイには折れなかった。どうせキレイには折れないんだ。いつしかそう割り切るようになり、付き合い程度に教わり、あとは遠巻きに眺めていた。小学生時代を思い出しながら、亜希子を眺めた。