1章【家族になります? 】
毎回読んでくださっている物好きな方はお待たせ致しました。1ヶ月あいてしまいましたね。待っている人が少なければこんなもんよ!
では、お楽しみ下さい。
うぅん・・・布団でモゾつく少女。
ベッド横の窓から朝日が差しが差し込む、昨日に引き続き良い天気だ。
「おはよう。」
モゾつく少女は薄い意識の中で朝の挨拶を耳にする、聞き慣れた声の気がするが母ではない。
久遠 優愛は差す陽の光に抗い薄らと瞼をあげる。
「あ、起きた。」
近い。非常に近い。これから熱い口付けでも交わそうかという距離だ。
谷口 友里があまりに近い距離で添い寝している。
優愛は驚きと恥ずかしさを隠せる訳はなく、目を見開き顔を真っ赤にして布団を奪い去り、壁側へミノムシになりながら逃げた。
ドキドキと大きい、心臓の音の響きが心地よく、気付けば優愛は2度寝してしまう。
外から大きなエンジン音が聞こえる。
再び目を覚ました優愛は先程より更に重い瞼を上げる。
窓からの陽の光の量が減っている、かなり長い時間寝ていたようだ、時計を見ると11時30分になろうかという所。
「お布団気持ちいい・・・。」
春秋の布団とういのは恐ろしい魔力を秘めているものだ、この後は土曜だというのに身体測定がある、布団から出なければならない
「イテッ。」
ベッドから転がりミノムシの衣を脱いで行く、脱いだ衣をベッドに敷直し、とりあえず居間へ。
「は?なにこれ?」
階段を下りた所で寝ぼけた頭には青すぎる色。
「あ、やっと起きてきた。」
母の道子が居間当たりの廊下から話しかける。
「あんたも手伝いなさい。」
「え?なにを?」
「なにって、引越しの荷物運び入れるのをよ。」
「・・・・・・いやいや、え?なんか冷蔵庫買い替えたとかじゃなく?」
玄関の外へ目をやる。
「行くぞー、1、2、3!」
黒猫大和と書かれたトラックとガタイのいい兄ちゃん達を見てしまった優愛。
「引越し?誰の?親戚がここで暮らすの?」
「優愛!おはよう!今日から一緒に暮らそうね!!!」
「・・・・・・・・・・・・!!??」
友里に抱きしめられているがそれ所ではない。
3年間ほぼ使っていなかった目の周りの筋肉がフル稼働し、大きく見開かれた眼。
それとは対照的にボケーっと開かれた口元。
そして、悟り開く。菩薩のように目を細め優しい顔になる優愛。
抱きしめられた体を離し。
「うん、わかった。よろしくね。」
「あの、優愛さん。」
「どうしたの友里ちゃん?」
「全然分かってませんよね?」
友里に見えている優愛の眼はバタフライしている。
「すんませーん、通りまーす!」
優愛を抱え道を開け、引越しの兄ちゃん達の通り道を確保。
どうしたものかと、とりあえず優愛を洗面所へ。
パシャパシャと顔を水で洗う。
先程よりは意識はハッキリしてきた、思考停止状態から復帰して、自分の気持ちに気が付く。
「優愛、どうしてニヤついてるの?」
「へっ?」
「凄いだらしない顔してるけど。」
「いやっ、これは!」
幾ら顔をムニムニした所で、緩み切った顔は元に戻ってくれない。口元以外を手で覆い。
「・・・・・・・・友里ちゃんと一緒に住めて嬉しいから?」
いつもの如く、優愛の抱きしめる友里。
私の顔も、嬉しさと照れでニヤついてるであろう顔の緩みを感じている。
「学校行くまでちょっと手伝おっか!」
他に言うことが有るだろうに、その言葉を選んだ。
幼馴染とはいえ、幼稚園からの付き合いとはいえ。
赤の他人と一緒に暮らす事になんの抵抗も無いことが、少々異常である事に。
互いに依存している事に可能性に。
2人は気付いていない。
お疲れ様でした、前回がそこそこのボリュームだったんでやり切った感あって書けなかったんですよねw
今回はぺろっと読めたと思います。
次回は年越す迄に上げたいなー(白目)