序章 思い出 別れ。
ちょっと文と文の繋ぎ方おかしかったりするけど許して!
「優愛ちゃんは好きなものあるのー?」
幼稚園に入ったばかりの少女が言う。
優愛は砂場の砂をいじるのを止め、満面の笑みで。
「いっぱい好き!好きなものたくさん!」
そして、どこか優しさを感じさせる笑顔で。
「友里ちゃん大好き!」
質問をした優愛の友達 谷口 友里は少しビックリした様子だったが、少し間を置いて照れたように、優愛に抱きついた。
小学生に上がり、家も近所だった2人は親友と呼ぶに相応しい間柄に。
優愛は気に入ったものを書いておく「大好きノート」なる物を持っていた。
更には好きなものや、好きな人、男の子女の子も関係なく【好き】だと言っていたが、その【好き】だと言う時の笑顔に皆惹かれ、クラスや学校の人気者。
友里は気遣い上手で友達思い、歌で友達100人等と言われるが友里はその数に届いていただろう。
そんな2人が居る学年は良い空気が広がりとても優しい学年だった。
だが6年生の冬休み。
友里ちゃんの家へ遊びに来ている優愛は、何故だが元気の無い友里にどうしたの?と声を掛ける。友里は首を横に振る。
そこに食器を洗い終わった友里の母、玲子が友里に寄り添い。
「友里ちゃんと自分から言わないと駄目よ?」
その声は嫌に優しかった。
だが、友里は俯いてしまい動かない。首を横に振りだした友里に玲子は。
「友里が言わないなら、お母さんが代わりに言うよ?」
それでも友里は俯いて動かない。
優愛が心配して声を掛けようと口を開けたが。
「優愛ちゃんごめんね?私たち3年間東京の方に引っ越すの、お父さんの仕事の都合で新しいお店を出すんだけど、落ち着くまではお父さんがお手伝いとして行くことになって、それについて行くことにしたの」
友里のため単身赴任にしようかって話も出たんだけど・・・と、玲子さんが話していることが、優愛には段々と遠く聞こえていく。
「優愛ちゃん?大丈夫?優愛ちゃん?」
玲子の声掛けにハッとする優愛。玲子さんに何か言わなきゃと考え無しに口を動かし始める。
「うん!大丈夫!3年間だけだもんね!優愛大丈夫だよ・・・・・・・・・」
おかしい、玲子さんを、友里ちゃんを、安心させなきゃいけないのに。
話しているつもりだ、だが、まだ小学生の優愛には言葉を紡ぎ続けることが出来ない。
優愛は自分が泣いていることに気付いていない。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、辛い、痛い。
優愛の知らない初めての感情、その感情の名前は多分、悲しさ、寂しさだろう。だが優愛は知らない。
まだ経験した事が無かったのだ。大切な何かを失うという事を。
その後心配した玲子は久遠家、優愛の家族に連絡を入れ、誰かにお迎えをお願いした。祖母が迎えに来、優愛を連れて帰った。
家に帰り両親になだめられ落ち着いた優愛、けれど、それから谷口家に遊びに行くことは無かった。
冬休み明けの始業日、優愛は直ぐに帰ろうと校門を出てすぐに足を止める。
震える声に呼び止められたから。
「優愛ちゃん」
優愛は後ろを振り向き、声の主の友里を見つけるが、その場から動かない。
だが、優愛の小さな身体が揺さぶられる。
友里は震えながら優愛に抱きつき離さない、小さな体で確かな力で優愛を。
2人は言葉も交わさずに泣いた。
それから小学校を卒業するまで久遠優愛と谷口友里は別れを惜しむように遊び、約束を交わした。
「帰ってきたらまた、沢山、沢山遊ぼうね!」
だが中学1年の夏には2人の関係は途切れてしまう。
読んでくれてありがとう♡
次からは高校生編だよ!☆