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久遠優愛と大切な人。  作者: こいきんぐ
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2章 【部活どうしましょ?】

もう続かないと思ってたでしょ?

私もそう思ってた。


全然前回覚えてねえよーって人は暇なれば、最初から?どうぞ!


「起立、礼。」

「「ありがとうございました。」」

「はい、お疲れさん気いつけて帰りなさいねー。」



担任の富山(とやま)の号令が本日の放課後の訪れの合図だ。

今日は2回目の月曜日、まだまだ学校の流れに身体を慣らしている時期である。



表情の無い少女は。

友里(ゆり)ちゃんと、部活見学を始める予定だなぁ。

なんて思い、ひとつ離れた席から、大事な親友が、窓際にある自分の席へ来てくれるのを待つ。


優愛(ゆうな)、部活何処見に行くー?」


表情の無い少女は、親友がやはり来てくれた事に、信頼と安堵の表情を漏らす。


「そうだねー・・・運動部は入りたくないかなー。」

「それは賛成ー、運動部は嫌いじゃないけど、部活みたいに真面目にやるのはちょっとね。」


ふむ。思案する2人。

ペラペラと、部活一覧が載ってある薄い冊子を、やる気なくめくる。


「優愛はそもそも部活に入りたい?」

「ん〜、どっちでもいいかなぁ。入るなら楽な部活がいい。」

「だねぇー、なら毎日じゃないの探してみよー。」

「そうだね。」


今度は冊子を目的を持ってめくり、吟味してゆく。


「ねぇ友里ちゃん?」

「ん?」

「お料理兼家庭科部、ってのはどう?週2、3回だってさ。」

「ほほぉ・・・悪くないですな。したら、行ってみる?」

「うんいくー。」




優愛と友里は4階にある自分達のクラスから、ひとつ上の階の家庭科室を目指す。

教室の戸を開けスグの階段を登り、吹き抜け穴の左側を通り更に奥へ。

全体的に四角い校舎だが、唯一伸びている道へと進む。生徒の教室がある階では番号の若いクラスがある位置となっている。


強く夕陽が差し込む廊下を少し進むと、家庭科室があった。

扉の中ではガヤガヤと数名の話し声が聞こえる。


扉を開けた。

・・・・・・と行きたい所なのだが流石に緊張する2人。


ささっ。


「ちょっと優愛さん。私を壁にしないで?」

「友里ちゃん・・・・・・!頼りにしてるから!」


(・・・・・・・・・やらねば。

この愛おしい親友に頼られ、引き下がれるはずもあろうか。

クッ!

肩に添えられた優愛の両手が、温かく心地よい。

じゃなくて。)


「もう。仕方ないなぁー。」

「ふふっ、・・・ありがと。」


(いける。天使の微笑みを受けた私ならばこの扉を(ひら)ける!)


吊り下げ式の扉を横へ開ける。


(あれ?なんか軽いな、ぁ?)


ゴトンゴトンゴトン。

えらく前後に揺れながら開かれていく扉。


「あら。」


えらく揺れた原因となった人と、目が合う2人。


「こんにちは・・・。」「・・・・・・こんにちは。」

「はーいこんにちは。いやぁ〜〜、良かった!良かった!今年は新入部員0かと思ってたところなんだよ〜。」


脱力するように、噛み締めるように言葉を吐いた、先輩であろう人は″緑″のネクタイをしている。2年生のネクタイである。


背丈は平均的で肩甲骨まで髪が伸びた、その先輩は、高校2年生にしては大人びて見える。

艶やかな口元と長い髪のせいだろうか。


「はい!あの、1年商業科の谷口です、体験入部しに来ました。」

「同じクラスの久遠(くどう)です・・・。」


うんうんと頷く先輩。


「私は──と思ったけど中に入って?他の部員の紹介もするから。」


促されるままに家庭科室へ入る。

8つの調理台、黒板の前に家庭科教諭が使う調理台。

何の変哲もない、家庭科とイメージすれば思い浮かぶ教室。

後方の扉から入った2人からみて、右奥の調理台に更に2人先輩がいる。

先輩達は教室端のドアにもたれかかって座り、話していた。


「あれ?()どうしたの?っと・・・・・・そっ!そのかわいい子達は!!」

「おっ!?芝居掛けてるねぇ()()〜。」


特に何も無いが身構えてしまう2人。何も無くても初めの頃は上級生は警戒してしまう、そんなものだ。


「そそ、体験入部希望の1年生なの。それじゃあ私達から簡単な自己紹介するわね。私は落合 楓(おちあい かえで)、お料理兼家庭科部の部長をしています。」

「はいはい!次は愛花ね。大垣 愛花(おおがき あいか)、ヨロシクね!テンションは今は無理あげてるよん!」

「私は榛名 日和(はるな ひより)、みんな2年だから、よろしくね。」


タレ目なちょいギャル系の愛花に、地味目美少女な日和、高校生とは思えないお姉さん感を出す楓。

なんと恐ろしい空間なのだろうか、新入生男子に見つかると瞬く間に噂が広まりそうだ。


「じゃあ次は君たちの番ね、簡単でいいから。緊張しないで。」


「1年10組商業科の、谷口友里です。料理はした事無いです!」

「全く?」

「そうですね、家では全く。」

「へぇ〜、でも珍しくもないか。」


部長の楓がチラリと目配せ。


「同じクラスの、久遠優愛です・・・。」

「あれ?それだけ?」


日和がキョトンと首を傾げる。


「あの、じゃあ料理はたまにします・・・。美味しいかは分からないですけど。」


日和は何も言わず満足そうにうんうん、と首を振っている。


「では、自己紹介も終わりましたことですし今日はこれで終わりとなります。と言うのもこの、お料理兼家庭科部は、火曜日、木曜日、土曜日の週3日が活動日だからです!ですので、明日またエプロン等があればそれを持参して来て下さいね。」



―――――――――――――――――――――――


プシューーー。ゴトンゴトンゴトン。カーンカーンカーンカーン。


「・・・・・・・・・エプロン無いな。」

「私は自分の持ってる。」

「んー、お母さん流石に引越し荷物に入れてきてるよね・・・。」

「無かったら多分、お母さんのお古が残ってるかも。」

「道子さんのエプロンかぁ、無かったらお願いしようかな。」



――――――――――――――――――――――


カラカラカラカラ。シャーー。キィッッ。



「「ただいま〜。」」





お疲れ様です。ありがとうございます。


さて、次回は2本持ってる作品どっちを書こうか・・・迷いますね。どっちがいいですかね?気が向けばコメント下さい。

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