2章 長く短い高校生活の始まり。
いつになったら通常授業を始めるのか。。。
話まとめてから書いてないんでエンドレス脱線。
「おはよう。」
目が覚めた久遠優愛は声の主谷口友里が視界いっぱいに映っていることにデジャビュを感じる。
てか、昨日の昨日位にあった気がする・・・。
「友里ちゃん・・・まだ眠いから・・・。」
「待て待て、布団に逃げるな。」
「やめて、私から布団を取らないで。」
「もう時間だから!学校だから!!」
掛け布団を巡っての揉み合いが止まる、優愛が諦めたように掛け布団から手を離す。
「そういえば学校始まったんだったね。」
「そうそう、だから起きて着替えてご飯食べていくよー。」
友里は既に制服を着ている、前日に翌日の準備を完璧に終わらせてから床につくタイプだろう。
優愛は日によってマチマチだ、えらく寝起きの良い日もあれば今日みたいな日もある。
優愛が支度を終わらせて、畳張りの居間に到着すると、既にご飯を食べている友里、そして2人の両親も食べていた。
「おはよう。」皆に朝の挨拶をされ、それに応えつつ席に着く。今までの生活と違い谷口家が越してきてからは炬燵机に更に長テーブルを横付けしている、これからはこれで行くのだろうか?等と考えながら、いただきます。とご飯に手をつける。
「優愛ちゃん随分遅かったね?」
「寝ぼけてました。」
「うちの子寝ぼけてる事が無くてねぇ、可愛げが無いわ。」
「何言ってるの善子、そんな可愛げは要らないに決まってるでしょー?」
この親戚が集まった時のような会話は子供達からするとなんとも言えぬ面倒臭さがある。
黙々と食べていた男達が先に食器を片付け、優愛の父譲は庭へ、友里の父太一は居間に掛けてあったスーツを羽織り、「行ってきます」と玄関を出て原付を走らせて仕事に向かった。
「あんた達もそろそろ時間よ、早く食べちゃいなさい。」
朝ご飯を食べ終わった2人は、教科書の詰まった重く、真新しい鞄を自転車のカゴに載せ家を出る。
土手にあがり、殆ど散ってしまった桜並木を見て。
少し寂しいと感じた優愛。
来年が楽しみだと思った友里。
それぞれの心持ちで。通常授業が始まる今日の通学路を進んで行く。
電車に乗ったが今日はかなり混雑している。というよりは、普段はこれくらい混んでいる、ギリギリストレスにならない程の間隔で人が立っている、この時間の通学では座れなさそうだ。
「そういえば私今日1限目のホームルームで1人だけ自己紹介しないと駄目なんだった・・・。」
「そういえばそうだったね。」
「なに話せばいいかな?」
「なに話したか覚えてないけど、名前となにか一言じゃない?」
「そうだね、そうしとく。」
最寄り駅を降り踏切を渡ると、五月商業の教員達が各々並んで挨拶をしている。「おはよう。」と挨拶されたので「おはようございます。」とそつなく返事をする。
それを学校までの商店街を抜けるまで繰り返す。これが日常になるのだろうか?
そして、校門ではかなりの数の教員が朝の挨拶運動を行っている。上級生の1部は仲の良い教師と世間話に発展させていた。
それをくぐり抜け教室へ。
教室に着くとまず時計を見る、8時10分。
クラスの過半数が既に登校している。
「そういえば私の席どこなの?」と言う友里を始業式後のホームルームで空いていた席へ案内し、席へ着く。
とすぐに鞄を置いた友里が席を1つ超えお喋りしに来た、優愛はフワリと嬉しい気持ちが顔に出ている。友里にバレていないだろうかと思いながらも静かな教室で、小さな声でお喋りをした。
8時半になると担任が教室まで来て点呼をとり教室を出て名前順に並べる、毎朝の朝礼の為に体育館まで行くというなんとも面倒な事をする。
新入生関連の事をあーだこーだ聞き朝礼を終え帰ってきた。
月曜1時限のホームルーム、担任の富山が号令をとる。
「えー、皆さんおはようございます、今から各委員を決めたいと思います。が、その前にまだ自己紹介してない人が居てるんでどうぞ。」
唐突で少々雑な振りに戸惑いつつも最後列から教卓へ向かう友里、クラスの控えめな視線が集まる。
富山の方を一瞥するとコクリと頷きが帰ってくる、なんじゃそりゃ。
「えっと・・・谷口友里です、始業式は色々あって到着間に合わずでしたが、その・・・あー、3年間よろしくお願いします。」
色々言おうとしたが、まとまらなかった、富山の雑な振りのせいにしよう、そう思いながら席へ戻る友里。
その後委員を決めようとするが、立候補者が出なかったので、富山がテキトーに決めるが良いかと聞いてきたが、特に反論が無かった(というか入学そうそう意見は勇気がいる為誰も言い出せなかったが正しいか)。
「まずは、委員長副委員長は、1番青山くんと5番久遠さん。」
えっ?嘘でしょ?名前を言われドキリとしたがもうどうしようもない・・・・・・。
両端の列と真ん中の列は少しずつ隣より後ろにズレているため横を向くと百合の列まで見える為、縋る思い出で友里に視線を向けると。
・・・・・・・・・ねぇ・・・・・・ホントに?友里ちゃん笑ってるよね?それ笑ってるよね?
友里は顔を隠すように手で覆い小刻みに震えていた。
「風紀委員は、10番新藤さん。」
読者モデルをした事がある女の子の肩が少し落ちる。
それとは別になにか嫌な予感を感じ取った友里は、さっきまでとは打って変わり、不安そうにこちらに視線を向ける友里。
「美化委員は、15番谷口さん。」
優愛は思わず吹き出しそうになったのを堪え、友里に視線をチラリ。どういう感情なのか、困りながら怒った顔でこちらを見ていた。
優愛は逆を向き声を殺し肩を震わせた。
「図書委員は、20番福井くん。」
露骨に嫌そうな顔をしていたが、富山は気にとめない。
「体育委員は、25番従野くん。」
そんな気はしていたのだろう、驚きはしないが隣の席の福井と顔を合わせていた。知り合いなんだろうか?
「えー、私が独断で決めさせてもらいましたが、半年間はこれで行きますんでしっかりと委員会活動をお願いしますね。」
富山の話を聞きつつも、副委員長という大きめの役割を充てられてしまい、どうしようかなどと考えたが、成すようにしかならない、優愛は考えるのを辞めた。
お疲れ様です。読んでくれてありがとう☆
モチベーション足りないマンですがのんびり続けていきますね!