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01.悪役令嬢転生+チートですか!?

いつもと変わらない日常

庭を駆け回り遊んでいた5才最後の日...私は突然の大熱と頭に流れ込む誰かの記憶に意識を奪われた



***************


目が覚めたのは次の日でその時には熱も引いていた

家族や使用人達は私が無事に回復したことを大喜びし医者は私の驚異的な回復力に驚いた



「旦那様...これは奇跡と言っても過言ではありませんよ!!あの大熱がこれほど早く引いただけでなく、まるで、倒れたのが嘘のようなご様子...この回復力の高さは今でも信じられないくらいですよ」



「私も驚いたよ...何の異常もなく目を覚ましてくれるなんて。きっとこの娘は神に愛されているに違いない」



にこりと笑いながら父様は私を撫でる

そんな父様には悪いけど、私は『異常なく』目覚めたわけじゃない

私は、この大熱で前世...『白嶺(しらね) 椿(つばき)』としての記憶を思い出していた

しかも、最悪なことに私が転生したのは私がしていた乙女ゲーム『恋愛勇者』に出てくる悪役令嬢...ルナ・レイモンド


よりにもよって!なんでこのキャラ!?

国外追放当たり前!最悪、処刑までされてしまう絶望的なキャラに転生って罰ゲームかよ!!?

このゲームもうすぐ新キャラ追加するから重課金してレベルはMAX、装備も完璧にして楽しみにしてたのにまさかの仕事&ソシャゲの走りすぎで過労死するとか…ほんとに笑えない!!



この悲しみと怒りを今すぐ枕にぶつけたかった

しかし、まだ周りには家族や使用人達がいる

私は必死になって営業で鍛え上げた表情筋をフル活用させ続けた



数時間後、医師から1週間の絶対安静を言い渡されると皆も仕事に戻っていった


ようやく、一人の時間(正確にはメイドさんが一人いるけど)を手に入れた

とりあえず、寝るふりをしながら今後について考えることにした

まずは、『恋愛勇者』の内容とキャラの確認から始める


恋愛勇者は平和だった世界に突如魔王が現れ魔物が急増する

これを『大厄災』という

当時、8歳のだった主人公は魔物に両親を殺され親戚の下級公爵家の養子に入る

その後、主人公は15歳で魔法学校に入学し魔王討伐を目指す

その中で出会うのが攻略対象達、彼らとの確かな絆を築いていくという話だ


このゲームの難しところは、攻略対象ばかり構い訓練(身体強化のミニゲーム)をしないと魔王は倒せずBADエンド

かといって訓練ばかりしていると攻略対象達との絆は深まらず大団円エンドになってしまう

最初は難しいしレベルが上がりにくいが、レベルやアイテムは次に引き継げるし課金アイテムを使えばレベルも少し上がりやすくなる

ちなみに、私はレベ上げにアイテムは使わない派なのでこれは買っていない



攻略対象は全部で6...いや、8人いる



一人目は、この国の第二王子である

『シエル・ミュゼラルガ』

天使の様な見た目と優しい態度

まさに女性達が夢見る王子そのもの

しかし、好感度が高くなると、実は他人と心を開くことなくいつもの態度は演技だったという衝撃の事実を主人公にだけ話してくれる

その後も、上げ続けると主人公の前でだけは本当の自分でいてくれるというキャラだ


このキャラはルナ・レイモンドの婚約者である

ここからが重要だ

ルナがどんな未来になるかは、主人公と王子の絆の強さに関係する

絆の大きさが弱くても、婚約破棄

少し強いと地位剥奪(ちいはくだつ)

強いと国外追放

絆がMAXにいくと処刑されてしまうのだ


なぜ、絆の強さに関係するのか...それにも理由がある

それは、主人公が王子と仲良くなるたびにルナの行う嫌がらせの度合いが強くなるから...

悪口を言ったり物を隠すのは序の口で最終的には主人公を殺そうとする

その報いとして処刑が行われるんだ

正直、私も初めて見た時ここまでする?ってドン引きしたくらい


とりあえず、彼の対処法は『婚約者』にならないこと

そもそも、王子とルナの婚約はルナのわがままで決まったことだし、私が何もしなければ大丈夫のはず!



二人目は、騎士団長の息子

『ジーク・ガリバーン』

強い父に憧れ、自身も騎士団長を目指して頑張っている

無口で仏頂面(ぶっちょうづら)だけど、優しい

正義感がとても強い

主人公とは剣術の練習を一緒にする中で仲良くなる

ルナは主人公が剣術の練習に行けなくなるように色々なことをしてくる

最終的にそれがジークにバレて国外追放

実に呆気ない最後だと思う

この対処法は簡単、主人公とジークの練習の邪魔しなければいいだけだし、さらに不安なら遭遇を控えれば良いだけだ




三人目は、主人公達が入学する学園の学園長の息子

『フラン・ルビニアス』

女の子のように可愛い

人見知りでいつも本ばかり読んでいるが、魔法オタクなので魔法の事になると饒舌(じょうぜづ)になる

ゲームでは、ルナにからかわれているところを主人公が助けて仲良くなるから...対処法はからかわない!

というか、魔法について詳しく知りたいから少し仲良くなりたいなんて思う

まぁ、彼と関わると国外追放の可能性が高まるからそれは無理なんだけど...




四人目はルナの幼馴染の一個上の先輩

『リュカ・ジュラルミン』

リュカは優しく頼りになるお兄さんキャラ

過去にルナに酷いふられ方をして以来、恋愛には奥手

ルナはリュカを自分の彼氏にして主人公を悲しませようとしたが、リュカに逆にふられた挙句、今までのことが明るみに出て地位剥奪...


彼だけは既に会っている

今のところ、世話の焼ける妹分みたいな扱いだから大丈夫だと思うんだけど...

とりあえず、今後も妹ポジを死守に力を尽くすことにする



五人目は他国の王子

『レオン・バルザリオン』

俺様で狙ったものは逃がさない主義

主人公が自分の言うことに歯向かったことで興味を持つ

ちなみに、このルートだとルナはこの国どころかレオンの国まで国外追放になってしまう

レオンの対処は、関わらないのが一番だけど...絶対不可能な気がするから今後しっかり対策を練る予定



六人目は主人公の幼馴染

『カイン・ニズル』

明るく元気なだけでなく面倒見を良い

小さい時から主人公が好きなことをずっと隠し生きてきた

学園に入学したのも主人公が心配だったからという理由

完全にルナの出る幕はないのに、このルートでもやっぱりルナは出てくる

主人公を監禁した罪で地下牢獄に幽閉されてしまうんだよね…


というか!このルートくらい応援してやれよ!

幼馴染だよ!?ゲームでは結構終盤まで隠してた感でてたけど、どう見てもカイン主人公にベタ惚れだったじゃん!!

庶民同士の恋愛くらい暖かい心で見守れよ!!?



最後に七人目と八人目

これは新キャラで情報が一切ない

公式は姿や名前すら公開していなかったから本当に何もわからない

ここが大型アップデート前の世界なら問題ないのだけど、アップデート後なら非常にまずい

でも、対策のしょうがないからどうすることも出来ない…



ここまでの話でよく分かる通り

どのルートでもルナは主人公を妨害する

理由はひとつ『自分より目立つ主人公が気に食わない』から



...そんなしょうもない理由であそこまでする!?

まぁ、妥協して王子の時は婚約者だから分かるとして他のキャラの時出てくんのおかしくない!!?

しかも、どのルートでもルナが平和に終わるルートは一つもない

運営さんルナのこと嫌い過ぎだろ!

ライバルは一人につき二人なのは、良しとして全部ルナに丸投げするなよ!?

面倒くさがりか!?



ツッコミたい事はまだまだあるけど、とりあえず内容とキャラの確認それの対処法までは一応終了


次は今後のことを考えなきゃいけない

現在、私は6歳...主人公も同い年のはずってことはあと、1年後には大厄災が始まるということだ


あと1年...あと1年でどうしろと!?

せめてもう1年前か大厄災が終わった後に記憶を思い出したかった...


愚痴るだけでは何も進まない

国と家族を守るには早急に対処法を考えないといけないのだ

私の知っているゲームの設定通りの未来になるかは分からないがやれることはやるべきだ

そう考えるとやはり必要になるのは権力と財力

しかし、親が有名な上級貴族だとしても子供のルナにはない

親に頼ればなんとかなるかもしれないが、倒れたばかりの私が言えば、気が狂ったのか?と疑われる可能性の方が高い

だから、私は自分一人で何とかしなければならない



はぁー、無理ゲーじゃんか〜

せめて、記憶だけじゃなくステータスやアイテムも引き継げてたらな...



試しに小声で


「ステータス」


と言ってみる

すると、目の前にステータスが浮かび上がった



「うひゃあ!?」



「どうかされましたか、お嬢様!!?」



突然の出来事に驚き飛び起きる

もちろんステータスは開いたまま

それを私の声に驚いて駆け寄ってきたメイドに見られてしまった



やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい...



冷や汗が止まらない

なんでステータスを開いていたのかなんて聞かれた時の言い訳を必死で考える



「お嬢様、大丈夫ですか!?やはり、もう一度お医者様をお呼びした方が良いですか??それともご家族の方をお呼びするべきですか???」



メイドは慌てて私の額の汗を拭いながら慌てている

しかも、ステータスについては一言も言わないしステータス出ている場所を見ることもない


もしかして…『ステータスは人には見えない』?


確証はないがとりあえず、メイドを安心させないと他のみんなにも余計な心配をかけてしまう



「大丈夫、怖い夢を見てびっくりしちゃっただけ!心配してくれてありがとう!!」



「いえ、主を心配するのはメイドとして当たり前の事です!何か欲しいものや困ったことがあったらすぐに言ってくださいね?」



私がきちんと受け答えをしたことに安心したのかメイドは離れていく

それを見届けて再び横になる

そして、しっかりとステータスを読んだ



〈ステータス〉


名前:ルナ・レイモンド


種族:人間?


Lv測定不能


スキル

「状態異常無効化」LvMAX

「低級魔法・攻撃の無効化」LvMAX

「身体強化」LvMAX

「超回復」Lv8

「鑑定」 Lv3

「魅了」Lv2

「気配察知」Lv8

「気配遮断」Lv7

「探索」LvMAX


称号

「転生者」

「***の卵」




...は?

待て待て待て待て!言いたいことが色々ありすぎるんだけど!?

初めからやばいじゃん!!『人間?』って嘘でしょ!!?

確かに、ゲームではLv99以上上がらなかったからLv測定不能の時点で少しおかしいと思うけど!!

これがもし他人のステータスならお前が魔王じゃね?って思うけど!!!

お願いだから、?はやめて!

あと、称号思いっきり『転生者』って書いてあるじゃん!

絶対見られたら変に思われるやつじゃん

それと『***の卵』って何!?

えっ?まさか魔王?魔王なの!?

感じだと二文字だし違うよね!違うよね!!

...一旦落ち着け〜深呼吸、深呼吸...



ステータスのあまりのチートさに我を失いツッコミ続ける

今更ながら、ステータスなんて見なければ良かったと後悔してしまう

深呼吸をして落ち着いたところある事に気がついた

それは

『ステータスが引き継がれてるならボックスも引き継がれてるのではないか?』

ということ

試しにステータスと同じように小声で


「ボックス開け」


と言ってみた

すると、目の前に小さい円形の歪みが出来た

やはりというかなんというか...もう言葉もない

とりあえず、その歪みに手を突っ込む

それと同時に、入れていたもののリストが頭に浮かび上がった

ステータス同様、アイテムも全て引き継がれていた

その中のアイテムの一つに目が止まる

それは『制約の鎖』名前は硬っ苦しいが見た目は綺麗な水色のブレスレットだ

この指輪の特徴は付けたもののLvを付けている間だけLvを指定したキャラ3人の平均レベルまで落とすというもの

ゲームでは始めた最初くらいしか使わないくそアイテムだけど、今の私に1番必要なアイテムだ

これさえつければ、普通の女の子になれるしLvを戻したかったらこれを外せばいい

適当にメイドと執事を指定して、さっそくつけてみる


再び、ステータスを開き確認してみる


ステータス


名前:ルナ・レイモンド


種族:人間?


Lv15


(以下略)



となっていた


あぁ...Lv下がっても人間から?は消えないんですね...

まぁ、分かってましたけどさー

というか平均Lv15ってマジかよ...

Lv30くらいは欲しいなとか思ってたけど、そうだよね...普通そのくらいだよね...

というか、大人3人を選んだから子供ならもっと低いはずだよね


一応、Lvの問題の高さは解決したものの朝からずっと考え事で頭が痛くなってきた


寝たら、夢でした〜とかなんないかな...

いや、なんないよな〜



疲れ切った私は、現実逃避するため静かに瞼を閉じて眠った


性懲りも無く新しいものに手を出していくココナツです

出来るだけ、更新期間は短くなれるように頑張りますので!読んでもらえると嬉しいです!!

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