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心を癒す万屋さん  作者: 藤城亜琉
3/5

「瑞希~おっはよ~」


「おはよう。」

友人の一人と挨拶を交わす。

友人といっても上っ面だけのトモダチ。

私は静かに自分の席に着き、本を開く。

学校も嫌。

家にいるのも嫌だけど、学校に居るのだって嫌で嫌で仕方がない。


だけど、義務教育という名の鎖で繋がれているから抜け出せなくて。

早く卒業したい、と思う。


***


朝の朝会も、十分休憩も、無意味だと思う。

(何で皆楽しそうなのだろう?)

群がる集団を見ながらいつも思う事。

別に授業がしたい、とかではない。


「はあ、」


三度目の溜息。

「溜息をつくと幸せ逃げるんだよー?」

甲高い声が頭上に降りかかる。

顔を上げれば友人の一人の佳那かなだった。

可愛らしい顔立ちで男子に人気な女の子。


「そうだね。」


「もー、瑞希ってちょっと無愛想ー!」


ツンツンと頬を指で突いてくる佳那に苛立ちを覚えながらも、

笑顔でさりげなくやめて、と言う。

連れないなあっ、と頬を膨らます佳那に嫌悪感を抱く。

私はこういう人種が大っ嫌い。


「あ、そういえば知ってる?」


「何?」


「あー、でもなー、どうしよっかなー」


早く言えよ、とイライラする。


(言うの?言わないの?どっち!?)


だけど笑顔を絶やさない私は凄いと思う。

この作り笑い、褒めてくれてもいいんじゃないかって思う。


「じゃあ、言うねっ?」


「うん。(言うんなら、さっさと言えばよかったのに…!)」


本当にイライラする。

心の中で毒を吐く。


「噂なんだけど、心の傷を癒してくれるお店があるんだってー!」


「は・・・?」


何それ。

意味が分からなかった。

佳那は私の表情を見て、噂だけどねーと言った。

噂にしてもふざけてる。


だけど、


私はどこかで抱いていたのかもしれない。



―――――――――期待を。






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