黒猫のお話
最近、エッセイばかりですみません。
って、前の「トワイライト・ライダー」でも書いてた気がします……(汗)
今から私は、ここで黒の話をしていく。
上の文を見ただけで「ああ、黒ね」と分かってくれる人は、いつも私の作品を読んで下さっている人か、はたまた私の親しい友人か、そのどちらでもないとしたら黒本人だろう。
黒は「親しい」友人ではない。私自身はよく話す友人だと黒を認識しているが、向こうはそう思っていないに違いない。黒は人があまり好きではないらしいからだ。
そもそも、なぜ「黒」なのか。私が書いた詩に「獅子山 深紅のRPG」というものがある(他作品参照)。そこに奴は一度出てきた。黒い怪人、略して黒だ。
でも、最近はちょっと違う。前は確かに「怪人」の扱いだったのだが、最近は違うものに見えてきた。
タイトル通り。そう、黒猫だ。
猫はなかなか人に懐かない。黒はもっと懐かない。
猫は気まぐれに出歩く。黒は気まぐれに意見を変える。
猫は気に入らない奴を威嚇する。黒は気に入らない奴に目潰しを食らわす。
猫は闇夜で目が光る。黒は眼鏡が光る。
ほとんど悪口になってしまったが、黒は決して悪い奴ではない。少なくとも私は、数回「○ね」と暴言を吐かれたが、それでも黒を嫌いにはなれなかった。多分、ちょいちょい中途半端に良い奴だからだ。まあ、良い奴じゃなくなったら嫌いになるかといったら、何だかそうでもない気がするが。
それに、私自身猫は好きだ。
話を戻す。黒のどこが一番猫っぽいかというと、何を考えているのかわからない所だ。
あいつの思考は本当に読めない。楽しそうに話してくれていたかと思うと、次の瞬間目潰しの二本指が飛んで来たりする。芸術家には情緒が不安定だったりする人もいるという。黒もそれかもしれない。奴の才能は、尊敬に価する。
だから、黒と正面きって話すのはちょっと緊張する。いつ怒らせてしまうか、いつ傷付けてしまうか分からない。しかも「今のは言い過ぎたか? 謝るべきかな」と思って顔を見ても、怒っているかどうか判断できない。非常にやりにくい。
けど、それでいいと思う。ケンカし、謝り、謝られてつけあがった黒が意地悪を言ってきて、笑いつつ暴言を吐く。向こうはどうか知らないが、私はそれが楽しい。
でも、やっぱり面と向かうと何が口をついてしまうか分からない。それに向こうも、こっちをまっすぐ見てくれているなぁとか思っていると実は睨まれていたりする。
だからどうか、あっち向いててくれ、黒猫。このバカ駄作者が、変な期待を持たないように。
とか言っても、どうせ黒は黒だ。餌が欲しければ近寄り、用がなければ塩対応だろう。でもそれでいい。黒が黒でいれば、私はどうあしらわれようと構わない。むしろ黒が良い奴になったら気持ち悪い……ような気がする。
何が書きたいのか分からなくなってきてしまった。とりあえず、黒がどういう奴なのかはざっくり伝わったはずだ。
ちょっと前、黒が私にエッセイを依頼してきた。「一年半一緒にいても理解できないアイツ、みたいなの頼む」と。喜んで書いてみたが、あれだけ訳の分からない奴のことが読み切りで収まるはずがなかった。だからこれは連載にして、じっくり書いてやろうかと思う。
その記念すべき第一話がこの有様である。読者の皆さん、ゴチャゴチャしていて大変申し訳ない。
あと許せ、黒。