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[六章] 安らぎ

城を出て、町の広場に出たレオンたちは、ひとまずベンチに座りこれからのことについて話し合った。アリサは地図を広げ、次の目的地について話した。


「では明日からの進路を考えておきましょう。ここから一番近いところはラテの牧場ですね。そこで一旦休憩をとってから、その先のフーラ王国へ向かいます。」


「そこで次の神殿の情報を集めるんだな?」


「はい!おそらく次の神殿はこのフーラ王国の近くにあります。見つけ出して祭壇を鎮めましょう!レオンさんたちもよろしくお願いしますね?」


「もちろんさ!僕もなるべく情報を集めるよ!」


レオンが活き込んでいると、ルナがレオンを茶化すように話しかけてきた。


「気合入れるのはいいけど、勢い余って転んだりするなよ?」


「はは、大丈夫だって!」


そんな話をしていると、アリサが上を見上げながらレオンたちに話しかけた。


「こうやって、みんなでゆっくりするの、初めてですね。」


「そうだな。まだまだ始まったばかりだけど、いろんなことがあった。アリサやルナ、ミーナがいなかったら、こんなこと考えることもできなかったよ。」


「そうだね。アタシたちも、レオンが居なかったらここまで来れなかったかもしれないな。」


「そうなのか?」


「あたしも!レオンおにいちゃんがいたから楽しく旅ができたんだと思う!」


レオンは嬉しくなった。レオンは自分がこの仲間の中でとても重要な人間だと再確認できたのだ。


「みんな、ありがとうな!」


「はい!これからもよろしくおねがいしますね!」


レオンは皆に感謝をすると、もう夕方になるころであった。


「みんな!もう夕方だよ!お城に行こ!」


そう言ってミーナは城の方へ走り出していった。


「やれやれ、あの子はまだあんな元気があるよ。アタシたちにも分けてほしいくらいだね。」


ルナは呆れながらも城へと歩き出した。レオンとアリサも、夕焼けに染まるルナとミーナの後ろ姿を見ながら城へと向かった。そんなレオンたちの様子を、後ろから静かに眺めている旅人のような姿の剣士がいた。


「あいつらが祭壇を鎮めたのか。」


剣士はレオンたちが気になるようであったが、特になにもせずその場を立ち去った。



レオンたちは城へと戻ると、城に仕えるメイドが食事の場所へ案内してくれた。案内された部屋に入ると、広い部屋の中央に大きなテーブルが置かた場所で、テーブル上にはこれ以上置き場がないほどたくさんの豪華なディナーの数々と、テーブルの奥の席に座っている国王が出迎えた。


「うわーっ!すごーい!!」


ミーナが歓声を上げると、国王が笑顔でレオンたちを席へ案内した。


「皆の席はこちらだ。今日は目いっぱい食べていきなさい。」


「はい!ありがとうございます!!」


アリサがお礼を言って、レオンたちが席に座ると、一同は早速豪華なディナーを楽しむことにした。


「いただきます!!」


レオンたちはディナーを食べながらたくさんの話をした。神殿や海賊たちとの戦闘のことや、町でみた店の話などをしていたら、瞬く間に時間が過ぎていった。テーブルの上の料理がほとんどなくなったところで、レオンたちは満足して食事を終わらせることにした。


「ごちそうさまでした!!」


「ふぃー、あたしおなかいっぱーい!」


「こんだけ食べたのはほんとに久しぶりだねぇ!」


ミーナとルナが満足そう言って部屋を出た。豪華なディナーを楽しんだ後、国王から城の中の客人用の寝室までも貸してもらえることとなり、レオンたちはそこで一晩を過ごすことにした。その夜、アリサは寝室へ入る前に、国王と書斎へと向かった。食事の後、国王はアリサにフーラ王国の近くにあるという神殿の話を聞かせることを約束していた。アリサが書斎の椅子に座ると、国王は一冊の本を持ってきた。


「国王様、その本は?」


「フーラの伝承を記した本じゃよ。読んであげよう。」


そう言って、国王はアリサにフーラ王国の伝承を読み聞かせた。


「はるか昔、海の世界が生まれてから50年ほど過ぎた頃の話、フーラの国の起源とされる少数の部族が、風を生み出すマナを発見した。そしてその部族はそのマナを糧に大きく発展し、大きな国となったのだ。海の世界には風が存在しなかった。なので様々な国が風のマナを欲しがったが、その部族はだれにも風のマナを渡すことはなかった。」


「風のマナを独占したかったのでしょうか?」


「そうかもしれん。しかし悪用されたくなかったとも思える。」


アリサの質問にも自分の考えを持って答える国王に、アリサは感心した。


「続けよう。風のマナの提供をかたくなに拒んだため、ついにとある国が攻めてきたのだ。しかし風のマナを持つ部族は、その力を最大限に発揮して、敵味方共に一切の犠牲者を出すことなく、攻めてきた兵士を追い払うことに成功したのだ。それ以降、その部族はさらに国を発展させ、風のマナの宿った石を守り神が宿った神器として丁重に祀ったという。」


「フーラの国はすごい歴史を持っているんですね!」


「そうじゃな。マナの恩恵を一番受けているといってもよいじゃろう。そして、この神器が祀られた場所というのが、君たちの目的でもある神殿なのじゃ。」


「神器が祀られた神殿・・・・・。」


アリサは伝承を聞いて、少しだけフーラのことについてわかったような気がした。国王は本を閉じて、元の本棚に戻した。


「この本に書かれていることはこれだけじゃ。あとは、フーラの人間に聞けばなにかわかるはずじゃ。」


「はい、ありがとうございます。このお話をもとに聞いてみます。」


「うむ。さて、明日は早いのじゃろう?今日はもう休むといい。」


「はい、ではこれにて失礼します。おやすみなさいませ。」


アリサは国王に一礼して、書斎を出た。



アリサは用意された自分の寝室に戻り、窓からすっかり暗くなった町を見ていた。そして、この海の世界にはたくさんの歴史があることを改めて思った。コラルの町でもらった本に記された海の世界誕生の歴史、そしてフーラの伝承。様々な事柄が、この海の世界を生み出したのだと、改めて実感した。


「私も早く寝なきゃ。」


レオンやルナ、ミーナはすでに寝ているようなので、アリサも眠りについた。次に行くフーラ王国や、まだ見ぬ海の世界の土地に期待を膨らませながら。深い眠りについたアリサは、不思議な夢を見た。


「・・・・・!」


アリサは水中に人間の姿のまま漂っていた。そしてアリサの目の前には、胸の前で両手を組んで、まるで祈りをささげるような姿の女性がいた。アリサはその女性に声をかけようとするも、声が全く出ず身体もほとんど動かせなかったので、ただ見ていることしかできなかった。そうしているうちに、アリサの視界が無数の泡で包まれ、何も見えなくなった。その刹那、祈りをささげる女性が何かを言ったような気がしたが、なんと言ったのかはアリサにはわからなかった。



物語を地上に移し、朝となったクオーリアにいるユンは、リルカのために朝食を作っている最中だった。おいしそうな匂いに誘われるように、リルカが二階の寝室から降りてきてダイニングキッチンに入ってきた。


「おはようございます!なんだかおいしそうな匂い・・・・・。」


「リルカちゃん、おはよう!今ね、朝ご飯のたまごスープがもうすぐ出来上がるから、テーブルに座って待ってて?」


リルカはテーブルの椅子に座り、朝食が出来上がるのを待った。ほどなくして、ユンがリルカの前にたまごスープと一枚の焼いた食パンが置かれた。ユンも自分の分の朝食を持ってきて、2人で朝食を食べた。


「いただきます!」


リルカがスプーンでたまごスープを一口飲むと、とても感激したような表情で言った。


「とてもおいしいです!こんなにおいしいスープ、初めてです!」


「ふふ、ありがとう。リルカちゃんの住んでたところではどんなものを食べてたの?」


「はい、本当に貧しい村で、なにか食べる物を探すだけでも大変でした。」


「そうだったの・・・・・。でもここなら大丈夫だよ、だから安心してね?」


「はい!私、ユンさんに助けられて本当によかったです!」


2人は会話を交わしながら朝食を取り、ほどなくして朝食を終えた。


「ごちそうさま!」


ユンは食器を片づけ、ショップへ行く準備をしながらリルカに言った。


「そうだ、オーナーがリルカちゃんにも話があるって言ってたから、一緒に行こう?」


「はい、わかりました。」


リルカはユンにショップまで連れてきてもらい、二人でショップの中に入った。そこにはカウンターでいつものようにコーヒーを飲むオーナーの姿があった。


「おお、来たか。まぁ2人ともこっち来な。」


オーナーに呼ばれてカウンターの椅子に座り、オーナーの話を聞いた。


「実はな、リルカにもショップを手伝ってもらおうと思うんだ。何もしないよりはいいと思うんだが、どうだ?」


突然のオーナーの誘いだったが、リルカは迷うことはなかった。


「は、はい!私でよければ手伝わせてください!」


「ほう?すっかり元気になったもんだ。」


「リルカちゃん、大丈夫なの?」


「はい!お二人には助けてもらった恩がありますから!」


「よし、決まりだな。」


リルカはオーナーにエプロンを貰い、それを付けると、さっそく仕事が始まった。といってもその仕事は時々来る客の対応と、商品の整理と掃除くらいで忙しくもなく、むしろ暇なほどであった。


「あの、このお店はいつもこんな感じなのですか?」


「ああ、そうだな。これでも昔は結構客入ってたんだがよ、ほとんどは南のショップに取られちまってな。レオンがいた頃はあいつがいろいろ客寄せとかやってくれたんだがな。」


客寄せという言葉を聞いてリルカはピンときたようにオーナーに話しかけた。


「あの!私が客寄せします!南ではそういうことしないんですよね?」


「あ?ああ、南のショップは黙ってても客が入るからな。リルカ、やってくれるのか?」


「はい!お店が繁盛するように頑張りますね!」


リルカが活き込んでオーナーに話す姿を、ユンは微笑みながら見ていた。自分に妹ができたような気持になり、とてもうれしくなっていた。


「そうだ、ちょうどいいものがあった。」


オーナーがそう言って店の倉庫からなにやら猫のミミのようなものが付いたカチューシャを出してきた。


「オーナーさん、それは?」


「とある猫愛好家が作ったカチューシャだそうだ。リルカ、つけてみろ」


オーナーに言われた通りリルカはネコミミのカチューシャを付けてみた。そうすると不思議なことに、リルカの顔がなんとも愛らしくなったような気がした。


「ふむ、なかなか客寄せには持ってこいな顔になったな。ユンはどう思う?」


「私もかわいくていいと思います!」


「えへへ・・・・・。」


リルカは2人に褒められて嬉しくなった。さっそく店の前で客寄せを始めたリルカ。とりあえず豊富な品ぞろえとお菓子を宣伝することにした。


「いらっしゃいませー!豊富な品ぞろえをおいしいお菓子のあるショップですよー!」


リルカが両手を振りながらアピールしていると、ショップの常連の男が来た。リルカは男に向かって店の宣伝をした。


「あ!豊富な品ぞろえとおいしいお菓子のあるショップですよ!いらっしゃいませー!」


「ははは、あのオーナーもいい子を見つけてくるじゃないか。」


男はリルカに笑顔で手を振りながらショップへ入っていった。リルカはこれで自信がついたのか、どんどん客寄せをするべく声を上げてショップの宣伝をしていった。そして日は落ちてショップも閉店の時間。ユン、リルカ、オーナーの3人でカウンターでコーヒーを飲んでいた。


「リルカ、やるじゃないか!こんなに客が来たのは久しぶりだよ。」


「ありがとうございます!これからもがんばりますね!」


「リルカちゃんよく頑張ったね、疲れたでしょう?」


「確かに疲れました・・・・・。」


「ハハハ!今日はゆっくり休むこった。そうだ、明日は貿易市場に行ってくるから、お前たちもついてこい。明日は店は休みだ。」


こうしてユンは店を出て、リルカとともに家へと帰っていった。夕食はオーナーがご馳走してくれたので、帰ったらそのまま寝ることにした。家に帰り2人は明日の準備をぬかりなく行ってから、明日の市場に期待しながら静かに眠りについた。



その夜、市場の行われる西下層エリアの大船着場では、すでに2回目の市場の準備が進められていた。


「おら!どんどん籠とかテントとか運び出せ!きっちり5時から始められるようにするんだ!」


グランが指示を出しながら貿易船の乗員が物資を運びだし、テキパキと準備を進めていた。そこへグランの元にギーレが現れた。


「ヒヒヒ、市場の準備は順調のようじゃな。」


「なんだギーレ、ガキは見てなくていいのかよ。」


「あれはまだ変化は訪れん。とにかく待つのじゃよ。」


「そうかよ。俺もここのお姫さんから情報をもらわねぇといけねぇんだ。終わったらさっさと寝るぜ。」


「そうじゃな。まぁ、お前さんも頑張るんじゃぞ。」


一通り話し終えると、ギーレはまたどこかへ行ってしまった。グランはギーレのことは気にせず作業を監視していた。そして乗員の1人が作業を終えグランに報告に来た。


「市場の準備、完了しました!」


「よし、じゃあ全員眠りにつけ。俺も寝てくる。」


そう言ってグランは南エリア上層の旅館へ向かっていった。乗員は船で眠るのだ。そしてクオーリアは静寂に包まれた。



西エリア上層、王女の屋敷の自室で、王女はクオーリアに伝わる伝承の記された本を読んでいた。海の中の世界について記されたものだ。


「海の中で独自の文明を築き上げた人々、もし実在するならば、どうやって海の中で生活していのでしょうか・・・・・。」


王女が本を読みながら考え事をしていると、あのチョビ髭の王女の側近がドアをたたいて時間を知らせた。


「王女様、消灯の時間です。」


「わかりました。おやすみなさい。」


王女は本を閉じて、ベッドに入り眠りについた。王女の部屋の前を去る側近が独り言をつぶやいた。


「あの方が言うように、伝承がもし本当であったら・・・・・。」


側近は不敵な笑みを浮かべた。まるで何かをたくらんでいるかのように。



そして翌日、ユンとリルカはオーナーに連れられ、西エリアの大船着き場へと向かった。ここでは2回目の貿易市場が開かれ、陸の国から食料や道具、珍しいものが入ってくるのだ。貿易市場はまだ6時過ぎだというのに多くの人でにぎわっていた。その光景に楽しくなりつつユンはオーナーに話しかけた。


「オーナーさん、ここが貿易市場ですね?すごくにぎやかですね!」


「ああ、そうだ、ここにはたくさんの陸の国から来たものが売られるんだ。お前さんたちは2人で好きなものを見てきていいぞ。わしは自分の用を済ませてくる。」


そう言ってオーナーは市場の中へと入っていった。ユンとリルカも2人市場に入っていった。最初にユンが気になったものは、いくつかの書物が置かれたテントだった。ユンはテントの中に入り、書物の一つを手に取り読み始めた。その横からリルカがユンに聞いた。


「本が好きなんですか?」


「うん。昔から本が好きで、いつも読んでたわ。リルカちゃんは?」


「わたしは、わからないです。本を読んだことがあまりないので。」


「じゃあリルカちゃんも何か読んでみよう?これなんかどうかな?」


ユンはリルカにおとぎ話が書かれた本を渡した。リルカは目を輝かせながらその本を読み始めた。本を読んでいて時間を忘れそうになった頃、テントの主がユンに話しかけてきた。


「気に入った本は見つかったかい?お安くしとくよ。」


「ありがとうございます。これ、買います。」


「ユンさん!私もこの本ほしいです!」


「ではこれもお願いします。」


テントの主はセルカを受け取る前に一冊の本を薦めてきた。


「おっと!おすすめの本があるんだ。この「海の国の伝説」というものだが、どうかな?」


ユンはその本を買うか考えようとしていたが、リルカは迷わすすぐにテントの主に言った。


「その本ください!」


ユンは驚いた。リルカが迷うことなくその本に食いつく様は、なにか因縁があるようにも見えた。リルカがそこまでに欲しいというので、ユンはその本も買うことにした。


「ではその本も買います!」


「はいよ!3冊あわせて2600セルカだよ!」


ユンはセルカを支払い、テントを後にした。ユンはリルカに本を買う時の様子を聞いた。


「リルカちゃんはどうしてあんなにあの本がほしいと思ったの?」


「え?あの、海の話が好きなんですよ!」


「そうなんだ、私も好きだよ。帰ったらすぐ読む?」


「はい。しばらくお借りします。」


そんな会話をしながら市場を見て回ると、リルカが何かに気付いたようにとあるテントを指差した。指の先にはパワーストーンが売られたテントがあった。


「ユンさん!あれ・・・・・。」


「パワーストーンが気になるの?わかったわ。」


2人はパワーストーンが売られたテントに入った。リルカは様々な色や形のパワーストーンの中から、「落し物」と書かれた紙の上に置いてある黄緑色に光る一つの石を見つけてユンに見せた。


「ユンさん、これ、私のです。」


「これが?ちょっと聞いてくるね?」


ユンはその石をテントの主に見せた。テントの主によると、それは南エリア下層の海岸で見つけたものだという。主はその石を持ち主であるリルカに譲った。リルカは主に礼を言った後、ユンとともにテントを出た。


「これは、私の宝物なんです。海岸に落としては見つからないだろうと諦めていたのですが、まさかこんな形で見つかるとは思いませんでした。」


「そうなんだ。見つかってよかったね。」


「はい!これは兄さんとの思い出の物なんです。」


「お兄さんがいるの?」


「はい、あるところから2人で逃げてきた際にはぐれてしまって、生きているかすらもわからないんです・・・・・。」


「そうだったんだ・・・・・。また、会えるといいね。」


「はい!」


2人で会話をしながら市場を出ると、オーナーが大きな荷台を牽いているのが見えた。必要なものがそろったので2人を見つけて帰ろうとしていたようである。


「手伝います!」


「おお、ユンにリルカ。ちょうど帰ろうかと思っていたんだ。荷台を後ろから押してくれ。」


2人は荷台の後ろに回り、荷台を押した。こうして3人は市場を後にした。そんな3人の姿を、後ろからグランが見ていた。


「あのおかっぱ頭の服装・・・・・。もしや?」


グランはなにか思い当たることがあったが、今は特に気にせず市場の様子を見回っていった。



所変わって海の世界のコラル王国では、レオンたちがフーラ王国へ向かおうとしているところであった。まずはフーラ王国の道中にあるラテの牧場を目指すことになった。


「よし!出発するぞ!」


レオンが景気よく掛け声を上げると、ルナとミーナは返すように掛け声をあげた。しかしアリサはなにか考えているのかレオンの声が聞こえていなかったようであった。


「アリサ、どうした?」


「え?あ、ああ!大丈夫ですよ?さぁ、行きましょう!」


レオンに声をかけられ、少し慌てたアリサであったが、すぐに調子を戻して道を歩き出した。ルナとミーナも少し心配していたが、アリサなら大丈夫だろうと思い、アリサに続くように歩き出した。レオンはアリサの様子に違和感を抱きながらも、自分も続くように歩き出した。

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