諦めと衝動
11月21日以前に本編9話をよまれた方、必読です・・・
お手数おかけします・・・
コンニチハ!
初めて前書きします!
前書きというよりお知らせです!
お知らせにも書きましたが、
PIXIVに海莉と撃雷のイメージ画を上げました!
もしよろしければこちらから!
http://pixiv.me/kairi6
ここからは11月21日以前に読まれた方へ
ごめんなさい!!
報告にも書きますが、
間違えて9話の下書きを上げてしまっていました!!
先ほど気が付き、
完成版に訂正しました!
ほんっとおおおおおおおおおおおおに、
ごめんなさい!!
お手数おかけします・・・
そ・・・か・・・
そういう・・・こと・・・か
「・・・ハッ、ようは、たんにあたしがそのロスフだから近づいたと・・・ただ、『能力』が目的だったから」
どこか遠くで、自分の声がする。
「は?」
撃雷が焦っている。
「だから今まで調子合わせてつるんでいたと・・・ね・・・んで、いつかその他のロスフ達とやらが集った時に、巧く引き入れられるように、都合のいい戦力になってくれるように・・・ってか・・・まあ、あたし単純だし、あつかいやすいだろうな?」
自分で何を言っているか、よく聞こえない、よくわからない。
「えっ?」
二人の肩がピクリと跳ねる。
ハタ・・・
「そのために、あたしでも、つるんでても面倒なだけのあたしでも、わざわざついていてくれてた・・・と。」
「な、何言っt―」
焦った顔で、撃雷が何か言おうとする。
バレた、とでも思っているのだろうか?
マズイ、とでも?
『戦力』をどうにかしないとってか・・・
言い訳は、いい。
力がほしければ、いくらでもあげた。
いくらでも、あげた。
『あたし』が必要と勘違いさせられる前なら、『戦力』が目的でも、いくらでもあげただろう。
あの幸せを知らなかったから、必要とされたがっただろう。
でも
錯覚だったとしても、『あたし』を必要とされる幸せを知ってしまったら、
いたくて、むりだよ
一粒だけ、うっかり零れた気持ちが重力に従う。
「ハッ・・・そりゃそうだよな。見た目通りあきらかにおかしいやつに普通にすんなり・・・いつもおかしいと思ってた・・・なんで一緒にいてくれるんだろうって」
息が苦しい。
心臓が苦しい。
耳も腹も内臓も。
全部苦しくて、
口も勝手に動いて。
自分でも何を言っているか、よくわかっていなくて。
それでも、最後に言ったことは
「でもな、でもなぁ、正直、あたし、スッゲーうれしかったんだ、あんたが、周り気にしないで、一緒にいてくれたこと・・・こんなバケモノでも、一緒にいてくれたこと・・・まぁ、普通、こんながバケモノは人と友達になれるわけない、かぁ・・・ッハ」
不思議と、
他人事のように、
聞こえていた。
フッ
「やっぱ、だめ、かぁ・・・」
長年のシコリが、今、鎌首をもたげた。
もう、いいや
もう、いたいのはやだ
もう、きずつきたくない
もう、こわれちゃう
だったら、いらない
なんにも、いらないっっ
だから、長年押し殺していた衝動に、身を任せることに、した。
撃雷が不味いと思った時には遅かった。
「か――」
「だまれ!来るな!!グgggrrrrrrrrrrrrrrrrrrrooooooooooooaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
あまりの感情の高ぶりに意識が飛んだ海莉は、彼女自身から溢れ出てきた水に包まれた。
海莉を絡めとった水は、激しく渦巻き、中の海莉は、影しか見えなくなった。
そしてその影は、急速に形を変えていく。
手足は細くなり、
首と胴は伸び、
尾もあっという間に長く伸びてゆき、
髪の毛が背中から尾にかけて生え、
全体的に、細く、長く、変貌を遂げた。
ッダアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!
渦巻いていた水が轟音と共に弾け、姿が現になった海莉は、
龍になっていた。
おとぎ話の中の龍にしては小さいが、2メートル強はある。
「すごー・・・」
話だけで実際には見たことがなかった菜果さいかは目を見張った。
宝石のような透明度と硬さを誇る美しい鱗は、よく見ると、一つ一つが少しずつ違う青だった。それは藍色だったり、青緑だったり、薄い水色だったり。さらに、それぞれ重なり合っているため、違う色のガラスを重ねたように、新たな青が輝いていた。
そんな鱗の中に、鬣たてがみから突き出た硬そうな角と、口からまだ小さいが頑丈そうな牙が覗いていた。双方、真っ新なのような純白だ。
そして、唯一普通だった左の青みがかった黒い瞳は、瞳孔が縦に切れたように細くなり、右目とはまた違った異形の瞳に変化した。
「gggggggrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrraaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」