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Todo es una historia―全ては一つの物語―  作者: 海麟
3章 何かの始まり 海莉side
9/15

諦めと衝動

11月21日以前に本編9話をよまれた方、必読です・・・

お手数おかけします・・・


コンニチハ!

初めて前書きします!

前書きというよりお知らせです!

お知らせにも書きましたが、

PIXIVに海莉と撃雷のイメージ画を上げました!

もしよろしければこちらから!

http://pixiv.me/kairi6


ここからは11月21日以前に読まれた方へ

ごめんなさい!!

報告にも書きますが、

間違えて9話の下書きを上げてしまっていました!!

先ほど気が付き、

完成版に訂正しました!

ほんっとおおおおおおおおおおおおに、

ごめんなさい!!

お手数おかけします・・・

  そ・・・か・・・

 そういう・・・こと・・・か


「・・・ハッ、ようは、たんにあたしがそのロスフだから近づいたと・・・ただ、『能力』が目的だったから」


 どこか遠くで、自分の声がする。


「は?」


 撃雷うらいが焦っている。


「だから今まで調子合わせてつるんでいたと・・・ね・・・んで、いつかその他のロスフ達とやらが集った時に、巧く引き入れられるように、都合のいい戦力になってくれるように・・・ってか・・・まあ、あたし単純だし、あつかいやすいだろうな?」


 自分で何を言っているか、よく聞こえない、よくわからない。


「えっ?」


 二人の肩がピクリと跳ねる。


 ハタ・・・


「そのために、あたしでも、つるんでても面倒なだけのあたしでも、わざわざついていてくれてた・・・と。」


「な、何言っt―」


 焦った顔で、撃雷が何か言おうとする。

 バレた、とでも思っているのだろうか?

 マズイ、とでも?

 『戦力』をどうにかしないとってか・・・


 言い訳は、いい。

 力がほしければ、いくらでもあげた。

 いくらでも、あげた。


 『あたし』が必要と勘違いさせられる前なら、『戦力』が目的でも、いくらでもあげただろう。


 あの幸せを知らなかったから、必要とされたがっただろう。


 でも


 錯覚だったとしても、『あたし』を必要とされる幸せを知ってしまったら、




 いたくて、むりだよ




 一粒だけ、うっかり零れた気持ちが重力に従う。


「ハッ・・・そりゃそうだよな。見た目通りあきらかにおかしいやつに普通にすんなり・・・いつもおかしいと思ってた・・・なんで一緒にいてくれるんだろうって」


 息が苦しい。

 心臓が苦しい。

 耳も腹も内臓も。

 全部苦しくて、

 口も勝手に動いて。

 自分でも何を言っているか、よくわかっていなくて。



 それでも、最後に言ったことは


「でもな、でもなぁ、正直、あたし、スッゲーうれしかったんだ、あんたが、周り気にしないで、一緒にいてくれたこと・・・こんなバケモノでも、一緒にいてくれたこと・・・まぁ、普通、こんながバケモノは人と友達になれるわけない、かぁ・・・ッハ」


 不思議と、

 他人事のように、

 聞こえていた。


フッ


「やっぱ、だめ、かぁ・・・」


 長年のシコリが、今、鎌首をもたげた。



 もう、いいや


 もう、いたいのはやだ


 もう、きずつきたくない


 もう、こわれちゃう


 だったら、いらない


 なんにも、いらないっっ




 だから、長年押し殺していた衝動に、身を任せることに、した。




 撃雷が不味いと思った時には遅かった。


「か――」


「だまれ!来るな!!グgggrrrrrrrrrrrrrrrrrrrooooooooooooaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!


 あまりの感情の高ぶりに意識が飛んだ海莉は、彼女自身から溢れ出てきた水に包まれた。

 海莉を絡めとった水は、激しく渦巻き、中の海莉は、影しか見えなくなった。

 そしてその影は、急速に形を変えていく。


 手足は細くなり、

 首と胴は伸び、

 尾もあっという間に長く伸びてゆき、

 髪の毛が背中から尾にかけて生え、

 全体的に、細く、長く、変貌を遂げた。


 ッダアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!


 渦巻いていた水が轟音と共に弾け、姿が現になった海莉は、






 龍になっていた。






 おとぎ話の中の龍にしては小さいが、2メートル強はある。


「すごー・・・」


 話だけで実際には見たことがなかった菜果さいかは目を見張った。


 宝石のような透明度と硬さを誇る美しい鱗は、よく見ると、一つ一つが少しずつ違う青だった。それは藍色だったり、青緑だったり、薄い水色だったり。さらに、それぞれ重なり合っているため、違う色のガラスを重ねたように、新たな青が輝いていた。

 そんな鱗の中に、鬣たてがみから突き出た硬そうな角と、口からまだ小さいが頑丈そうな牙が覗いていた。双方、真っ新なのような純白だ。

 そして、唯一普通だった左の青みがかった黒い瞳は、瞳孔が縦に切れたように細くなり、右目とはまた違った異形の瞳に変化した。



「gggggggrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrraaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」



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