表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Todo es una historia―全ては一つの物語―  作者: 海麟
3章 何かの始まり 海莉side
6/15

転校生と変化

―――キーンコーンカンコーン


「SHR始める。ほら何やってんの。もうチャイムは鳴った。とっくに席についているはずだけど。あと神風君、居眠りしない。」


 細身の活発そうな女性が入ってきた。担任の黄野明香おうのめいか先生だ。そっけない話し方で少し怖そうだが、意外に優しかったりする。この先生だけは、なぜか普通の生徒と同じように接してくれる。そのため、海莉はこの先生に好意的だった。


「今日は転校生を紹介する。入って。」


 入ってきたのは、左で分けた前髪を双葉のような不思議な形のピンで留めた、引き締まった筋肉のついた、綺麗な少女だった。


「えっと佳蔓菜果よづるさいかですっ。宜しくお願いしますっ。」


 緊張ぎみに言うと、教室を見渡した。そして気のせいか、レミに目を留めるようなそぶりを見せた気がした。


―――ん?


 よく見ると、菜果のつり目の瞳と髪が、光の加減によって深緑に見えた。

 この時、どう接すれば近寄ってこない人間か、などと彼女を判断するのに集中していた海莉は、撃雷の体が強張った事に気付かなかった。


「席は雨月さんの隣に座って。」

 黄野は海莉の隣の空席を見やって言った。


―――やっぱそう来るか


 そうして、朝のSHRが終わった。


「さ、さっきも言ったけど、菜果です。よろしく、雨月さん」


 珍しく海莉の予想が外れ、明確に拒絶の意思を示していたにもかかわらず、恐る恐るだが、話しかけてきた。少なからず驚いた。

 そこで、横を向いて閉じていた異形の瞳を、菜果が怖がるようわざと開いた。


「カンケーねぇだr」


 それなのに、怖がるどころか、言いかけた海莉の顔を見たとたん、


「!!やっぱりアルラ?!」


 と、息を吸いながら小声で叫ぶという小難しいことを、しかもなぜか目を輝かせながらした。


「・・・は?」


「あれ?わk・・・」


 ガタンッ

 突然撃雷が立ち、海莉と菜果の間に割って入った。


「撃雷?なんだ?」


 撃雷の目を見た途端、海莉は、怯んだ。

 妖怪などで恐怖心の薄れている海莉ですら恐ろしくなるほど鋭い、いつものダラダラしている撃雷とは程遠い。別人のような目で菜果を睨んでいた。


「話がある。」


 ゆっくりとはっきりとした有無を言わさない口調で言った。


「え?」


「話は後だ。海莉はここで待ってろ。」


 そう言うと、三人を見ながらヒソヒソ話し始めた教室から菜果と共に出て行った。

 普段だったらコッソリついて行って盗み聞きするところだが、この時ばかりは、異常なまでの撃雷の剣幕に、呆然としていた。



 授業の前には二人は帰ってきた。撃雷も菜果も平静を装っていたが、あきらめたような顔や、気まずそうな顔をそれぞれ隠しきれないでいた。


「放課後付き合え。話がある」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ