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Todo es una historia―全ては一つの物語―  作者: 海麟
3章 何かの始まり 海莉side
5/15

過去と習慣

 最初の方にあるとおり、海莉には7歳以前の記憶がさっぱり無い。

 どうも、親が事故で亡くなった時にショックで記憶を失ったらしい、と後に聞かされた。


 それで孤児院に引き取られた。


 学校も住む場所も全く違うところへ行ったため、自分には何もなかった。

 ただ、病院で目が覚めた時から握っていた、龍のような生き物のシルエットが彫られた、500円玉くらいのコイン型のペンダントは、意識が無い時もずっと手放さなかったらしい。今も常に肌身離さず、毎日どんな時も着けていた。


 これも最初にあるが、そのときにはすでに、普通の人に見えないもの、妖怪や霊の類はすでに見えていた。霊などは人と区別がつかず、普通に話したり遊んだりした為、気味悪がられ、いろいろ目を付けられていたこともあり、小学校や孤児院で、避けられていた。大人にも。


 しかし、海莉と同じようにミえる撃雷が、中学の入学と同時に、孤児院に入ったおかげで、自分の頭がおかしいのではないかと思うことも、本当の意味で孤立することもなくなった。そのことに感謝している。

 もっとも、本人には言ったことは無かったが。

 それでも、海莉を知らない人でも、妖怪慣れした撃雷でも初めて会った際に一瞬固まった、生物学的に明らかにおかしいところが、海莉にはあった。


 青緑の瞳の瞳孔が、猫科動物のそれと同じ形なのだ。


 青緑の瞳は、実は外国人とのハーフでした、といえばぎりぎり説明はつく。

 そう、納得しようとした。


 だが。


 孤児院だったか小学校だったか。どちらかは覚えていないが、とにかく子供だけだったとき。一度だけ本気で怒ったことがあった。このとき、翼が片方出たり、鱗が出てきたりした。この事件を境に、見た目は変わらなかったが、筋力が圧倒的に常人のレベルを超えた。


 自分が、人間ではないことが確定した。


 ショックだった。


 それに加え、英雄気取りの、危機感のない、しかしずる賢い奴らが、『バケモノ』、と殴ったりしてきた。傷がすぐに治り、傷痕が残らないから大人にばれないのをいいことに。


 いくらすぐに傷が治るはいえ、痛いものは痛い。

 でも、力の加減ができなかったし、知られたところで大人が助けてくれたとは思えなかった。

 それどころかもっと悪いことに、体のことがバレて、危ない研究所などに連れて行かれて危ない実験させられるのではと、あながち間違いでないことを幼心に想像し、自制し、反撃できなかった。


 あるいは、心のどこかでいつかは分かってくれる、やめてくれる、と思ってしまっていたのかもしれない。


―――本当に、撃雷がいなかったらあたしは本物の化け物になっていた。


 今まで、会った事の無い人や転校生は、瞳が変わった色だと好奇心から来ることもあった。

 だが、すぐに瞳が人間のそれではないことに気づき、他と同様、気味悪がったり、すぐに他の人がいろいろ吹き込んだりしたため、海莉を避けるようになった。

 何より、自分に関わるとクラスの連中や先輩からの嫌がらせなどのロクなことが無い。


 だから、初対面の人には威圧感をだして威嚇し、寄せ付けない。


 わりと大物の妖怪でさえも寄せ付けなかったレベルの威圧感は、いちいち普通の一般人に出すと疲れるし、何より肝の弱い人だと気絶する可能性もあって面倒くさいため、出さない。威圧感のコントロールは妖怪を追い払っているうちに自然と出来るようになっていたので、普通に人を怖がらせる程度のを出した。


 今回もそれで通すつもりだった。


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