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だらだら

「暑いな・・・・・・」


「・・・・・・うん」



こんにちは、相も変わらず永井です。


今日の永井家には珍しく家族がいません。

両親は買い物に、弟は友達と遊びに行きました。


では、この話し相手は誰かと言うと珍しく高野です。


高野と話すのが珍しいという訳ではなく、今日は僕と高野の2人しかいないというところが珍しいのです。



北川は近所の山を駆け巡りに、小西はクリーニング屋に行きましたとさ。


何となく昔話を髣髴させる予定だ。




で、僕と高野は何をするわけでもなく和室の畳に寝そべって蝉の声に耳を傾けているのであった。


「・・・・・・夏休みの宿題終わった?」



「・・・・・・数学と世界史があと少しで終わるかな」


「そか・・・・・・」



再び沈黙。


今度は僕から声をかける。



「何か飲み物持ってこようか?」


「・・・・・・頼むわ」


「了解。

麦茶で良い?」



高野が無言で頷く。




冷蔵庫のあるキッチンへと入る。

キッチンは和室以上に暑かった。


手早くコップを2つ出し、そこに氷と麦茶を注ぐ。


僕はふと開けっ放しの冷蔵庫に目をやる。


「・・・・・・涼しい」


冷蔵庫の中って涼しいよね。

頭を冷やした僕はトレイに2つのコップを載せて和室へと戻る。


高野は勝手に和室に積まれていた漫画を読んでいた。



「麦茶どうぞ」


「ん・・・・・・」


僕と高野はほぼ同時にコップに口を付ける。


少しそれで元気を出したが、やはりまだ暑い。


僕は再び寝転がる。

そして自分も漫画を手に取り、読み始める。



「・・・・・・なあ」


「今度は何?」


「隆一郎これ死んだ?谷に落ちたとか絶対死んでないパターンだろ」



隆一郎とは高野が読んでいる漫画『妖怪ハンター隆一郎』の主人公である。

全25巻。


「ラスボスは悪魔王ベリアルが乗り移った恵子ちゃん」


「おい、ネタバレすんな!!あと、6巻どこ?」


「僕が持ってる」



僕は高野に漫画を差し出す。


舌打ちをして僕の手から『妖怪ハンター隆一郎』6巻を奪い取る。

そして、空いている方の手で麦茶を手に取る。


「あっ」


麦茶が畳に!!



「・・・・・・ちっ。

雑巾どこ?」


「畳って雑巾で拭いて良かったんだっけ?」


「・・・・・・知らん」


「・・・・・・あっそ」


僕は渋々キッチンから雑巾を持ってくる。

高野は僕の手から雑巾を奪い取ると強引に畳を拭きだした。


高野が畳を拭き終える頃に玄関のチャイムが鳴った。


「・・・・・・どうぞー」


僕は座ったまま玄関に呼びかける。


「おっじゃましまーす!!」



面倒くさいのが来た。


「永井くんに高野くん元気?

いやー、暑いねー」


真田さんは下敷きで自分の顔を仰ぎながら和室に入ってきた。


「・・・・・・麦茶持ってくる」


「あれ?元気ないねー」



こういう時ばかりは真田さんも面倒くさい。


僕は暑さの余り陸上部をサボったと言うのに真田さんはわざわざ部活に行ってきたのだろう。

真面目な人だ。



彼女はTシャツに短パンとラフな格好である。


まあ、僕と高野も上半身裸で下はジーンズというラフと言えばラフな格好ではあるが。



麦茶を持って戻ると、真田さんも高野と一緒になって『妖怪ハンター隆一郎』を1巻から読んでいた。


僕も真田さんの傍に麦茶の入ったコップを置くと読書に戻る。



「・・・・・・ねえ」


「・・・・・・ん?」


「何で2人とも上半身裸なの?」


「暑いから」


「じゃあ私も脱ごうかなー」



僕と高野は動きを止める。


真田さんの顔色を窺ってみる。


相も変わらず軽く笑っているだけで大きな顔色の変化は見られない。

本気なのかジョークなのか。



「脱げ脱げ」


高野が冗談半分で囃し立てる。


「じゃあ遠慮無く」



そう言って真田さんがTシャツに手をかけると高野は目を丸くした。


「ちょっ、えっ、ジョークじゃなくて!?」

先程まで囃し立てていた男と同一人物とは思えない程に高野は顔を真っ赤にした。


「えっ?何が?」


真田さんは完全にTシャツを脱ぎ終えていた。


しかし、彼女はその下にランニングシャツを着ていた。


「・・・・・・あー」


「えっ?何?何なの?」



真田さんは狼狽している。


彼女は自分の発言がどれだけ男2人に様々な空想を過らせたかが分かっていないらしい。

どれだけの期待を持たせたかが分かっていないらしい。


「ごめん、何でもないよ」


「え?・・・・・・まあ良いけどさ」



真田さんはまだ不服そうだが何とか納得してくれたようだ。


しばらくして再び真田さんが口を開いた。

「ねえ、隆一郎って死んじゃったの?谷に落ちちゃったけど」


僕と高野は黙って顔を見合わせる。


結局、真田さんの問いには僕も高野も答えなかった。

それから彼女は帰るまでずっとその問いを続けていたが、最後まで僕と高野は沈黙を守り続けた。


夏の昼の我が家の和室に漫画のページを捲る音だけが響き続ける。


だらだらでぐだぐだです。

結局何が書きたかったのかが分かりません。


まあ、こんな感じで続けていきます

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