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G殲滅作戦

人類最大の敵は何だ?



僕は自分に問いかける。


僕は今人類最大の敵との戦闘を行っている。



僕が知る限りでも最低3匹、内1匹は高野辺りが仕留めてくれると信じている。


奴らは突然、現れる。

何の前触れもなくそして音もなく。


「うぎゃああああああああっ!!」



あの悲鳴は高野。


トイレの辺りからか。

早くフォローに・・・・・・。



「・・・・・・そこかああああああ!!」


僕の新聞紙グングニルが奴の体を砕いた。

ソファの下から油断して出てきたところを僕は見逃さなかった。


新聞紙をどかす。


そこには今や生物ではない何か・・・・・・茶色い何かがいた。


そう、ゴキブリだ。






















事の発端は前田さんからの震える声の電話だった。


「奴らが・・・・・・奴らが出たのよ!!」



「・・・・・・はいぃ?」


思わず僕は特命係所属の刑事のような受け答えをしてしまった。



「奴らは全部で3、きゃっ、やめて!来ないで!お金なら幾らでも、嫌っ・・・・・・きゃああああああっ!!」



前田さんの絶命の声だった。


そして、僕と北川と高野は前田家にやってきたのだった。



そこに横たわっていたのは泡を吹いて気絶している前田さんの凄惨な姿だった。




受話器を持ったままでいる事からやはり電話中に襲われた事は間違いない。

守れなかったことが悔やまれる。


僕は前田さんの瞼をそっと下ろしてやった。


目を開けたままで気絶するなんて余程の事があったんだろう。



犯人は分かっている。



「北川、お前は2階に。

靴がもう一足あるから多分どこかに前田さんの友達がいるはずだ。保護してやってくれ」



「え?」


北川はきちんと状況を理解していないのか呆けた顔をしている。



「これを見ろ。

奴が出た以外に何がある?」



「え?いや全く分からんのだが。

てか、お前そんなキャラじゃないだろう」


僕は北川に平手打ちを食らわす。



「馬鹿者!!

生き残りたいならば僕の事を上官と呼べ!!」


「う、うえ?

・・・・・・上官、一体何が始まるんです?」



「Gだよ。

・・・・・・Gとの全面戦争だ」


高野はその一言で全てを察したようだ。



「俺は向こうの部屋に行く」


高野は前田さんの手に握られていた殺虫剤シューティングスターを手に取り、慎重に去って行った。



「北川、君はこいつを使いたまえ」


「え、は、はい」



僕は北川にエクスカリバーを手渡す。

前田さんには悪いがお気に入りの傘は武器として使わしてもらう。


北川も釈然としないようでありながらも2階へと向かった。






















これで敵は残り2匹。


ティッシュで強敵ともを掴み、外へと捨てる。



一応庭には捨てない。


排水溝に弔った。




一息ついたところで思い出した。


高野は?



彼の悲鳴はもう聞こえない。


やられたのか?



「高野ー?」


僕は新聞紙グングニル片手にそっと廊下に出る。


床を舐めるように見渡していく。



見えたのは高野の足だ。



そっと近寄る。


高野は仰向けのまま震えていた。



彼が震えるのも無理はない。

何故なら彼の首筋にゴキブリが静止していたのだから。



大方奴の飛行能力を甘く見ていたのだろう。


そして、首をがっしりと掴まれた。



それならば叫び続け、僕か北川を呼べば良い?


これだから素人は・・・・・・。



奴らは人間を噛む。


いや、冗談抜きで。




噛まれると腫れる事もあるらしい。

ゴキブリが声を上げる度に動く喉仏に反応しない訳がない。


それを高野も熟知していたらしい。



「どうする?」


僕は高野に問いかける。


このような事態には僕も初めて直面する。



ここはプロ同士が話し合って決め・・・・・・しまった。



高野は声が発せない。



まさに硬直状態だ。



北川を呼ぶか?


いや、素人1人が増えたところで何も変わらない。




その時だった。



「お、俺ごとやれ」


高野が声を発した。



動く喉仏に最初は畏怖したゴキブリだったが、すぐに喉仏へと走り寄った。



「うぐ・・・・・・」



噛まれたようだ。


「は、早く」



「待て、まだ時間は」

「早く!・・・・・・くそ」



高野は自分ごとゴキブリを潰せと言っている。


そんな事が出来るはずがない。



僕に・・・・・・この手を汚せと言うのか。



「早く!」



「う、うおおおおお!!」



僕は新聞紙グングニルを振り下ろした。



涙ながらに振り下ろした。


しかし、僕はゴキブリの手のひらの上で踊っていたにすぎなかったのだ。



ゴキブリは既に天井に移動しており、高野の首に新聞紙グングニルが突き刺さっていた。

白目を剥いている彼の顔は絶命を現していた。



「うわああああああああああっ!!」



僕は・・・・・・味方を・・・・・・手にかけてしまった。



守るべきものを。

共に戦っていたものを。

勇敢なものを。


奴は何と狡猾な・・・・・・。

最初から同士討ちを狙っていたとは。



そして、奴は今度は棒立ちの僕へと襲い掛かってきた。




咄嗟に反応して僕はうまく奴の体当たりをかわした。

そして、同士の武器、殺虫剤シューティングスターを手に取る。


噴射口は奴に向けられている。



「失せろ」


白い霧が奴の体を包み込む。



ここからが正念場だ。


奴の生命力ならば殺虫剤シューティングスターを食らっても暫くは息がある。


その間にどんな攻撃を仕掛けてくるか分かったものじゃない。



さあ、最後の戦いラグナロクだ。





















「・・・・・・ん、ここは」


「気が付いたか」


北川の声で完全に目が覚める。



僕と高野はベッドに寝かされていた。


暫くぼーっとしていたが、ふと思い返す。


僕は勝ったのか?



「結果はお前の勝ちだよ、まあ辛くもって感じだが」


北川の奴、いつの間にか僕よりも戦士な顔してるじゃないか。



きっとそれだけ辛い戦いを生き抜いてきたんだろう。




「だけど、僕は気絶を」


「ああ、確かにお前はゴキブリを殺し損ねて顔に付いたゴキブリを見て気絶したらしい」



「らしい?北川が見てたわけじゃないの?」


「見てたのは増援だよ」



真田さんバーサーカー・・・・・・!!」


「そうだ。あいつ凄いな。

この家の70%のGを殲滅して帰って行った」



北川は恥ずかしそうに「格好良い奴だよ、本当に」と付け足した。



脇で寝ていた高野、それに少し離れたところで寝ていた坂本さんに前田さんも起きだしてきた。



ああ、全て終わったんだ。




「帰ろう・・・・・・僕たちの家スイートホームへ」






















「てな、感じの、夢を・・・・・・見た」



何で小西が僕視点の夢を・・・・・・。

本日出ましたよ、ゴキブリ。

なのでこの話を思いつきました。


すぐにドライヤーで退治しました。

何でもあいつら乾燥に弱いらしくて・・・。


風呂上りにドライヤー持ってて良かった~(笑)

本当は本編でもこのネタ入れたかったんですが、隙間がなかった。


そして、ルビ振りまくってみました。

最近は自分の中二病がひどいです(笑)

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