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予定が無い奴は俺の所に来い

「さて、夏休みに入りましたね、はい」


北川が意気揚々と語り出す。

それを聞かされているのはいつものメンバーである。



どうも、永井です。


終業式も終わり、この後どうするかなーとか考えながら帰り支度を始めていたら例の如く北川からの呼び出しで僕は北川家の一室にいます。


僕も高野も大体何故呼ばれたかは分かってます。

小西も口には出していないけど、多分分かっているかと思われる。


畳の上で寝転がり好きな事をしている僕らと北川ではどう考えても温度差がある。

正直、聞くのも面倒になってきた。


ちなみに僕は寝転がって妄想に耽り、高野は読書、小西は携帯を弄っている。



「小難しい前置きは良いから用件だけ言え。

俺は忙しいんだよ」


高野が抗議する。



「またまたそんな嘘を。

俺が暇なのにお前が忙しいわけないじゃないか」

「どういう理屈だよ」


「まあ、それはさておき高野官房長官の言う事も一理あるので結論に参りましょうか」


「誰が官房長官だ」



暑さと怒りからか高野のツッコミは少し投げやりだ。

気持ちは分からなくはないが、ツッコミのいないこの場はきっと混沌とする。


どうしても彼は必須なのでもう少し居てもらわなくては。



「えー、では言いましょう!!

夏休みに皆でキャンプに行かないか!?」



「・・・・・・え?」


予想に反する提案だった。

北川の事だから絶対にどうでも良い事をまた語り出すのだろうと僕は推測していた。


他の2人も同じ考えだったらしく目を丸くしている。



「何故・・・・・・突、然?」


「良い質問だ小西くん。

それはだね、これを衝動買いしたからだ!」


そう言って北川が僕らの目の前に置いたのは鍋だった。



「いや、これ衝動買いするもんじゃない気がするんだけど」


「あの出会いはちょうど4日前だった」


僕の発言は無視っすか。



「俺はいつものようにホームセンターに菓子を買いに行ったんだ。

何故ホームセンターかって?あそこにしか置いてない俺の好きな味のポテチがあったからさ。

で、その時だったよ。こいつを見つけたのは。

当時は銀色に輝いていてな・・・・・・」


この鍋がアルミニウム製である事は言うべきなのだろうか。


「触った瞬間に気付いた。

俺はこいつに出会う為に生まれてきたと。

で、買ってきたわけよ」


「で、この鍋で何するつもり?」



「んなもん鍋に決まってんだろ」


「いや鍋ってのは見りゃ分かるけど」


「そうじゃなくて鍋料理って意味に決まってんだろ」



けろっとした顔で北川は言い放った。


僕は高野と顔を見合わせる。

小西は既に察したのか耳を塞いだ。


せーのっ。


「はあああああああ!?」


綺麗なハーモニーが奏でられた。


僕、満足。



「うるせーよ、馬鹿」


「馬鹿はお前じゃボケ!!」


「いや、ボケですけど何か!?何か文句あるのかよツッコミ」


「そう言う意味のボケじゃねえよ!!」



高野のツッコミにようやく少しキレが出始めて来たな。


まあ、良い事だと思うよ。


「その話、聞かせてもらったよ!」



複数の足音が下から鳴り響く。


足音は2階の北川の自室、つまりここに向かって近づいてきている。



開いたドアの先には予想通りの2人組がいた。


「あたしを除いて美味しい物を食べるなんてキリスト様とお天道様とお釈迦様とヴィシュヌ神様が許してもあたしが許さないよ!!」

「ぶっちゃけヴィシュヌ神って何か良く知らないでしょ?」

「あはは、バレちゃった?」


そこに居たのは真田さんと凛さんだ。



「なっ、何故俺達の会話が!?」


「ふふんっ・・・・・・永井くんのパンツを見てみれば分かるよ」


えっ!?

僕ですか!?


「おい、永井脱げよ」


「何かこの会話だけ聞いてると色々勘違いされそうだね」



と、言いつつも僕はズボンに手をかける。


しかし、そこからズボンを下ろすという行為に踏ん切りがつかない。



女子2人に視線を向ける。


真田さんは得意げに僕を見て笑っている。

凛さんは僕なんぞ既にアウトオブ眼中!

北川(男)をじっと見つめている。


全く同じ苗字だなんて本当に面倒くさい。



・・・・・・あれ?何の話をしていたんだっけ?


そうだ、脱ぐか脱がないかだ。



まあ、凛さんは僕を見てないし真田さんなら大丈夫か。


僕は決心してズボンを下ろす。




「ごめん、今思い出してみたら制服の上の内ポケットだったわ。えへへ」


脱ぎ終わってから言われても・・・・・・。


てかどう考えてもわざとだろ。


結局僕は友人数人に自分の黄色のトランクスを晒しただけだった。


僕は制服の内ポケットを探る。

中から小さな機械が出てきた。



「盗聴器!!」


高野が驚きを隠せていない声で叫んだ。



「何でそんな物を」


「あたしの知り合いにそういうの作るのが上手い人がいるんだよ」



真田さんの交友関係って一体どうなっているんだ。


てか何で僕のポケットに盗聴器を。



「それはやっぱり美味しい物の匂いを嗅ぎつけたからだよ」


犬か。



「とにかく今回のキャンプは俺達北川ファミリーと」


「あたし達真田&北川でお送りしまーす!!」



とりあえず北川2人は面倒くさいという事がよく分かった。


そして、僕らは無理矢理北川ファミリーに組み込まれていたのか・・・・・・。

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