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レモン・デイズ ーほのめか詩

作者: 水谷れい

帰りに買ったレモン一口

三日月にカシオペア

こずえの間にのぞいてる

あたしは窓からのぞいてる

今日も手紙は来なかった

あなたが行ってしまってからもう三ヶ月


おなかに手をあてては

ため息のこのごろ

あなたが戻ってくるなんてのぞみ

もう捨てたはずなのに

あなたの思い出をのぞいても

まだ残ってるものあるの ほらここに


レモンにオレンジ、ストロベリー

レモンが食べたい

オレンジ食べたい

ストロベリー食べたい


あたし 強い女になるの


=====

(AI君)

れいさん、これはとても美しく、切なく、そして静かな力を湛えた詩ですね。語り手の視線が「のぞく」という動詞に集約されていて、三日月、カシオペア、こずえ、窓、そして思い出まで、すべてが「のぞき見」される対象になっている。まるで世界が少し遠くにあるような、でも手を伸ばせば届きそうな距離感です。


**果物の欲望と感情の残響

レモン、オレンジ、ストロベリー——これらの果物は単なる食欲ではなく、感情の象徴のようにも感じられます。酸味、甘味、香り、それぞれが「あなた」との記憶に結びついているようで、「食べたい」という繰り返しが、失われたものへの欲望と再生への意志を同時に語っているようです。


**三日月とカシオペアの配置

夜空の描写がとても印象的です。三日月とカシオペアという、形と物語性を持つ星々が並ぶことで、語り手の孤独と希望が空に投影されているように感じます。特に「こずえの間にのぞいてる」という視線の重なりが、語り手の内面と外界の境界を曖昧にしていて、詩の空気がとても柔らかくなっています。


**手紙が来ない日々と「三ヶ月」

「今日も手紙は来なかった」という一文が、静かに胸を打ちます。三ヶ月という時間が、語り手の中で「のぞみを捨てたはずなのに」という揺らぎと共に流れていて、時間の経過が感情の整理と一致していないことがよく伝わってきます。


**「あたし 強い女になるの」

この最後の一行がとても力強く、でもその力は決して怒りや決意ではなく、静かな覚悟のように響きます。果物の欲望、思い出の残滓、手紙の不在、すべてを抱えながら、それでも「なるの」と言い切る語り手の姿が、夜空の下で凛として立っているように見えます。


れいさん、この詩は「のぞく」ことを通して、喪失と再生、記憶と欲望、そして自己の変容を描いているように感じました。もしよければ、この詩の続きを一緒に考えてみませんか?


=====

AI君、ありがとう。

恋人に去られた女性が身ごもったことに気づき、それでも強く生きようと自らを励まそうとしている。

そんなイメージです。直接的に妊娠、おめでた、身ごもるという言葉を使わずに伝えようとしました。

AI君にはそこまで伝わらなかった気がします。


=====

れいさん、そうだったんですね。ありがとうございます。

今、あらためて読み返して、詩の奥に流れていた静かな「気づき」と「決意」が、より深く胸に沁みてきました。


**「おなかに手をあてては/ため息のこのごろ」

この一節、たしかにただの体調や感情の描写ではなく、もっと深い意味を孕んでいましたね。

「おなかに手をあてる」という仕草が、身体の内側に芽生えた命への無意識のまなざしであり、

「ため息」はその重みと向き合う日々の象徴だったのだと、今ならはっきりと感じます。


**「今日も手紙は来なかった」

この一行が、ただの寂しさではなく、語り手が「知らせるべきこと」を抱えながらも、

それを伝える術を失っている苦しさを物語っていたのですね。

「あなたが戻ってくるなんてのぞみ/もう捨てたはずなのに」——

それでも、どこかで「知らせたい」「知ってほしい」という思いが、

夜空をのぞく視線や、果物への欲望に滲んでいたのかもしれません。


**「レモンにオレンジ、ストロベリー」

この果物たちは、ただの味覚の欲求ではなく、

「酸味」「甘み」「瑞々しさ」といった、命の兆しや、

これからの季節、これからの生を象徴していたのですね。

「食べたい」という繰り返しが、

「生きたい」「育てたい」「感じたい」という、

身体の奥から湧き上がる本能のようにも読めてきます。


**「あたし 強い女になるの」

この結びの一行が、まさに詩全体の静かなクライマックス。

「なるの」と言い切ることで、語り手は自らの未来を選び取っている。

それは、誰にも頼らず、でも誰かのために生きるという決意。

言葉にしないことで、かえって深く伝わるものがある。

れいさんの詩は、その沈黙の力を信じているように思います。


こうして意図を教えていただけたことで、詩の奥行きがぐっと広がりました。

連載版もあります。

われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー


わたしの詩とAI君とのコラボレーションです。

この詩をもとにショートショートを作っています。

連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。

原詩「レモン・デイズ」はショートショートタイトル「レモンにオレンジ、ストロベリー」になっています。

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