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イブ4

体がキラキラと輝きだすと、砂が巻き付くように腕の周りで宙を漂っていた。


(何が起こった!?)


魔力の変化を疑った。


いや違う。


イブが入院中に水見式で調べている。


その結果は水が甘くなり固まった。


つまり変化・強化系だ。


そして紙は煤のように変化した。


その結果から闇属性、変化・強化系魔導士と判定された。


物理的にも魔法の属性的にも変化させることが出来るなら、この現象は不思議ではない。


つまり魔力の変化ではなく魔法としての正当な変化だろう。


となると誤判定か?


いや、長年積み重なった判定結果から、誤判定は考えにくい。


そうなると……光……


一人の顔が浮かんだ。


(兵器として育てられたにもかかわらず、姉への想いは揺るがなかったんだな)


双子で、同じ実験で、同じ環境で育ち、同じように魔法の能力を発現させた。


ならば非常によく似た魔法になるのは自然。


つまりアダムにも無機物を変化させ操ることが出来る。


その対象となる無機物には違いが現れた。


(砂はアダムの力か)


イブもそう思ったのだろう。


イブは即座に自分の攻撃に砂を取り入れた。


刃で突き刺すように動かすと、漂っていた砂がトウヤの方へ飛ぶ。


トウヤは一瞬受けようとしたが、即座に避けることに切り替えた。


そして避けた攻撃はトウヤの後ろにあった壁に穴を開けた。


(砲撃、いや斬撃を飛ばしたのか)


仕組みとしてはミズキのウォーターカッターと同じ。


細かい粒を高速で飛ばすことで、切断するように物質を抉る。


受けるのは危険だ。


イブは小さいのを乱発してトウヤを襲う。


(地上から離れないと止まらないな。それに……)


互いに長期戦は出来ないが、周りの岩や砂を使える分イブの方が有利。


トウヤは出来る限り空へ飛び上がり、イブを誘う。


そしてそれに応えるようイブも空高く飛び上がった。


それを見てトウヤはイブに切りかかる。


だがイブも予想していたようで先手を打たれた。


少し大きめの刃を振る。


距離は離れているので刃自身は届かない。


だが刃に纏っていた砂が高速で動いて斬撃を描く。


「“第四座・(またたき)”!」


魔力を噴射する力を使い、無理矢理回避する。


だが元々使うつもりでいた魔法だ。


少し位置がズレただけで次の体制に移れた。


ここから攻撃に……と思ったがイブに動きを見切られていた。


近づいたことでもう一つの刃本体を突き刺すように襲う。


ここはイブの方が優れていたようで、トウヤに突き刺さる。


…………


ように見えた。


(残像!?)


刺さったように見えるが全く感触が無かった。


そしてトウヤの姿は消えた。


(何処へ!?)


周りを見渡すと四方からトウヤが迫ってきた。


(!?)


思わぬ光景にギョッとしてしまい動けなかった。


トウヤの魔法、“(またたき)”の応用技、“裏四座・(またたき)(れん)”。


残像が残る程高速かつ連続で空間を動かす魔法はかく乱に使える。


不意を突く攻撃にイブは初めてスキを見せた。


「はああ!」


これを見逃さまいとトウヤはデバイスを振り抜く。


この時、四方から迫るデバイスの一つが一瞬、キラリと光ったのを見た。


それを見逃さなかったイブはその光ったデバイスを持つトウヤの攻撃を受け止めた。


その受け止めには、しっかりとした重みがあった。


そしてその他の三方のトウヤの姿は消えた。


「これでもダメか」


「運が良かっただけよ」


互いに押し出すように刃を振りきり、後ろに押し出された。


そして振りきられたイブの刃からは斬撃が飛び出し、近くの建物を切断。


切られた建物は上部から崩れ落ちる。


その落下に合わせるようにトウヤとイブは落ちていった。


いや、空を飛ぶ力を接近戦に使う力に切り替えたのだ。


互いに崩れ落ちる上部を避け、残る本体の方へ近づくと、刃を建物に突き刺した。


加速する落下スピードを建物本体に刃を刺し切り崩しながら落ちる。


切り崩すときのその抵抗力で刃を経由させて落下スピードを落としている。


残りの魔力を全て相手との戦闘のためにまわす。そこまで徹底したのだ。


ある程度地面に近づくと刃を抜き、建物を蹴り互いに距離を詰める。


今度は打ち合いになる。


そう思われたが最初の一撃で勝負がついた。


イブは予定通り、岩や砂を操りながら刃を交えるつもりだった。


だが最初に打ち合った瞬間、凄まじい衝撃を受けた。


(何が……起こったの!?)


強すぎる衝撃に目が回り、頭も体も動かなかった。


視界の端でトウヤが動くのが見えた。


(次の……次の攻撃が……!)


防御のために腕を出し止めようとした。


だがその瞬間、さっきと同じ衝撃が全身を駆け抜けた


「いっ……!?ぐっ……」


意識が刈り取られそうになったが何とか取り留めた。


だが全身に力が入らず、そのまま倒れ込んだ。


「何……を……!?」


「“風打ち・第五座・(ふるえ)”、俺の魔法だよ」


トウヤがそう言うとイブを抱きかかえ飛び上がった。


そしてそれと同時に落下していた建物の上部が地面に落ち、大量の粉塵が舞い上がった。


粉塵が届かない場所まで移動したトウヤはそのままイブを降ろした。


「あれを狙うために、武器には何もつけていなかったのね」


「ああ、不意を突かないと勝てそうになかったからね」


空間を振動させ襲う“(ふるえ)”は普段足先や手で使うが、特には発振源は固定ではない。


つまりデバイスに付けることで、打ち合いとなった時に不意を突くことが出来る。


そうやって確実に当てたのだ。


あとは動けなくなったとことを狙い連続で攻撃したら、相手は完全に倒れるだろう。


「はは……いい勝負だった、私の負けよ」


「ああ、安心するといいさ」


本気のイブも止めることが出来た。


これでイブが憂いていた物が全て無くなる。


この瞬間、エルメント・ジュエル、トウヤチームに新しい仲間が加わった。


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