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イブ2

後日、イブが完治し戦闘訓練が可能になった頃、イブの要望通り戦闘の場を設けた。


「あれが、トウヤのとこの新しい子?……ぐぬぬ」


「どした?」


「また可愛い子連れて来て……」


「……おい!」


観覧席から覗くルーとミナも見守る。


「ほんと、何であいつの周りには可愛い子しかいないのかしら?」


「顔は見てないと思うぞ」


「ああいう趣味なんでしょうね」


「実力主義だと思うぞ」


「ほんと、あたしが霞んじゃうじゃない」


「……悔しいんだな」


「だって上級貴族になるかもしれないんでしょ?」


「トウヤはそんな気無いと思うけどな」


「でも逃げられないでしょ?」


「……まあ、そうだな」


「もう!すごくめんどくさい!」


下級でさえ面倒事が多いのに、上級となればもっとあるだろう。


そのあたりは同じ貴族でもあるルーとミナはよく知っているつもりだ。


「トウヤは二人が騒ぐほど出世したんだな」


二人の元にセレス一行がやってきた。


「ええ、出世し過ぎて面倒な人になってきてるわ」


「それはその通りだな」


そう言いながらセレスは席に座った。


「そっちはあれだけベタベタくっ付いてたのに大丈夫なのか?」


ミナがティアに話を振る。


「いやーそんな事言ったら、地位で人を見てる感じになっちゃうじゃん」


「知る前だから平気じゃないか?」


「それにやっぱりこう、燃え上がるものが無いとダメだよね」


ティアは小さいトウヤが大変良かったらしく、周りも驚くほど暴走していた。


だが大きくなったら徐々に気持ちが落ち着いたらしいく、今は普通らしい。


それに……


「ああ、三人は初めてかな?緊張せずに座って」


「は、はい」


セレスは新しくギルドを立ち上げ、現在はそのメンバー五人で動いている。


そしてミナ達はセレス、ティアとは面識があったが、その他とは無かった。


そのため、貴族相手と言うことで三人ともやや緊張気味だ。


そしてミナは端っこに居る小柄な男の子を見た。


男性魔導士はあまり多くない環境なので、やはり目を引く。


が、それよりも……


(小柄、可愛い、年下の男の子)


誰かさんを連想してしまった。


「ねぇ、あの子ってもしかして……」


ミナは念話でセレスに話しかけた。


「あ、ああ……想像の通りだ」


その返事を聞いてティアを見るを、うっとりとした顔でその子を見ていた。


「よく見つけたね」


「あんなにデカくなるとは思ってなかったから苦労したよ」


「……何も起きないことを祈ってるよ」


ミナは何も見なかったことにした。


(ギルドを立ち上げるって大変だなぁ)




「と、まあ、イブが思いっ切り戦える戦場を用意した。

ギャラリーがいるけど気にしないでくれ。あとは……逆に何かある?」


「いえ、十分よ」


訓練場はトウヤのイメージで都心を思わせる場所。


高層ビルのようなものが多く立ち並んでいる。


イブからのリクエスト、高い岩が多く立ち並ぶ場所とのこと。


ポーラは岩場をイメージしたが、変化が少なく記録にあまり向かなかったが、

トウヤがアスファルトやコンクリートの高層ビルの都心をイメージで再度作り直した。


ちなみに魔導士同士の訓練になるため、記録が同時に行われる。


イブも見慣れないものらしいが、一部を壊して岩ないし、土が原料であることを理解した。


しかし岩場を指定するとは、何を狙っているのだろうか?


そしてイブのもう一つの暴走とは?


「全力でやってもらって構わないよ。俺もあの時は全力でなかったし、

今回は俺達より強い人が見守ってくれている。殺す前に止めるよ」


「うん、ありがとう」


そう言うとイブは魔法を使い、その影響で髪が逆立った。


そして両手が鉤爪のように鋭く尖り、淡い黄金色の光を発している。


魔力光、魔法の陣が現れることでより強力な魔法への前段階の準備。


その時陣の光が個人で違う。


イブは闇属性と思われるが、魔力光は真逆の明るい色なのだろう。


「はあっ!」


さらにイブは魔力を込めるとコンクリートが波打ち始めた。


「これは!?」


ゆっくりとイブの体がコンクリートの中に沈んでいく。


いや、足元だけ沈めたのだろう。


それ以上は沈んでいない。


「私の能力は体を変化させ、操ること。糸のように細くしたり鉄のように硬くしたり。

そしてもう一つ、ある特定の無機物もその対象にすることが出来る」


「なん……だと!?」


つまり条件次第では圧倒的に有利になる。


「その特定の物は……岩や石といったものよ」


「!?」


そう、イブが指定したのは岩場、つまり操る対象に囲まれている。


岩や石、そんなものは世界中にありふれている。


それらを操れる。


そんな能力で、暴走時であればこれほど恐ろしいことはない。


「そして……」


イブは溜め込んだ魔力を一気に放出した。


そしてその影響で見た目に少し変化が生じた。


「これは……!?」


少し若返ったように活性化した見た目。


発せられた魔力も荒々しく動いているが、イブの周りに留まり続けている。


「これが、もう一つの暴走よ」


「は……ははっ……すげぇな」


トウヤは思わず笑ってしまった。


「……余裕ね。それとも強さが解からないから笑っているのかしら?」


「いや、強さは解かっているつもりさ」


「どういうこと?」


「それは俺達、魔導士は“限界突破(オーバードライブ)”と呼んでいる」


「知っているの?」


「ああ、全員が使えるわけではないが、同じことが出来るよ」


そう言うとトウヤも“限界突破(オーバードライブ)”を見せた。


「それは暴走じゃない。俺達の切り札だ」


魔法について詳しくないイブにとって、これは暴走の一種だと考えても仕方ない。


「そう……よかった。じゃあ、止められるよね?」


「ああ。ちゃんと止めてみせるさ。大切な仲間のためにもな!」


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