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王の呪縛

「アダム、なぜそいつを殺さない?」


威圧的な目で王はアダムを睨みつけた。


「イブが連れて来たんです。客人ですよ?無下にするのは失礼では?」


「なぜお前がそれを決める?」


「……出過ぎた真似をしました」


「なら殺せ」


王の言葉にアダムが構える。


だがイブが両手を広げ立ち塞がる。


「待ってください!本当に客人なんです!」


「……イブ、お前は本当に心身の不調か?」


「!?」


「アダムから心身の不調で殺しに支障が出始めたと聞いた。切り捨てろと言ったが、

アダムは休ませてやってくれと頼まれ、特別に許してやった。

だが、今見る限り、それは無いように見えるんだが?」


王はアダムを睨みつけている。


「休んで十分回復したのでしょう。だが、そいつに何か唆されたのでは?

殺ししか能の無い俺達を騙して何か企んだのでしょう」


「……ふん、そのようにしてやろう。ならば、わかってるな?」


「はい、殺します」


急にアダムの姿が消えた。


キン


イブの後ろから金属がぶつかる音が聞こえた。


アダムはイブを避けトウヤを襲ったのだ。


しかしトウヤも見切っていたようで、デバイスで防いだ。


そしてイブから離れるようにトウヤは後方へ下がり、アダムはそれを追った。


「待って!そんなこと――」


「イブ!」


王の威圧的な呼び方に体が一気に固まった。


「あんなのに唆されるなんて、お前には調教が必要なようだな」


「ち、違う……違う……」


王は何かのスイッチを取り出すと、即座にボタンを押した。


「いやあああああ!!」


「イブ!」


悲鳴を上げるイブに近づこうとしたが、アダムが立ち塞がった。


「くっ!」


パッと見た感じ何か起きているかわからない。


「あれは俺達を縛り付ける幻覚を見せている」


「幻覚?」


「体の中で虫が蠢いたり、体中が焼かれたり……お前も見てみるか?」


「クズが!」


幻覚を見せる魔法だろか?そのような拷問のような魔法が存在する。


ならば解除したらいいが……


アダムが邪魔をしてイブに近づけない。


「おい!」


「王の命は絶対。俺達はそれに縛られている」


「……ああ、なるほど」


王の命、トウヤの抹殺と王の護衛が絶対順守。


それに従わなければアダムも拷問の対象になるだろう。


アダムも拷問は受けたくないし、それを受けたら行動不能になる可能性がある。


アダムは立場上トウヤの邪魔をするしか出来ないのだろう。


ん?待てよ?


「アダム……あんた、やっぱり弟なんだな」


「ふん、なんのことやら」


二人とも殺しの衝動があるが、やっぱり人間だ。


しかも姉弟揃って相手の無事を願っている。


ポーラの人を見る目は間違いないと思えた。


ならば後は王の拷問を防ぐこと、アダムに強さを見せる事だ。


トウヤは素早くアダムに切りかかる。


本気で切るつもりだったが全てアダムに防がれた。


そして今度はアダムが切りかかる。


トウヤは躱す、受け流すを繰り返しアダムとの距離を詰める。


アダムは接近戦に備え体の変化を変えると、トウヤは急に距離をとった。


「?」


アダムが不思議に思っていると、トウヤは刀身をアダムの方に向けた。


そしてパチパチと刀身に電気が弾けるような音がした。


(まさか、遠距離!?)


アダムがそう思うと同時に刀身から何かが放たれた。


「!?」


アダムは間一髪避けることが出来た。


だがそれはトウヤの狙い通りだ。


アダムが避けた砲撃は王の近くの地面に直撃した。


「!?」


思いもよなぬ攻撃に王は驚いた。


「王様!」


アダムは王の無事を確認した。


だがそれはトウヤから目を離すことになる。


トウヤはその隙をついて動いた。


(またたき)!」


瞬時に移動できる魔法を使い王の目の前に移動、そして王に触れた。


「うぐぅ!?」


低い呻き声と共に王は力無く倒れた。


「王様!」「貴様!」


トウヤはついでに近くにいた兵士を同じように一掃した。


「……何をした?」


「ん?ああ、これでバチッとね」


トウヤは親指と人差し指でCの形を作ると、指先の間にバチバチと電気が流れた。


いわゆるスタンガンのようなもので王や兵士達を気絶させたのだ。


「なんてことを……」


「だが、これで壊せるだろ?」


トウヤは王が持っていいたスイッチを取り、地面に落とすと、勢いよく踏みつけ破壊した。


「……お前は本当に王様から俺達を助け出すつもりなのか?」


「ああ」


「何人もの人間を殺してきたのに?」


「ああ、それは俺も同じようなものだ」


「何!?」


「俺も世の為人の為と言いながら殺してきた。だから俺は気にしないし、

他の連中にも何も言わせない。だからそれに負い目を感じる必要は無い」


「……ふっ、お前は良いやつみたいだな」


「そうか?仲間内に甘いと言われるが、他人にそんなこと言われたこと無いな」


「だが殺しは殺し、どこかで償わなければならないと思っている。

それはイブも含めて、だろうけどな」


「ならば俺達とスグに来てほしい。ここは危険なんだ」


「どういう――!?」


急に風が強まり、地面が揺れだした。


そしてその風に時折熱いのが混ざっている。


「ヤバい!イブ!大丈夫か?」


トウヤはイブの様子を伺うが、目が虚ろで小刻みに震えていた。


イブはこのまま担いだほうがいいだろう。


「何が起きている!?」


「この惑星(ほし)は今太陽に向かっている。急いで脱出するんだ!」


「脱出って何処へ!?」


「俺達が住む別の惑星(ほし)に転移する。掴ま――!?」


このまま脱出しようとしたが、アダムの背後に現れた人影に阻まれた。


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