邪教聖女~TS転生返しの話
「実は、娘がおかしいのです」
熱病で二週間寝込みました。
回復術士も効かない。熱病です。
まず。言葉使いが変になりました。
『あ~、もうね。う~ん。もお』
年寄りのような言葉使いをします。
そして、お出かけをした時にボロ屋敷を指さし。
『あの屋敷にお金があるよ』
『コレット、卑しいことを言ってはいけません』
『金主になってもらって金貸しをしようよ』
幼女らしからぬ事を言います。
ええ、事実、その家門は、災害の時に領民にお金を貸し出しました。
屋敷には金をかけないようでして。
「それだけじゃ、分からないわね。でも、多分、TS転生という奴かもしれませんね」
「テーエス?とは」
「さあ、私もわからなのでさ」
私は邪教聖女サリー、前世持ちだ。生まれたときに気がついたタイプだ。
前世は邪教の家だった。
しかし、憑依して乗っ取るタイプもあると聞いた。
これは、良い事なのか?悪い事なのか?
「因果かもしれません。ちょっくら、お嬢様とお話をします」
「ちょっと!」
ドンとノックもせずに入れば。
ほお、ご令嬢なのにベットの上であぐらをかいている。
「ピンク髪、え~、可愛い~・・・タァスヶテ・・」
5歳か。まだ、魂を取り戻せるか?体の中にコレット様はいる。助けてと声が聞こえた。
話し方は無理矢理令嬢言葉を真似ているな。
「抱っこして」
5歳で抱っこは初対面の者に要求しない。
もしや、大物か?カルトの。術式、言葉縛り!
「アンカレータ!」
あるカルト教の宇宙神の名前だ。
幼女は答える
「ボーホー・・・」
ほう、謗法か。日蓮系か。
「世界平和!」
ニッコリ!
「対談!」
ニッコリ!
「富士粒石寺」
ゲンナリ。
これは、敵対している宗派の名前だ。埼玉系は、この名前を自らつけている。敵対しているが憧憬も持っている。非常にワケワカメ状態だ。ワケワカメ?私もおばさんで転生したんだっけ。
「北方大学100万元の寄付」
プィ!
・・・これは、大戦果報告会の大物幹部。早いこと魂を隔離しないと!
「因果です。邪教に乗っ取られる寸前です。お嬢様を拘束して!」
「え、そんな」
「でも、確かに・・・」
「あたしゃ、王宮のお墨付きだよ。さっさとやる」
「「「はい!」」」
やりたくないが、令嬢をベットに縛り付けた。
「ウワ~~~~ン」
「お嬢様!」
「君、もし、違ったら訴えるぞ!」
「ええ、訴えて下さい」
リュークを手に持つ。
ベン♩ベン♩ベン♩
「さあ、私に合わせて、唱和をお願いします!」
日本語で詠唱する。
ベン♩ベン♩ベン♩
「(国会証人喚問!)」
「こっかいしょうにんかんもん・・・」
「もっと、大きな声で!」
「ウワ~~~~ン・・・・ビクン」
少し、反応したか。
「続けて!(国会証人喚問!)」
「「「「こっかいしょうにんかんもん!」」」」
詠唱を続けたら、日本語が出てきた。こりゃ、ビンゴだね。因果だね。
「(ワシを守れ!師を守れ!)」
「ヒィ、やっぱりとりつかれていた!」
「続ける!(国会証人喚問!)」
「「「こっかいしょうにんかんもん!」」」
☆回想
「佐里、仏敵、自由正義党の悪が滅する祈りをするよ」
「え、やだよ。お母さん。おかしいよ。政治の世界だよ」
「何言っているの!議員先生はピケを作って対抗しているのよ!お師匠を守るわよ!」
「ナンミョウホウレンゲーキョー!・・・」
・・・・・・・・
☆3時間後
「「「こっかいしょうにんかんもん・・」」」
バタン!
「コレット様!」
「コレットや」
「フウ、次、目が覚めたら、ご令嬢に戻っているでしょう。成功です」
サリー男爵令嬢、前世は大戦果報告会所属だった。
今世は異世界で生きている。もっぱら、悪い転生者を撃退するのが仕事である。
悪の力で、悪を見抜き。悪を断つ。
ピンク髪のなり損ないの男爵令嬢だ。
最後までお読み頂き有難うございました。