第7話:笑いの魔王の噂
♢♢♢♢♢♢魔王の噂♢♢♢♢♢♢
「おいフィル、聞いたか?」俺は興奮気味に言った。「なんでも『笑いの魔王』ってのが現れたらしいぞ」
フィルは魔法の杖を磨きながら首を傾げた。「笑いの魔王?なんだそりゃ、ピエロの親玉か?」
「いや、もっとヤバい存在らしい」俺は周りを見回してから小声で続けた。「笑いを使って人々を支配してるんだって」
「はぁ?」フィルは呆れた顔をした。「笑いで支配?お前、それただのお笑い芸人じゃねぇか」
「違うんだって!」俺は必死に説明する。「笑いを奪うんだよ。一度笑いを奪われたら、二度と笑えなくなるらしい」
フィルは急に真剣な顔になった。「おい...それって...」
「ああ」俺も頷く。「俺たちの天敵ってわけだ」
「いや、違うよ」フィルは首を振った。
「え?」
「俺たちのライバルだ!」フィルは興奮気味に言った。「考えてみろよ。笑いの魔王vs笑いの勇者!これぞ究極のお笑いバトルじゃねぇか!」
「おい、おい」俺は頭を抱えた。「お前、状況分かってんのか?」
♢♢♢♢♢♢笑いの魔王の謎♢♢♢♢♢♢
俺たちは早速、笑いの魔王に関する情報収集を始めた。が...
「なぁ」俺は不思議そうに言った。「笑いの魔王ってさ、どんな技使うんだろうな」
フィルは腕を組んで考え込んだ。「うーん、『必殺!ツボクサガリ』とか?」
「おい」俺はツッコんだ。「それ単なる変な格闘技だろ」
「じゃあ、『奥義!爆笑パンチ』は?」
「いや、それ笑わせるだけじゃん!」
俺たちは頭を抱えた。
「そもそもさ」俺は真剣な顔で言った。「笑いの魔王って、何が目的なんだろうな」
フィルは首を傾げた。「世界征服...とか?」
「いや、でもさ」俺は疑問を投げかける。「世界中の笑いを奪って、それで何するんだよ」
「そうだな...」フィルも考え込む。「笑いのない世界なんて、魔王自身もつまんなそうじゃね?」
「だよな!」俺は同意した。「笑いのない世界の王様ってさ、ピエロのいない悲しいサーカスの団長みたいなもんだろ」
フィルは突然笑い出した。「おい、想像したらめちゃくちゃシュールだな。暗〜い顔して王座に座ってる魔王の図」
「そうそう!」俺も笑いながら言った。「部下に『世界征服の進捗はどうだ?』って聞いても、誰も笑わないから場が凍りまくるんだぜ」
俺たちは笑いの魔王の悲惨な状況を想像して、大爆笑した。
♢♢♢♢♢♢ネタ:「笑いの魔王って何だよ!」♢♢♢♢♢♢
その夜、俺たちは宿で「笑いの魔王」についてのネタを考えていた。
「よーし、行くぞフィル」俺は立ち上がった。「笑いの魔王、登場!」
フィルは急に真顔になり、低い声で言った。「我こそは笑いの魔王なり。汝らの笑いを奪い取るのだ」
「えっと...」俺は困惑した表情で言う。「笑いを奪うって...具体的に何するんですか?」
フィルは「魔王」のまま答える。「むっふっふ...汝らのツボをな...」
「はい?」
「くすぐるのだ!」フィルが叫ぶ。
「くすぐる!?」俺は驚いて叫び返す。「いや、待って。それ笑わせるだけじゃないですか!」
フィルは「魔王」を演じながら答える。「そうだ。笑いすぎて疲れ果て、もう二度と笑えなくなるのだ!」
「いや、それただの筋肉痛だろ!」俺はツッコむ。「しかも、翌日には治ってるって!」
フィルは「魔王」の設定を崩さずに続ける。「ならば、我が秘密兵器、『爆笑ガス』を使うまでだ!」
「爆笑ガス!?」俺は目を丸くする。「いや、もはやテロでしょ、それ」
「ぐぬぬ...」フィルは「魔王」を演じながらも困惑した表情を見せる。
俺は真顔で言う。「ねぇ、笑いの魔王さん。あなた、本当に悪役やる気あります?」
フィルは「魔王」の設定を崩して答える。「いや〜、難しいわ〜。笑いを奪う方法が思いつかねぇ」
俺たちは顔を見合わせて大爆笑した。
♢♢♢♢♢♢笑いを磨く旅♢♢♢♢♢♢
翌日から、俺たちは笑いの魔王に備えて旅を続けた。道中、様々な村や町で漫才を披露しながら、笑いの力を磨いていく。
ある村では...
「え〜、皆様」俺は村人たちの前で声を張り上げた。「笑いの魔王が来たらどうします?」
村人たちは不安そうな顔を見せる。
「大丈夫です!」フィルが続ける。「我々がいれば...」
「『爆笑必殺技』で!」俺とフィルが同時に叫ぶ。
「撃退してみせます!」
俺たちは息を合わせて、滑稽な動きで「爆笑必殺技」を披露した。村人たちは最初は困惑していたが、やがて笑い出し、最後は大爆笑の渦に包まれた。
別の町では...
「皆様」俺は真剣な顔で言った。「笑いの魔王対策、教えます」
町の人々が興味深そうに耳を傾ける。
「まず」フィルが続ける。「鏡を用意してください」
「そして」俺が言う。「笑いの魔王が現れたら...」
「鏡の前で、こう叫ぶんです!」フィルが叫ぶ。「『鏡よ鏡、この世で一番面白いのは誰だ?』」
「すると」俺が説明する。「魔王は自分の姿を見て『それは我であろう』と答えるはず」
「そこで」フィルが triumphant な表情で言う。「『じゃあ、あなたが笑わせてよ』と言えば...」
「魔王、爆笑芸人になっちゃいます!」
町の人々は一瞬呆気にとられたが、すぐに大爆笑となった。
こうして、俺たちは旅を続けながら、笑いの力を磨いていった。
♢♢♢♢♢♢笑いの魔王との邂逅♢♢♢♢♢♢
そしてついに、俺たちは笑いの魔王が支配するという町にたどり着いた。
町に入ると、異様な光景が広がっていた。
「おい、フィル」俺は小声で言った。「なんか変だぞ、この町」
フィルも周りを見回しながら頷く。「ああ...みんな、妙に真面目そうじゃねぇか?」
確かに、町の人々は皆、まるで葬式に出席しているかのような厳粛な表情をしていた。笑顔どころか、話し声すら聞こえない。
「くそっ」俺は拳を握りしめた。「やっぱり笑いの魔王の仕業か」
「お前」フィルが俺の肩を叩いた。「あそこ見ろよ」
フィルが指さす方向を見ると、町の中心に巨大な城が建っていた。その城の壁には、巨大な「笑」の文字が刻まれている。
「あれか」俺は目を細めた。「あそこに笑いの魔王が...」
「おい」フィルが俺の腕を引っ張った。「行くぞ。俺たちの出番だ」
俺は深呼吸をして、フィルに頷いた。
「よし、行こう。笑いの魔王、覚悟しろよ!」
こうして、俺たちは笑いの魔王との決戦に向けて歩き出した。果たして、彼らは笑いの力で魔王を倒し、町に笑顔を取り戻すことができるのか?
...to be continued.