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第5話:ギルドマスターの笑い講座

♢♢♢♢♢♢ギルドマスターとの対面♢♢♢♢♢♢


ギルド本部に到着した俺とフィル。案内された部屋に入ると、そこにはまるで岩から彫り出したかのような厳格な顔つきの老人が座っていた。


「おっと」フィルが小声で言った。「なんかヤバそうな雰囲気だぞ」


「シーッ!」俺は慌ててフィルを黙らせた。


老人は鋭い目つきで俺たちを見つめ、重々しい声で口を開いた。


「君たちが...噂の漫才コンビか?」


その一言で、俺たちの背筋が凍りつく。


「は、はい!」俺は緊張しながら答えた。「我々は笑いの勇者です!異世界を笑いで救うために...」


「ふむ」老人は目を細めた。「実は...私もかつて笑いの道を極めた男だったんだ」


「えっ!?」俺とフィルは思わず声を揃えた。


老人...いや、ギルドマスターは立ち上がると、突然くるりと回転し、派手なポーズを決めた。


「驚いたか!?実は私こそ、かつて『笑撃のギルマス』と呼ばれた伝説のコメディアンなのだ!」


俺とフィルは呆然と立ち尽くした。


♢♢♢♢♢♢ギルドマスターの過去♢♢♢♢♢♢


「昔々...」ギルドマスターは懐かしそうに語り始めた。「私は異世界一のコメディアンだった。冒険者たちだけでなく、モンスターたちまで笑わせるのが得意でな」


「モンスターまで!?」俺は驚いて聞き返した。


「ああ」ギルドマスターは得意げに言った。「ドラゴンのくしゃみを誘って火を噴かせたり、ゴブリンの耳をくすぐって『ギャハハ』と笑わせたり...」


「それ、ただの拷問じゃねぇか!」俺は思わずツッコんだ。


ギルドマスターは真顔で続けた。「しかし、ある時悟ったのだ。笑いとはただ面白ければいいというものではない。最も重要なのは...」


ギルドマスターは急に立ち上がり、窓の外を指差した。


「あそこだ!」


俺とフィルは慌てて窓の外を見た。


「え?何もねぇぞ?」フィルが首を傾げた。


ギルドマスターはニヤリと笑った。「今のが『タイミング』だ」


「はぁ!?」俺とフィルは顔を見合わせた。


♢♢♢♢♢♢笑いの鉄則♢♢♢♢♢♢


「よし!」ギルドマスターは机を叩いた。「今から君たちに笑いの極意を伝授しよう。覚悟はいいか?」


「おう!」俺たちは力強く答えた。


ギルドマスターは急に真剣な顔になった。「笑いの道は険しい。時に死と隣り合わせだ」


「え?死!?」俺は驚いて声を上げた。


「冗談だ」ギルドマスターはニヤリと笑った。


「おい!」俺は思わずツッコんだ。


「今のがタイミングだ」ギルドマスターは満足げに頷いた。


俺とフィルは呆れながらも、ギルドマスターの指導に従うことにした。


「まずは実践だ」ギルドマスターは杖を取り出した。「今からギャグをやってもらう。そのタイミングを私が指導する」


「よし、フィル」俺は気合を入れた。「行くぞ!」


フィルが魔法の杖を振り上げる。「『スーパー・ウルトラ・メガ・ファイアボール』!」


ポン!と小さな火の玉が現れた。


俺は即座にツッコもうとしたが...


「待て!」ギルドマスターが叫んだ。「まだだ...まだだ...」


俺は必死に我慢する。


「今だ!」


「これのどこがスーパーでウルトラでメガなんだよ!」俺は全力でツッコんだ。


「おお!」ギルドマスターは拍手した。「良いぞ!ボケが完全に発展するまで待つことが大切なのだ」


俺とフィルは何度も練習を繰り返した。


「フィル、お前のボケ、もっとためろ!」


「俺、もう限界...」フィルは顔を真っ赤にしながら、必死にボケを我慢していた。


「もう少し...もう少し...」


「はぁ...『ビッグ・バン・バーガー』...」


突然、フィルの頭上に巨大なハンバーガーが現れた。


「うわっ!」俺は慌てて避けた。「でけぇ!...って、今のはタイミング悪かったか?」


ギルドマスターは首を振った。「いや、むしろ完璧だ。予想外の展開こそ、最高の笑いを生む」


♢♢♢♢♢♢タイミングを掴むための修行♢♢♢♢♢♢


ギルドマスターの指導は続く。


「次は町の人々を相手に実践だ」


俺たちは町の広場に立たされた。


「よし、フィル」俺は囁いた。「『プチフリーズ』だ」


フィルが杖を振ると、通りがかりの男性の足元が少し凍った。


「おっと」男性はつまずいた。


俺はタイミングを計って叫んだ。「プチって何だよ!全部凍らせろよ!」


しかし、誰も笑わない。


「タイミングが早すぎた」ギルドマスターが指摘した。「もう少し状況が発展するのを待て」


何度も失敗を重ねるうちに、俺たちは少しずつコツを掴み始めた。


そして、ついに...


フィルが「プチフリーズ」を唱える。男性がつまずき、転びそうになる。周りの人が心配そうに近づく。そのタイミングを見計らって...


「プチって何だよ!全部凍らせろよ!危険じゃねぇか!」


周りから笑い声が起こった。


「やった!」俺とフィルはハイタッチした。


♢♢♢♢♢♢ギルドマスターの教え♢♢♢♢♢♢


練習を終えた俺たちにギルドマスターが近づいてきた。


「よくやった」ギルドマスターは満足げに頷いた。「君たちは確かに成長した。しかし...」


俺とフィルは緊張して聞き入った。


「本当の笑いは、ここにある」ギルドマスターは自分の胸に手を当てた。


「心...ですか?」俺は恐る恐る聞いた。


「いや」ギルドマスターは真顔で言った。「ポケットだ」


「はぁ!?」俺とフィルは驚いた。


ギルドマスターはポケットから小さな本を取り出した。


「『一発芸大全集』だ。これを参考にするといい」


「おい!」俺は思わずツッコんだ。「結局それかよ!」


ギルドマスターは大笑いした。「これも笑いのタイミングだ。最後の最後で予想外の展開を入れるのさ」


俺とフィルは呆れながらも、笑いが込み上げてきた。


「さあ、行け」ギルドマスターは俺たちの背中を押した。「君たちの笑いで、この世界を救うんだ」


俺たちは新たな決意を胸に、次の冒険へと旅立った。


果たして、この「爆笑魔法コンビ」は、本当に世界を救えるのか?そして、ギルドマスターの秘蔵の一発芸は何なのか?


俺たちの笑いと魔法の大冒険は、まだまだ続く...


...to be continued.

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