でもまた書くんだな
いかにシステムをハックしてやるか。
そういった方法論は、巷に腐る程溢れている。
ホント腐る程にね。
でも時代の流れが早いから、どんどん腐ってく。
流行り廃りが激しくて、昨日まで人気だったものが、たった一夜で酸っぱい臭いをさせている。
右を向けば甘いコンテンツがあって、左を向けば辛いコンテンツがあって。
前にも後ろにも魅力的なコンテンツがポンと置かれてる。
素知らぬ顔でね。
1ページの冒頭だけ読んでみて、探し求めていたものが見つかれば、また次を探してみる。
それを繰り返してると、読む時間すらも惜しくなって、タイトルとかタグとかで切り捨てながら、拾い上げる作業をする。
ふるいにかけて残った物をキープしておいて、時間ができたら読んでみて、冒頭がダメならポイっと捨てる。
コンテンツの中から、心を満たしてくれるものだけを選んでく作業が、射幸心を駆り立てて、いつしかギャンブル性を帯びていく。
分かってるのに止められない。
そんな渦の中でも、希望を持って書いている。
念入りに下調べして、できるだけ教本に忠実に書いて、時間をかけて趣向を凝らしてみるんだ。
システムハックの方法論を信じて、ようやくできた作品を投稿してみる。
満を持して、期待に胸を躍らせてさ。
そしたらこれが、驚くほどに見向きもされない。
教本通りにやったのに。
おかしいなと思って、見返してみると、手に入れたのは一月前。
なんか臭うなと思ったんだ。
とっくに腐ってた。
はあとため息をついて、伸び悩む棒グラフを眺めて、意味もなくランキングをスクロールなんかしてさ。
そうやって1日無為にして、結局新しい物語を書いちゃうんだな。
分かってるのに止められない。
みんな、分かってるのに止められない。