【SS】クリスマスイブの思い出
本日2話目の投稿となります。
このお話は昨年、2023.12.24のクリスマスイブの日に投稿しましたSSです。
第94話『悪役令姫の掘った墓穴の大きさに驚く』を投稿した日ですね。
まだストーリーが固まり切っていない状況で、内容的に少々先行し過ぎていたので、一週間ほど公開して削除しました。
元カレの正体が明らかになった現時点なら、話の内容が繋がるという事で再掲載しました。
※この話の時点で主人公は数えで10歳、まだ幼女でした。
日時計の観察で一番影が長い日だったようです。
昨日測った影が僅かに短くなっていました。
という事は、一昨日は多分冬至だったと思います。
という事は、今日は現代で言うクリスマスイブですね。
クリスマスイブというと私はとある公園の木を彩ったイルミネーションを思い出します。
LEDをふんだんに使って、色が変わっていく様子を寒空の下3時間も見続けた思い出です。
肝心の待ち人はこちらに向かっているらしいですが、まだまだ掛かりそうでした。
時間を間違えた上に、渋滞を考慮していなく、そもそも出発する時間からして見込みが甘くて間に合うはずもない。
ホントにどうしてこんな人を好きになったのか自分でも謎でした。
よく出来た人……ではなく、謝る事が下手で、頭はいいけど肝心なところは抜けていて、多分イケメンではないでしょう。
安心感のあるという意味では好みではありましたが……。
時間が経つごとにこのまま帰ろうかとも思いつつ、やはり帰らずにずっと待ちます。
周りはカップルか家族連れだというのに。
私にとって唯一の人、でした。
もう会えない人。
例え現代に戻ったとしても会えません。
もし私が1400歳まで長生きすれば会えるかも知れません。
『竹取物語』によれば不死の薬があるらしいし。
今の私は現代の自分を思い出さない事が多くなりました。
思い出が知識へと置き換わっているような感じです。
でも心の奥深くにはまだまだ思い出というものが残っているのだと、ひとりオコタに入って心の中の疼きを懐かしみます。
まだ少し痛いけど……。
ちょっとやってみましょう。
クリスマスツリーに挑戦です。
小さい光の玉を出してもみの木に飾りつけたような配置に浮かべます。
簡単に出来ましたが何か物足りないです。
色を変えてみましょう。
単色は味気ないのでいく種類か色パターンを試します。
だんだんとあの日のクリスマスツリーに似てきました
ついつい凝ってしまいます。
多分7世紀にクリスマスツリーは世界のどこを探してもないでしょう。
クリスマスってキリストの生誕祭でしたっけ?
それとも復活祭?
サンタクロースのモデルになったのは聖・クルースさん?
いや、セントルイスさんでしたっけ?
日本の神様にはそこそこ詳しいけど、キリスト教の知識は全然です。
考え事をしながら、ツリーもどきをあれやこれやと弄ってくるとあの日の事が蘇ってきます。
でも肝心の人は来ないのですけどね。
3時間くらいしてツリーは完成しました。
その時、お婆さんが暖かい飲み物を持ってやってきました。
キラキラ光るツリーもどきを見てビックリしています。
「かぐや、これは何なんだい!?」
「飾りだよ。綺麗でしょ?」
「ほぇ〜〜、この世にこんな綺麗なものがあるだなんて知らなかったよ」
「ちち様にも見て貰おう。
他のみんなを呼んで」
「そうだねぇ。こんなに綺麗なものを見たら寿命が延びそうだよ」
そう言うとお婆さんはお爺さんを呼びに行きました。
この時代ではツリーを見るだけでも幸せなのだと思うと、現代にいた自分自身がいかに恵まれていたのか、と思わずにいられません。
やがてお爺さんがやってきました。
「かぐやよ。
何じゃこりゃー!」
何か久しぶりですね。
お爺さんのこうゆう反応。
住み込みの家人さん達も恐る恐るやってきました。
「みんな、入って。
せっかく作ったから楽しんで」
家人の皆さんはオコタに入る私達の後ろに座って目をキラキラさせてクリスマスツリーもどきをじっと観ています。
何となくクリスマスっぽい雰囲気になりました。
せっかくなのでとっておきのハチミツを出しましょう。
可動式の本棚には私の秘蔵の品が隠してあります。
が、それは内緒なので一番表側にある棚に置いてある蜂蜜を取りました。
細かく千切った紙に少しづつ垂らして皆んなに分けてあげました。
家人の皆さん、恐縮しながらも甘味を楽しんでいます。
何だか良いね。
こんなクリスマスイブも。
私はこちらで楽しんでいるから見守っていてね。
私の大切だった人……。
第24話『チート舞をご披露(2)』でクリスマスの思い出の話がチロっとありました。
その思い出とはどんなだっただろうと考えながら書いてみました。
思いつくままに書いたので、文章が荒くて申し訳ありません。
もし話の本筋と整合が取れなくなりそうな場合、消すかも知れません。
本当は修正したい部分がたくさんあるのですが、敢えて投稿当時のまま再投稿しました。
この話を読みながら、作者も執筆当時の事を思い起こしました。
左足ふくらはぎの肉離れの大怪我を負って2ヶ月半、まだこの頃は外へ出る時にギブスをしておりました。




