表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

188/585

飛鳥時代の経済学

⭐︎1評価のショックで本日は今ひとつ調子が出ませんでした。

笑いを取ろうとしても滑りそうなので、面白みが全く無くて申し訳ありません。

そのうち立ち直ると思います。

m(_ _)m

 遣唐使船が出航した翌々日。

 私は飛鳥へと飛びました。

 もちろん比喩ですよ。


 従業員(スタッフ)の皆とお得意様には、またまた不在にする非礼を詫びて、建皇子様にも謝りました。

 建皇子は思いっきり不機嫌でした。


 ごめんね。


 ◇◇◇◇◇


 この時代の土地に関する概念ですが、土地の所有権をハッキリと明文化したのは有名な大宝律令から、つまり律令制が成立した後です。

 それ以前、つまり今がどうなっているかと言うと、豪族の私有地が田荘(たどころ)、皇族の私有地が屯倉みやけといい、私有地の広さが権力に直結しています。

 社会科の授業では大化の改新で公地公民が為されたなんて習いましたが、大化が過ぎて白雉の元号になった今でも公地公民を実感出来ておりません。

 改心の詔で班田収授を目指したみたいですが、その通りにした氏族はごく一部だけだったみたいですし、未だに廃止するはずの国造は残っています。


 話は逸れましたが、要は土地の所有権は曖昧です。

 曖昧なだけに何でもアリです。

 めぼしい土地には先住者や先住権を主張する人がいます。

 京に近ければ尚更ですね。

 力で奪おうともお咎めはありませんが報復されるのを覚悟の上です。

 奴婢(ドレイ)を使って未開の土地を開拓するのも(今のところ)アリです。

 なので讃岐ではピッカリ軍団を使って毎日開拓作業に勤しんでいます。


 以上が秋田様情報(プラスα)でした。


 今回の土地探しの表向きの目的は皇子様と額田様の離宮の建設のためです。

 この時代に不動産屋は居ませんが、仲介屋が居ます。

 顔役とも言いますが、もっと強面の大伴馬来田(おおとものまくた)様のご紹介ですので信用していいと思います。

 何せ先の右大臣の弟君ですから。

 土地探しの目的が目的なだけに安全が最優先、多少値が張っても広くて安全な場所を確保しなければなりません。


 幸いと言うか、高官が殆ど難波京へ行ってしまったため、今の飛鳥京はスカスカです。

 もしかしてこちらに皇子様達がやってくる前に飛鳥の空き家を買い占めたらガッポガッポでこりゃあ堪まへんなぁ〜になるかも……と、想像してしまいましたが、根が小市民な上、インサイダーじみた悪事への忌避感があります。

 何より先の一ヶ月間の里帰りで確認したのですが、竹林から金を見つけるチートは今だに健在でした。

 お金に困っていないので、変に恨みや嫉妬を買う事をしないのが身のためですね。


 しかし京の中心が安全かと言えば必ずしもそうではありません。

 治安だけでなく、火事で全焼するリスクがもの凄く大きいのです。

 この時代の消火設備も消防組織もとても貧弱です。

 貧弱ぅ! 貧弱ぅ! 貧弱ぅ〜!!

 一旦火が付くとこれ以上燃えるものが無くなるまで放置です。

 残るのは真っ黒な消し炭だけです。


 そう考えると、広さを優先して緩衝地帯を設けて延焼を防ぐ工夫を考えておきたいですね。

 時代を先取りして、侘び寂びを体現した石庭とか、大名庭園なんていいかも知れません。

 池があれば防火にも役立ちますから。

 飛鳥(なら)なら飛鳥(なら)らしく庭に鹿を侍らせるのもアリですね。

 ちなみに奈良公園の鹿さん達は、公園が管理しているのでは無く、野生の鹿なのだそうです。

 小学校の時に教わりました。


 三日ほど掛けて候補地を絞り、少し離れた広くて水源が確保できる場所を見つけました。

 上物は解体して、難波にある屋敷に負けない邸宅と庭を三ヶ月以内に築かねばなりません。

 またまた猪名部エモんには苦労かけます。

 頑張って〜 ♪


 その後、建材に確保や、人の手配など、猪名部さんの助けを借りて話を進めました。

 (しきん)はバッチリです。

 難波宮が完成したせいか人が溢れている感じで、人手は不足にはならなそうです。

 失業率増加でいわゆる不景気というものなのですが、この時代の人は景気が何なのか理解できていません。

 年中不景気みたいなものですから仕方がありませんが、貨幣が無いのでデフレもインフレもありません。

 GDPなんて理解不能でしょう。


 そう言えば、私が現代にいた時、日本のGDPの順番が世界第3位から転げ落ちそうだと言われておりましたがどうなったのでしょう?


【天の声】2023年にドイツに抜かれたぞ。


 飛鳥時代に経済も(へったくれ)もありませんが、改めて考えてみますと現代社会というのは科学技術だけでなく、経済学の恩恵にもドップリと与っているのだと改めて思いました。


 ◇◇◇◇◇


 一頻(ひとしき)り手配が終わって、猪名部さんにスケジュールを確認したところ、3ヶ月で屋敷の完成までに漕ぎ着けられそうとの事でした。

 ただし外構工事はまた別に手配しなければなりませんが、それは屋敷の完成後です。


 とりあえず飛鳥でやらなければならない事を全部終えて、讃岐へは一晩だけ立ち寄りました。

 与志古様はもう讃岐の離宮を後にしておりました。

 どうやら入れ違いになったみたいです。

 私の不在中にかぐやコスメティック研究所へお越しになったら申し訳無かったな、

 ……と思いつつ、お婆さんとたくさん話をして、お爺さんを適当にあしらって、翌朝難波へと戻りました。


 次に飛鳥へ行くのは引越しですね。



本日は短くて申し訳ありませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ