一話
俺はその日スマホと睡眠とじゃがりこの最高の休日を過ごしていた。
SNSも見飽きたのでベッドに寝転がりながら動画サイトを開きなんとなくでおすすめ動画をクリックする。
「ん…?なんだ…なんか既視感が…」
最初は陳腐なグロ映画かと思った。
でも違う。
これは俺の通っている教室、三年B組だ!
そこに映っているのは紛れもないクラスメイトたちだ。
そしてやっていることは…
【殺し合い】だ。
ハサミやえんぴつなどの文房具を使い【殺し合い】をしているクラスメイトが映し出されている。
ちょうど不良の田崎が委員長の桜木にカッターを持って飛びかかったところだった。
「みなさん止まってください」
そう校内放送から機械音の声が聞こえ教室内の動乱はピタリと止んだ。
「この動画を見ている視聴者にこの状況を説明してください。そうですね、副委員長の茨さおりさん。お願いします」
動画が教室の隅で震えていた黒髪ロングの利発そうな美少女にクローズアップされる。教室内はしんと静まり返っていた。
彼女は震えながら口を開く。
「わ、私達、三年B組は…何者かによって休日の今日ここに呼び出され、殺し合いを強要されています!!!助けてください!!!」
その瞬間、バンッッ!!!と大きな破裂音が響いた。
教室から悲鳴が響く。
カメラが横にずれると田崎が首から血を流して倒れていた。よく見るとクラス全員首輪をつけておりその首輪が破裂したらしかった。
校内放送「茨さん、状況説明だけをお願いしたのに助けを求めるなんて良くないですね」
茨「ごめんなさい!ごめんなさい!!!」
青ざめた茨の目から涙があふれる。
校内放送「ペナルティとして田崎くんを死なせました。クラスメイトは全員で32人ですからね。残り31人です。みなさん生き残りの1人を目指しましょう!あははははは!」
そこで動画がぷつんと切れた。
急いでネットニュースやテレビを観てみるも特にこのことについての情報はない。
ホワイ???
俺は訝しんだ。
俺は呼ばれてないんだが。
クラスメイト32人のうちの1人なのだが。
犯人は田崎が殺されて残り31人と言っていたがそこにいるのは30人になったのだが。
「クソッ!!何が何だかわからない!!」
頭を掻きむしり、俺は部屋を出て階段を駆け下りる。
リビングにいた兄が「どこ行くんだ?」と声をかけてきた。
「学校!!!」と返事をして玄関を出て自転車に乗り目一杯の力でペダルを漕ぐ。
ドッキリであってくれ。
犯人に聞きたい。
「なんで俺だけ!!俺だけ呼ばれてないんだよ!!!」
目尻に涙を浮かべ俺は学校へ向かう。