エゴ 3
【周囲環境の急変化を確認 気温23 湿度46 予測季節 春 酸素濃度...セーフ 毒素...検知無し 脅威存在...20メートル北未確認生物を2体確認 排除、及びサンプル採取を推奨】
光の文字がフルフェイス型戦闘スーツに表示されるのを地に倒れ込みながら眺める
「脅威...排除...」
ポツリとエイダスの指示を反芻する
推奨と言うならばそうしよう
目の前に落ちている銃を拾いながら息を殺し未確認生物が居る北を警戒する
「オラァっっ!!」
「ガァァァウッ!」
人型とドラゴン型のUMAの存在を確認
人型がドラゴン型を切りつけ、反撃の噛みつきを大剣と思しきもので横顔を叩きつけ受け流す
「はっ!天下のロックタートルドラゴン様ともあろうものがこのザマか?!」
「グルルルル」
【ドラゴン型の名称をロックタートルドラゴンと仮名 人型に人並みの知性を検知 接触を推奨】
なら、先に撃つのはロックタートルドラゴンの方か
「スナイパーモード」
勘づかれないよう小さな声で銃の形状変化を命令する
変形する際カシャリと音が鳴るがこの距離なら勘づかれることは無いだろう
空中投影型光学サイトからロックタートルドラゴンの頭を中心に入れ引き金を引こうとした瞬間
ドオオオォォォォンッ
ロックタートルドラゴンが首を両断され、こちらに向かってものすごい勢いで吹き飛んできた
だが狙いは大雑把だったのか隣の木を吹き飛ばして森の奥へ消えていった
そして次に人型のUMAがこちらを見ているのに気がついた
まさかこの距離で見つかったと言うのか?
そうだと言わんばかりに人型のUMAはこちらに走り寄り声をかけてくる
「人がいたのか、気が付かなかったわ。わりぃな」
3単眼で左目に古傷。下級市民か?
エイダスの顔認証をかけてみるが、住民票にすら乗っていない。
だが...あのカミが最初にあったやつに助けを求めろと言っていたな
【仮名カミの指示を推奨】
なるほど
「助けてくれ」
「あん?何をだよ」
「あーっと...エイダス」
何を聞けばいいのか分からずエイダスに聞いてしまった。ここまでエイダスを頼ったのは初めてかもしれない
【現在の場所の聴取を推奨】
「そう、ここはどこだ?」
「なんだ、おめぇ記憶喪失か何かか?」
どう言えばいいのか分からない。質問の催促を試みる
「質問の回答を希望」
「まぁ、いいけどよ。ここはエルランドっつー森だ」
【現在地の名前をエルランドっつー森と仮名 続いて町、もしくは国の位置を──】
「迷子なら一旦俺ん家来るか?女が男の部屋に来るなんてどんな噂されるか知らねーけど ははっ」
【人型について行くことを推奨】
「行く...自分に性別は無い」
「おいおい、頭もおかしくなってるのか?」
【身体検査を開始・・・・身体の変化を確認 撤去された生殖器と胸部の再生を確認 その多機能正常】
「...どうやらそうらしい」
「さっきから何見てんだ?ピカピカ光ってカッケーなそれ」
【情報の開示は非推奨】
「なんでもない」
「あっそ。じゃあ行くぞ、明日の朝には町に着く」
「分かった」
人型の歩く後ろをついて行くとロックタートルドラゴンの前で止まり、袋を取り出すとロックタートルドラゴンに入口を当てる
【磁場の乱れを確認 重大なエラーが発生】
ロックタートルドラゴンの体が一瞬にして消えてしまった
【質量の低下を確認 原因不明 人型に聴取を推奨】
「今のは?」
「アイテム袋だ。生きてる者以外ならなんでも入る便利な道具だ。覚えといて損は無いぞ」
アイテム袋を懐にしまいこちらに向きを変え、歩きだそうとするとc-23が目の前に立っていたため驚いたのか「うわっ」と声を上げた
【アルゴリズム構築 対象 アイテム袋 と 非生物 が接触 質量の低下 アイテム袋に入る 質量保存の法則に反する説明の聴取を推奨】
「入ったものはどうなってる?」
「あー別次元に行ってるとしか聞いたことねぇな」
【これ以上の聴取は不可能と判断 一旦保留を推奨】
「よく分からない」
「俺もだ...ところでお前の名前ってなんて言うか覚えてるか?」
「名前は無い、C-23と呼ばれていた」
人型は眉をひそめ同情の視線をこちらに向けた
何かおかしなところがあっただろうか
「んじゃあ俺が名前をつけてやるよ」
「気にしなくていい」
「んーそうだなー」
「聞いているか?」
「よし、シィだ。お前の名前はシィ」
【C-23の個体名をシィに決定されました】
「個体...名」