エゴ 2
暗黒に浮かぶC-23は意識を覚醒させる
位置情報がエラーを起こし現在地の確認は出来ないことを確認したC-23は本部へと連絡を取った
「...こちらC-23、オペレーター応答を願う」
しかし、帰って来たのは砂嵐の音だった。
とりあえずエイダスに時刻を聞く
「エイダス、今の日付と時間は」
【6/23 23:56です】
作戦決行日から丸々1日はたっている。今頃死亡処理されていることだろう
それを確認したC-23はピクリとも動かなくなってしまった
どれだけ漂っただろうか。改造された肉体は10日何も摂取せずとも健康を保つことができ、さらにエネルギー保管器官が埋め込まれており、過剰栄養を摂取するとそこに溜め込むことも出来る
今回のミッションだったレジスタンスの各個撃破には5年の行動計画が練られていたため超高エネルギーの錠剤が支給されていた。
時間が解決してくれるならばいいのだが
「エイダス、今の日付と時間は」
だいぶ前にした質問を再びエイダスに問いかける
恐らく数日は経過したはず──
【6/24 00:06です】
...おかしい、10分程度しか進んでいない
自分の感覚が狂ってしまったのだろうか
【磁場の乱れを確認 周囲を警戒してください】
エイダスが警告したと同時に、目の前に人が突然出現した
自分自身何を言っているか分からない
顔認証をかけてみるが、エイダスの住民票に未登録の人物のようだ...そしてぼんやりとだが謎の車両に乗っていた人のような──
「私は神です。手違いで死んでしまったので転生させてあげましょう」
突然狂った言動をしたこの人物だが、もしかしなくても原因はこいつなのではなかろうか
というかカミとはなんだ?転生とはなんだ?
ともかく何も分からないのは驚異である。まずは自分の現状を確認することを優先した
「カミに説明を求める、ここは何処だ?」
「あなたの能力は現状でとても高いので装備等をそのままで現在の年齢まで成長させた状態で転生させますね」
「説明を求める」「あなたが目覚めて最初に出会う人物に助けを求めると良いでしょう」
それだけ言うと視界は突然真っ白に染まって行った
何も聞き出すことが出来なかった