メイドはショタコンを隠す
「そこのメイド!今からスライムを狩りに行くぞ!」
「申し訳ございません坊っちゃま、私これから午後のティータイムと洒落込むところですので」
はぁ〜クリクリとしたお目目につり上がった目尻、その上自信たっぷりなお顔が最高にキュートでございます
あ、失礼しました。
わたくしは当家のメイドでございます
今日も全ての家事を午前中に片付け坊っちゃまを観察しようとソファーの影に隠れていたところ見つかってしまいましたわ
わたくしの完璧な陰系術を見破るとはなかなかやりますわね
「なにがティータイムだ!おれが勉強してる間ずっとソファーに寄りかかってたじゃないか」
兄様を真似てご自分のことを「俺」と言いつつ、慣れていない感がたまらなく愛おしいですわ…!
「経営術を学ぶそのお背中、立派でございましたわ」
おや?なぜだか眉間にシワが
あぁ、中心に顔のパーツをぎゅっと集める表情もなかなか…
「どーせ兄様が継ぐのに、なんで僕まで」
あ、どうやら本音のようですわ。ご自分のことを「僕」と言ってしまいました。
そのわかり易いところとっても可愛いです坊っちゃま
「経営術を学ぶ理由は多岐に渡りますわ。継ぐから習うという訳ではございません」
「うるさい!とにかくスライム狩りだ!準備を手伝えー!」
「はぁ、かしこまりました」
じ、地団駄…!
この目で見られる日が来るなんて思いもしませんでしたわ
今日この日よりこの家に仕えてよかったと思える日はございませんわ!!!
〜森〜
「くらえ!」
木で出来た棍棒を上からスライムに向けて振り下ろす!
miss
「外れですお坊ちゃま」
スライムは逃げ出した!
「こなくそ!」
弓で狙いをつけて射る
miss!
「きっちり狙えお坊ちゃま」
スライムは逃げ出した!
しかし、お坊ちゃまに回り込まれてしまった
お坊ちゃまの攻撃!
miss!
「おらぁ!っち、器用に避けやがってスライム如きが!」
「しょとつ猛進でしたねお坊ちゃま」
「猪突猛進だ駄メイド」
「...人間、失敗は付き物です」
「さっきまでの暴言は」
「失敗ですね」
「...潔いいなお前」
あぁ、やはりダメですわ
お坊ちゃまの可愛さにわたくし、どうしても口が悪くなってしまいます
果たして将来、お坊ちゃまにクビにされたりしないでしょうか…
「聞いてるのか?!次行くぞ!」
「はい、お坊ちゃま」
それはそれとして涎が出そうで今日が持ちそうにありません