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どうやら僕はスキルの使い方を間違えていたようです3

大扉を開けるため、4人がいっせいに力を込める


残りの二人は矢が飛んできてもいいように扉の内側に立ち、盾を構えて備えた


「グラァっちァ...」


巨大な鉄板のような剣や盾を持つ大柄なゴブリンが数匹

その背後にはビクビクと怯えるゴブリン達が数十匹と固まっていた


なんだろうこの構図、僕らがとんでもない悪者に見えやしないだろうか


「魔法!」


「アクアーボール!」「ライトニングボルト!」「フラッシュ!」


自警団1の型

水で電気を通りやすくして最後に光で怯ませる


「ウェポンアタック!」「チャージスラッシュ!」



自警団2の型

武器や盾に攻撃を当てて弾き飛ばして、無手にしてから強力な斬撃を与える


大抵はこれで殺せるが...


「グギギ...」


どうやらまだまだ動けるようだ

致命傷を与えたようには見えない


「ストーンランス!」


ゴガッ!という物々しい音とともに岩の塊が生成され圧縮する

槍の形に整え、射出


腹に空いた傷口に突き刺さり、無手のゴブリンのが倒れた


その間ゴブリンは避け無かった...まるで後ろのゴブリンを守るかのような──


「はッ!!」


と、そんなことを思っているうちに冒険者が1人で複数のゴブリンをいなしながら1匹の首を断ち切った


つっよ


「さっさと次をころせぇ!!」


「「「「「「はい!!」」」」」」


あとこっわ...



──ふぅ、やっと終わったか


武器を持ったゴブリンの最後の1匹を殺し、次は奥で縮こまっている奴らに目を向ける


「ぎぃ...」


「怯むな、ゴブリンは自分より強そうだからビビってるだけだ。弱い奴を見たら殺人鬼に豹変する」


──1匹たりとも逃がすな


そう言外に圧をかけてくる冒険者は逃げ惑うゴブリン達を隅に追い詰めて1匹ずつ確実に殺していく


「...ファイアーウォールボルケーノ」


僕の横にいた同僚が逃げる先に魔法を放つ

それは地面から壁のような炎が吹き出して焼き殺すか、通行止めの役割をはたす魔法

それに飲み込まれたゴブリンは焼けただれながら死んでいく


「…ウィンドカッター!」


少しの躊躇の後、俺も魔法を放つ

風の刃が杖から放たれゴブリンの腕を、腹を裂きながら貫通していく

5匹は潰せたろうか


「う、ウォーターボール!」

「ライトニングボルト!」


他の奴らも徐々に抹殺に加勢していき、作業は進んでいく


「うっ!?」


かに思われた


「っ!腕が!」


同僚の腕が...肘から先が無くなっている?


「アサシンだ!雑魚共に何匹か紛れてやがる!距離をとっ──」


突如冒険者の喉から血が吹き出して倒れる


「ぎぃ...ぎぎぎぎぎっ!!」


ニンマリと不気味に笑いながら、手のひらほどの長さのナイフを舐めるゴブリン


ほかのゴブリンと見分けがつかず、何処にナイフを隠していたかも見当がつかない


「ぐあっこの野郎!」

1つ、また1つと仲間が傷ついていく


早く、俺もゴブリンを殺さなければ


「い"っ」


呆然としている俺に逃げ惑っていたゴブリンの1匹が形相を変えて俺に飛び掛り、何度も刺してくる


クソっ!これでも喰らえ!


「ファイアーボール!!」


手の平に現れた赤く燃える炎の玉


いつもは投げて使うそれを俺は直接ゴブリンの首に叩きつける!

本来はなかば自爆のような使い方だが、何故か俺のファイアーボールの様子がおかしい


チュ──


それがゴブリンにぶつかる瞬間、炎は青く変色した


嫌に時間が伸びたように感じられ、火花が圧縮されるような音が耳に響く


ドン!!!!!!


炎の爆発が指向性を持ち、ゴブリンの肩から上の肉を消し飛ばす


「は...?」


突然のことにまたも呆然とする

ゴブリンから見えている骨が若干青みがかって、ガラスのようになっているが、これは兄ちゃんが教えてくれたことのひとつに覚えがある


超高温で熱した骨の特徴だ


そこでやっと思い出す


「魔撃...?」


相手にぶつければ10倍の威力を発揮する

ぶつける?


そうか、そういうことだったのか

相手に投擲するんじゃない。本当に直接ぶつける勢いで使うと発動するスキルなのか!


「ウィンドカッター!」


手の平に生成された風の刃はそのまま突き進んでしまい、普通の魔法になってしまった


これじゃダメだ少し手を加えないと


放つのでは無く、留まるようにして


「ウィンドブレード!!」


今度は杖に流し込むように魔力を操り発動した

風の刃を纏った杖を太刀のように構える


「これなら...やぁっ!!」


横になぎ払うと、自分では信じられない風圧が起きてビクビクと震え、逃げ惑うゴブリン達が吹き飛んでいく


「ははっ、はははははは!!!あーっはっはっは!!!」


冒険者のリーダーが死んだとか、同僚が腕を切り落とされたとか色々ありすぎてぶっ飛んだ頭が笑いをひきだした


ああ、これ、回復魔法だったら


「どこまでヤれるかな?」


後日、同僚が言うには魔王より怖かったそうだ


回復魔法だったらってのが聞こえなかったって?

そりゃ怖いわ

魔法はプログラムみたいな設定

天才の従兄弟に師事して貰えたからこそ魔改造ができるのです

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