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どうやら僕はスキルの使い方を間違えていたようです2

5年後


僕は18歳になった

街の自警団で実地トレーニングや、兄ちゃんと一緒にちょっと遠出して杖の材料を取りに行ったり、兄ちゃんと大人の酒場に行ってみたり兄ちゃんと──とまぁ色々やってきたが、わかったことがある


僕のユニークスキルはまるで産業廃棄物のように使えない


兄ちゃんと一緒に作った杖のおかげで他の魔術師とは威力が目を見張るほど差があるが、それだけだ。特訓すればこの程度埋まってしまうだろう


「サンダーボルト」

「プギィィァィ!!」


杖を魔物に向け詠唱する

それだけの日々に不満はない。むしろ貯金も増えてるし、マジで休みたい時は最悪その日に言っても休める。いい場所だ


そんなある日のこと。何やら忙しなく動く先輩方と上司に何事かと探るとダンジョンが見つかったとの事だ


「ダンジョン?」


「あぁ、街外れの屋敷の地下に厳重に隠されてたらしい。」


「なんで隠してたんだ?」


「さあ?お上の人のこたァよくわがんね」


「いなかっぺさオラたちにぁね〜」


「ぶふっ」


街生まれ街育ちのお前がなんでそんなに方言分かるんだよと笑われた


「で、突入はいつから?」


「明日の9時。ちゃんと寝て早く起きて目を覚ましとけってお達しだ」


「へーい」


「あ、それとリーダーはベテランの冒険者がやるんだと。」



冒険者ねー...

せめて可愛いお姉さんに手取り足取り教えてもらいたいもんだ











ー当日ー


「いいかダンジョン初心者のひよっこ共!奴らは卑劣にして卑怯!敵の方から襲ってきたらまず罠を疑え!それ以外は隠れ、我々が疲弊するのを壁の隙間からこちらの隙を今か今かと伺っていると知れ!」


「「「「「「はい!!」」」」」」


ダンジョンベテランの冒険者は筋肉モリモリマッチョマンだった

チィッッッ!!これだから冒険者は


「おいお前、なにか不満でもあるのか?」

「いえ、ございませんっうぇ?!」


突如、僕の胸ぐらを捕み怒号を飛ばす


「いいか!何を言おうが俺がリーダーだ!!貴様らが攻撃したがろうが逃げたがろうが俺の意思に従ってもらう!たとえこの中の誰かが死ぬことになってもだ!!わかったかぁ!!」


「え、まじで?」「は、はい!」「はい!」


僕は返事ができず、ただ震えていた

あまりの気迫に腰が抜けてしまい、冒険者が胸ぐらを離すとベタンと地面に落ちてしばらく動けないでいた



結局、突入は10時からとなってしまった

全面的に僕が腰を抜かしたせいだろう

そのくせ1番魔術が強いもんだから置いてくに置いていけなかったのだろう。みんなに申し訳ないことをした。


「僕が筋肉にガッカリしたばっかりにごめん...みんな」


「いや、リーダーになる冒険者が綺麗な女って噂流したやつが悪い!もうちょっとで俺も顔に出そうだったもん」


「そーそ、つかあれでしょんべん漏らさなかったのすげーなお前。胆力ありすぎだろ」


これは褒められているのだろうか...いや、励まされてるのか。


「ふふ、ありがとよ」


「いいってことよ」


「そろそろ先に進むぞ!ひよっこ共準備しろ!」


「「「「「「はい!!」」」」」」


1時間進み、5分休憩を繰り返し進む

地面は踏め固められているかのように平らなくせに横や天井は凸凹で1寸先の穴にすら真下に来ないと分からない時がある


そのせいで上からスライムが降ってくるという奇襲があったため、少し慎重になっていた


「...前から来るぞ、全方位警戒」


1番可能性のある真後ろを僕が警戒し、

その他が左右斜め上に向けて盾や杖を構える


「ぎゃぎゃぎぎゃ!!」


貧相なゴブリンが泣きじゃくるように両手を振り回しながら突進してくるが、冒険者が1突きする


痛みに悶え、じたばたと暴れるところにニ突き、三突きとトドメをさし終えると、再び正面に剣を向け5秒、静止...


「奇襲なし、よし。進むぞ」


こういうのが15回か16回はあった


あれだけ怒鳴り散らしながら卑劣で卑怯だなんだって言っていたのに肩透かしばかりだ


「大扉だ...ここまでモンスターがろくに出てこなかったな」


「小休止、装備を再点検してから突入する」


「「「「「「はい」」」」」」


めんどうだ、というのを顔に出さずに思う

またあの気迫で責められでもしたら腰が死ぬかもしれない

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