ピクシー2
「なあ、あれ...なんだろう」
「あ?────まさかイナゴか!?」
「急げ!緊急警報!緊急警報!!!赤花火と家屋避難!」
「点火!」
「放送部!拡声器で放送!」
「緊急避難警報、緊急避難警報。住民の皆様は速やかに室内へ避難してください。繰り返します──」
赤い花火が3発昼間の空に打ち上げられ王国の住民たちの意識が向けられる
人々は早足で家の中や職場の室内へと入り
鍵とシャッターを閉めはじめる
「おかあさーん!」
「ミルテー!どこでもいいから家の中に入ってなさいよー!」
途端に人が街道からいなくなり避難が完了したことを副長が隊長に報告する
「住民の避難完了しました!」
「よし...ひとつ聞いてもいいか?」
「はっ!」
「あれは本当にイナゴか...?前にイナゴの大群を見た時はあんなに色鮮やかではなかったが」
「推測によるものなので確実ではありません!すぐに望遠鏡を取ってきます!」
「ああ、頼む。他のものは毒と風の魔法を準備!その後の浄化魔法を使える神官を呼んでこい!」
「「「「「はい!!」」」」」
「隊長!望遠鏡です!」
「ありがとう」
1人の部下から受け取ると彼はレンズの倍率を最大に上げてイナゴの大群と思しきものに向ける
「...なんだあれは。イナゴじゃない、あれはイナゴじゃない!妖精だ!!」
「なんですって?!」
「先程の命令は撤廃する!みんなよく聞け!あれは妖精だ!!絶対に攻撃してはならんぞ!」
「「「「「はっ!」」」」」
「では如何しましょうか?」
副長がそう訪ねると隊長は意を決したように告げる
「外交官のアズリーを呼べ、私と2人で出る」
「はいっ!」
「見えた!街見えた!」
「人間!魔力いっぱい欲しいかな?」
「きっと欲しい!みんな欲しい!」
「他にもいっぱい?」
「なら別行動!」
「わたし行きたい!」
「ぼくも!」「わたしも!」
妖精たちは十数個の塊に別れて散っていく
その内の1塊は高度を低くしていくと途中で2人の人間と遭遇した
「にんげんだぁ!!」
「はじめまして!にんげん!」
「どうしたの?むすっとして」
「元気ない?魔力足りない?」
「ⓝⓐⓝⓣⓔⓘⓣⓣⓔⓡⓤⓝⓓⓐ?」
「んぅ??」
「なんて言ってるかわかんない...」
「えと、あ、あわあわあわあわわわ」
「ⓚⓐⓡⓔⓡⓐⓗⓐⓜⓐⓡⓘⓡⓨⓞⓚⓤⓖⓐⓗⓞⓢⓘⓘⓚⓐⓣⓞⓚⓘⓘⓣⓔⓜⓐⓢⓤⓝⓔ」
「もう街に行ってみよう?」
「言ってるのわかんないの怖い...」
「逃げる?」
「ア、オ待チクダサイ」
「喋ってるぅ!」
「分かる!これなら分かる!」
「にんげん!魔力欲しい!?」
「オ構イナク。ソレヨリ、皆様ハ ドウシテ大移動シテイルンデスカ?」
「魔力いっぱい!みんな幸せ!」
「私も幸せ!あなたも幸せ!」
「だからでかい木から出てきた!」
「ナルホド?デスガ魔力モ過ギルト毒ニナルノハゴ存知デスガ?」
「そうなの?」
「いっぱい嬉しくない?」
「にんげんは違うのかな?」
「ナノデ私ガ来タノデス。皆ガ幸セニナレル魔力濃度ヲ探シマショウ」
「幸せ!探す!」
「そうしよう!」
うん、無いなこれは