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秋草の返答

今は桜の花が水面に舞い落ちる季節です、そっちはどうすごしてる?

木の葉っぱが枯れ落ちるというのを見たことないけどツリ爺が言うんだもの。きっと桜みたいに綺麗な風景なんでしょ?

私、あなたの言葉を聞いてみたいわ。

お返事待ってます


「だってさ秋草くん」

「なんだよそれ」


ぶっきらぼうに返す秋草はジト目でツリ爺を見つめました

ツリ爺は乾いた笑いを漏らします


「ツリ爺も変なことしてんな」

「さあ、こんなこと初めてだからついね」


秋草はため息を吐きながらツリ爺に言いました


「確かに暇なのは分かるけど、そいつどんな奴なんだよ」

「小さな白色の花弁にピンク色が先端にある可憐な花だよ」


どこか懐かしむような面持ちで語ります

色んなことに疑問を持つところや明るい声の事、病気になった時に大慌てしたことや

最後はどこか落ち着きのある声だったことを秋草に伝えました


「ふーん。で、ちゃんと子孫は残せたの?じゃないと意味ないじゃん」


精霊の記憶は、子孫に移る時に薄れるものの、二・三代は残るとツリ爺から言われている。

そして生まれなければ記憶が無くなり、新たな精霊として別の物に宿るということも。


「もちろん残せたよ。ちょうど反対側で種が眠っているよ」


秋草は安堵の息を漏らし、咄嗟に興味無いフリをしました


「あっそ」

「で、返事はどうする?」

「なんで返事を返す前提なんだよ。俺はまだなんも言ってねえぞ!」


ツリ爺は微笑ましそうに秋草を見つめました

すると間を置いて秋草がぽつりと言います


「まあ、考えといてやるよ」



今年の冬も雪が降り始めるようだ

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