表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/47

秋草の返答

今は桜の花が水面に舞い落ちる季節です、そっちはどうすごしてる?

木の葉っぱが枯れ落ちるというのを見たことないけどツリ爺が言うんだもの。きっと桜みたいに綺麗な風景なんでしょ?

私、あなたの言葉を聞いてみたいわ。

お返事待ってます


「だってさ秋草くん」

「なんだよそれ」


ぶっきらぼうに返す秋草はジト目でツリ爺を見つめました

ツリ爺は乾いた笑いを漏らします


「ツリ爺も変なことしてんな」

「さあ、こんなこと初めてだからついね」


秋草はため息を吐きながらツリ爺に言いました


「確かに暇なのは分かるけど、そいつどんな奴なんだよ」

「小さな白色の花弁にピンク色が先端にある可憐な花だよ」


どこか懐かしむような面持ちで語ります

色んなことに疑問を持つところや明るい声の事、病気になった時に大慌てしたことや

最後はどこか落ち着きのある声だったことを秋草に伝えました


「ふーん。で、ちゃんと子孫は残せたの?じゃないと意味ないじゃん」


精霊の記憶は、子孫に移る時に薄れるものの、二・三代は残るとツリ爺から言われている。

そして生まれなければ記憶が無くなり、新たな精霊として別の物に宿るということも。


「もちろん残せたよ。ちょうど反対側で種が眠っているよ」


秋草は安堵の息を漏らし、咄嗟に興味無いフリをしました


「あっそ」

「で、返事はどうする?」

「なんで返事を返す前提なんだよ。俺はまだなんも言ってねえぞ!」


ツリ爺は微笑ましそうに秋草を見つめました

すると間を置いて秋草がぽつりと言います


「まあ、考えといてやるよ」



今年の冬も雪が降り始めるようだ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ