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エゴ8

ギースのクエストとやらの手続きが終わり今度は自分の番となった


「デハ、こちらの紙にキニュウをお願いします」


受付嬢にいくつかの回答を複数個用意され形式化された書類とペンを渡された


ざっと読んでみると持病や使う武器の種類、自身の持っている技術などを問われているようだ


「...これは全て書かなければ行けないのか?」


「何か困ることでもアリマシタカ?」


【機密技術以外の能力提示を推奨】


「いや、大丈夫だ」


持病はバイオ改造された肉体には無縁なものだから無しでいいとして使う武器については疑問に思ったので他の項目を書き終えてからギースに尋ねた


「なあギース、自分が使う武器の種類は魔法銃とやらになるのか?」


魔法書だの魔剣だの、やたらと魔を入れる項目に銃の文字があったがそれに魔法もと入っていたのでギースに質問する


「あ?あれ魔法銃じゃねーのか?」


「魔法とか言うのは一切入っていないな」


「何を撃つつもりなんだよその銃は...まあそれでいいんじゃねーか?」


よし、これで一通り書き終わった


「書き終わったぞ」


「はい、お預かりシマース」


書類を渡すと目をパッと通した


「はい、記入漏れは無いですね。ソレデハ、時間がかかりますのでしばらくしたらまたお越しクダサイね」


「はいよ。んじゃシィ、お待ちかねの飯は何が食いたい?」


「エネルギーになれば何でもいい。腹が空いているのはギースだろう」


「つれねぇなー、お前いつも何食ってんだよ」


「いつも携帯しているのはこの錠剤だな」


ズボンのポケットから超高エネルギーの錠剤の入っているケースを取り出した


「会った時に言ってたやつか...薬かなんかなのか?」


「まぁ、そんなものだな。こいつを飲めば1週間は動き続けられる...が──」


少々、言葉が胸に突っかかる


人間にはこの錠剤を胃から吸収し終わる前に栄養過多で死んでしまう──という情報をギースに伝えたらどう思うだろうか


裏を返さなくても分かるだろう。自分がもはや人間とは言えない体になっているということが


「が、なんだよ」


「...いや、なんでもない」


「変な副作用とか無いんだろうな?」


「...あぁ、大丈夫だ。現に自分は問題なく活動してきた」


この錠剤が開発されて数年、改造人間の人体実験でもエラーが出た試しは1度もない

そして下級市民の人体実験でも、予想外の結果を出したことはない


皆等しく死んだ



「ほら、とりあえず食うもん決めろ」


そう言ってギルド食堂のメニューを渡してくる


ふと思い出す時がある。自分が突然抜けたあの部隊のことを


「色々あるんだな」


色んな部隊に配属はされたが、最後の部隊が1番長く同じだったな


「種類もいっぱいあるけど量もあるから気をつけろよ?」


だが、自分が配属された部隊は自分が居なくなっても、いくらでも変わりはいるだろう


「なぁ、野営の時に食べた煮物はなんて言う名前なんだ?」


「野営の時...あー、肉じゃがだな」


「じゃあそれでいい」


「おまえなぁ...もうちょい他の奴にも興味を持ったらどうだ?」


「言い方を変える。それ[が]いい」



多分、自分で選択したのは初めてじゃないだろうか

なんで思い通りにならないんだろう


ギースをピンチにして銃をほおり投げて助けに行こうとするシィをエイダスが非推奨指示を出したのにも関わらず

「うるさい黙れ!」って言って駆けつけるってシーンで個人の意見を初めて出したかったのに...

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