まだまだです!!
イリちゃんとナギ先生が攫われた事件の翌日。僕たちの噂は町中に広がっていた。不死にして偉大な魔女ナギとその一番弟子シロ。この二人がまほろばの園を力で支配していたディードを下したという噂だ。
どうやらディードは非人道的な実験をいくつもしていたらしい。それを外部に漏らさないように力で支配していたとか。ありとあらゆる手段で外部に情報がいかないようにしていたらしいのだ。それは魔法の情報についても一緒で、限られた魔法しか外部に出回さなかったらしい。道理で昔に比べて魔法技術が衰退していると思ったとナギ先生も言っていた。これからは正しい形で運用されていくことを願う。
「なんで私が不死の魔女!? やったのは全部シロ君だよねぇ!? あぁ~~~! 世界中に誤解がひろまっていくううううう!!」
と、なんだかよく分からない事を言いながらナギ先生は悶えていた。誤解って何のことだろう? 魔女じゃないってところかな? 『ナギ先生は魔女なんかじゃないよ! 神様だよ!』って周囲に広めていくべきかな? なんだったらこの機にナギ先生を崇め奉る宗教――略してナギ教を広めていくのもいいかもしれない。検討しておこう。
「シロにぃ。あーん」
「はいはい。やけどしないようにね」
そんなナギ先生の悶えるさまを見ながら僕は今、宿でイリちゃんに朝ご飯を食べさせている。朝ご飯と言ってもそれはスープオンリーだ。まだ体が弱っているだろうから消化しやすいものでしばらくは我慢とのことだ。
「ちょっとーー! もう勘弁してよナギ先生ーーー! こんな大量の資料分けらんないよーー!!」
「……うんしょ……よいしょ……大変……だね? ……」
不満の声をあげるスノーちゃん。彼女はミコトと一緒に大量の本や紙に囲まれ作業していた。これらはナギ先生がまほろばの園から持ち出したナギ先生の興味を引いた資料の数々だ。スノーちゃんとミコトはその資料の整理をしている。僕も整理を手伝おうと言ったんだけどイリちゃんのお世話係に専念してと断られてしまった。
「ちょっとくらい手伝ってくれてもいいでしょ~。……あ、そうだ~。私の事を正しく! 誤解を与えずに!! シロ君や周りに説明してくれるならそんな作業やらなくても――」
「さてと!!! きびきび行くよミコト!!!」
「……もちのろん!!……」
いきなりやる気になったスノーちゃんとミコト。
――っていうか、
「何を言ってるんですかナギ先生! スノーちゃんとミコトよりも僕の方がナギ先生の事をよく知っていますよ!! なんだったら僕がナギ先生のすばらしさを全世界に喧伝しますよ!!」
「止めて!? それだけは本当にやめてねシロ君!?」
「そうだなぁ……。まずはナギ先生の教えを説いたナギ教用の聖書でも作って……信者の人にはナギ先生考案の修行ををしてもらって一流の魔法使いに……僕もナギ先生の修行を続けてさらなる魔法をいくつも覚えていつかは空を飛んだり……」
「既に聞いてない!? っていうかそろそろ気づこうよシロ君!? シロ君が使ってるその力は魔法なんかじゃ絶対にないよ!?」
「いやだなぁ先生。こんな不可思議な力。魔法以外に何だって言うんですか? 今更僕を破門しようったってそうはいきませんよ! 僕はまだまだナギ先生に色んな魔法を教えてもらいたいんですから!!」
「今までもこれからも教えることなんて何もないって言ってるのにもぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
さすがナギ先生。神様ですら平伏しちゃうような実力を持っているのに謙虚でもあらせられる。ホント尊敬しちゃうね。
これから先も僕はナギ先生の下で色々なことを学ぼう。スノーちゃんやミコト、イリちゃんと共にナギ先生の修行を経て強くなっていくんだ。
「そしていつか――二番目に強い魔導士になるんだ!!」
「一番目が誰なのか聞かせてもらってもいいかなぁシロくぅん!?」
fin
ここまで読んでくださった読者様方。ありがとうございました!!
これで「魔法適正0の僕でも四十年修行した結果、魔法が使えるようになりました!!(魔法じゃないよ? 物理だよ?)」はひとまず完結となります。
面白かった! 笑えたなどなんでも感想いただけるとすげー嬉しいです。
まだまだ書くのはやめないつもりなので、次回作とか出来た時はまた読みに来てくれると嬉しいです。
ではでは(@^^)/~~~




