エロ本奪還作戦 12
そして数日後の夜。学生寮の一室にて。
「「乾杯!!」」
俺と遼はわざわざテイクアウトしてきた宅配ピザとコーラで宴の真っ最中であった。
大野木さんに渡した映像データは、彼が選んだ流出などの行為の恐れが無く金払いのいい上客へと売られ、その収益の半分以上は彼に天引きされたものの、俺達の手元には健康診断での出費を差し引いても尚、そこそこの金が残った。
最もこの生活をしていれば、また大野木さんやブラクラさんに何かしらの依頼をしなくてはならない時が来るだろうから、その時の為に出来る限り節約はしなくてはならない、のだが、ひとまず今日の所はパーッと盛り上がってもバチは当たらないだろう。
いや普通に考えたら、盗撮動画を売り捌くのも女装して女子校に入学するのも余裕で犯罪だからいつかバチは当たるかもしれないけどな···。
「ああ、そう言えばお前の本を見つけたらなんでも言うこと聞いてくれるんだったよな?」
「その話かよ。それに関しては俺は元々納得してるわけじゃねーからな」
「え?じゃあ本返して」
「は?ふざけんな」
「···」
「···はあ、まあ取り敢えず聞くだけ聞いてやるよ。なんだ?」
目を細めて俺の方を見てくる遼に対し、俺は諦めた様に言葉を返す。
まあよっぽど無理な願いでない限りは聞いてやってもいいか。コイツのおかげで姉小路さん達に本の内容がバレずにすんだわけだからな。
「······やっぱ取っとくわ。いつか本当に困った時に助けてくれればいい」
「え?そんなん普通に今までもやってんだろ?変な事言うな」
「···そうだな」
遼はそう言ってピザを口に運ぶ。
そして、それから雑談をしながらある程度食べ進めた所で、俺はおもむろに立ち上がる。
「さ、食べながらでもいいからゲームやろうぜ、格ゲーでいいよな?」
テレビの前の床に散らばったゴミを蹴散らしてゲームのコントローラーを取り出しソフトを物色する俺。
「嫌だよ。だって暁良負けたら八つ当たりすんじゃん」
「大丈夫だって、この部屋は防音設備カンペキだから、あと多分耐震性も」
「いやそういう意味じゃねーけど」
「ああ、分かったよ。協力プレイのやつならいいだろう?」
俺はそう言うと地球を守るゲームを取り出して遼に向ける。
「明日は休みだからな、全クリするまで止めないってルールでやろうぜ」
「いや絶対無理だから」
遼が呆れたように呟くが、俺はそれを無視してゲーム機をセッティングするとコントローラーを遼に向けて投げる。
そしてその日、俺達の部屋である1203号室の電気は一晩中着きっぱなしで、俺と遼の罵り合いつつの協力プレイは午前の6時頃、俺達がコントローラーを持ちながら寝落ちするまで続いた。




