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エロ本奪還作戦 8

 「アクアスラッシュⅠ」

   

 腕の傷を回復させたツヅリコジキは両手に水を出現させるとそれらを空中で平たく伸し、チャクラムの様な形にして放つ。


 「くっ」


 水のチャクラムと後ろに居る二条院さんを交互に見た俺は僅かな間、選択を迷った後、敵の攻撃に背を向け二条院さんを抱えると、一旦敵から距離を取る。


 そして姉小路さんと本庄さんが敵と交戦している中、俺は黒木さんの居る所まで後退して二条院さんを下ろす。


 「二条院さんはここで本の防衛をお願いしますわ」


 「ちょ、ちょっと···」


 「宜しくお願いします」


 すまん二条院さん。君の抱えている問題はまた今度一緒に解決しよう。


 ただ今回は早く戦闘に戻らなくてはならない。


 俺は何か話したい様子の二条院さんに対して、見て見ぬフリをして速攻で戦線に復帰する。


 「奴を倒す方法は恐らく2つですわ。1つは奴の体力が無くなるまで魔法を使わせる事、そして2つ目は敵の防御系の魔法を打ち破り、同時に回復魔法では修復不可能な程のダメージを与える事ですわ」


 「って、そう言われてもなぁ!」


 「そうですにゃお姉様、防御系の魔法を使われた後だとどうしても微妙な威力の攻撃になってしまいますにゃ」


 2人は戦いながら俺に苦言を呈する。


 ···確かにそうだ。思えば俺のさっきの1撃、もとい2撃は敵の腕を切り落とす程の意志を込めて放った、がしかし結果は傷を与える程度に収まって、その後完全回復されてしまった。


 かと言って敵の体力の底も知れない、よってどの程度、敵の魔法を耐えしのげばいいのか検討もつかなかった。


 「そうですにゃ、こうなったら合体技をするしかないですにゃ!お姉様!!」


 「へ?」 


 「合わせてくださいですにゃ」


 「いや、待って待って」


 「双雷獣!!」


 1人で盛り上がる姉小路さんは2匹の雷で形成された狼を召喚するとそのままツヅリコジキに向かって行くように指示を出す。


 そして狼達は大きく飛び上がる。


 「えっ、ちょ」


 「今ですにゃ!」   


 「いや、どう合わせるのか全く検討もつきませんわ!!」


 俺は戸惑いながらそう口にし、そうしている間に狼達はツヅリコジキによって打ち消されてしまった。

 

 すまない狼たち···。


 「お姉様何をしてるんですにゃ」


 「す、すみません、どう合体させればいいのか全く分かりませんでしたわ。と言うか、どうするのが正解でしたの?」


 「え、いや多分、お姉様の斬像を双雷獣に乗せて、こう融合召喚的な」


 「いや打ち消しあって終わりだと思いますわよ!?」


 俺は姉小路さんにツッコミをいれる···がしかし。


 よくよく考えると合体技という発想自体は悪くないかもしれない。


 と俺はそう思い至り、敵の攻撃を交わしつつ、合体技の内容について思考を巡らせる。


 そして1人の人物に白羽の矢を立てる。


 「黒木さんすこし手を貸してください」


 「え、えっ?···わ、私···なの?」


 「これは黒木さんにしか頼めませんわ」


 「私、だけ?···わ、分かった」


 と俺と黒木さんはアイコンタクトを交わし合う。


 そして俺は黒木さんの近くに地面に刺さっている状態の刀を20本近く召喚する。


 「黒木の神具の力でその刀を持ってください」


 「な、なるほど、分かった」


 黒木さんはそう言うと、一旦、本を守っている闇の手を解き、その手に地面に刺さった俺の刀を持たせる。


 そして全ての腕が突きをする様に刀を構えると、一気に敵に襲いかかる。


 「シールド1、フィジカルアップ1、バリア1」


 「あまい」


 敵も黒木さんの攻撃に合わせて障壁やバリアの魔法を発動し身を守ろうとするのだが、刀を持った闇の腕はそれこそ針に糸を通す様な小回りの聞いた動きでそれらを上手く交わしていく。


 結果的には何個かは敵のバリアなどに阻まれてしまったものの、大半が敵の体にまで到達し刀を突き刺す。


 そして闇の手が刀を離した瞬間


 「斬像召喚ですわ!!」


 俺は敵の体に刺さった十数本の刀にそれぞれ斬像を召喚すると、それらは重力にしたがいつつ、刀で出来る限り敵の身体を斬り裂きながら地面へ降り立つ。


 「▽◎□▲○▽っ!!!!!」


 とツヅリコジキには確かなダメージが入った様で文字におこせないような叫び声をあげる。


 そして。


 ドサッ!!!


 と奴はその場に倒れ込んだ。

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