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騎士教諭殺し 解決編 2

 皆と別れて15分ほど経過したが、俺はこれといって成果を上げることが出来ないままに、すれ違う人に聞き込みを続けていた。


 「成果はあったか?」


 と、そんな中、不意に背後から声をかけられて、俺はゆっくりと振り返る。


 「ああ騎士か、いや特には無い。やはり真犯人は用意周到な奴のようだ。...だが、逆に張り紙をしている所を誰にも見られていないと言うことは、それを誰にも見られないようにこっそりと行ったという事でもある。つまり、余計に張り紙をした人物が怪しくなったとも言える」


 「まあ確かにそうではあるが、怪しさだけ増しても意味がないぞ。ちゃんとした証拠を提示しないとな」


 「ああ、分かっている。分かってはいるんだがな」


 決定的な証拠どころかその糸口する見えない。


 さて、どうしたものか...。


 「レーザーか...」


 俺はそう呟きながら、頭の中で先ほど見たレーザー攻撃が可能な生徒のリストを思い浮かべる。


 もしかしたらやはりあの中に真犯人がいたのか?


 ...。


 いや、違うな。


 参加者にはGPS付きの腕時計が渡されていた。


 それが普通の物なから外せば位置を偽装する事は可能だろう、がしかし、そこは変に過保護な所がある九條学園だ。


 おそらく外せば外れた事が本部で分かるシステムにはなっているだろう。


 となると...。


 「後はそういう攻撃方法が有ることをずっと隠していたというパターンだが...うーん...」


 俺は色々と記憶やら何やらを掘り返し、脳をフル回転させる。


 そして、思い至る。


 「!?いやちょっと待て」


 いる、居るじゃねーか。てか、なんで気づかなかったんだ俺は。


 あんなに堂々と披露されていたってのに。


 「わりぃ騎士、ちょっと調べてほしいことがあるんだけどいいか?」


 「ん、何か分かったのか?」


 「ああ、本当に俺はバカだ。もっと早く気付くべきだった」


 俺は自身の頭を手で何回も叩きながら言う。


 そして、騎士に調べてほしい事の内容を説明し、別れた。






 それから十数分後。


 俺は騎士の名を借りて、ある人物を森の中に呼び出していた。


 だが、勿論ここには騎士はいない。


 俺はもしもの時に備えて、リリネと東雲さんにのみ事情を話して、騎士の護衛の二人と共に騎士を守るようお願いした。


 そして、真犯人が最終手段で暴れだして騎士を殺しに向かっても、守れる様に手を打った。


 と、その時。


 騎士の上着を借りて後ろを向いていた俺の背後でスタスタという足音が聞こえる。


 「淀川先生?何ですか急に?もうすぐ一度集まる時間ですよ。と言うか、一人でこんなところにいたら危ないではないですか?」


 その人物は落ち着いた声で俺に問いかける。


 「ええ、でもまあ、その心配はありませんわ。何故なら淀川先生はここにはいませんからね」


 「!?」

 

 俺がゆっくりと振り返ると、そこに居る人物は目を丸くしていた。


 「更に犯人もここで捕まえることが出来るので、この事件は万事解決、淀川先生も安心して外を歩くことができるようになるでしょう」


 「...」


 それから俺はうっすらと笑顔を浮かべながら、呼び出した人の顔を指差す。


 「そう、そして淀川先生殺人未遂の真犯人は貴女です。来島咲枝先輩!!」

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